ジャズの名盤セレクション・ベスト100(1~50)(スイング・ジャーナルのベスト100も併記)
ジャズ名盤100、のような企画がよくありますね。一番有名なのはもう無くなったSwing Journal というジャズ雑誌がやっていたものでした。
ただ、そういう多数の人が参加する企画では、どうしても平均的になりがちなのはしかたないですね。ありがちなセレクションになる訳です。
一方で、個人がセレクトする本も出ていて、有名というか、私が好きなのは以下の3冊です。
皆さん個性があって面白いですね。(村上春樹・菊地成孔・寺島靖国)
私が選ぶジャズの名盤100選(の内の50枚)を書く前に…
先ほどのSwing Journal 誌の100選をだーっと貼り付けますね。
(*私の選ぶベスト100へは、目次の2.から飛べます)
スイングジャーナル・ジャズ名盤ベスト100
*2001年1月号と少し古いのですが、ジャズの世界では、ほとんど問題ない ことです。
1 ワルツ・フォー・デビイ/ビル・エバンス
2 カインド・オブ・ブルー/マイルス・デイビス
3 サキソフォン・コロッサス/ソニー・ロリンズ
4 アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション/アート・ペッパー
5 バードランドの夜 Vol 1 , Vol 2/アート・ブレイキー
6 サムシン・エルス/キャノンボール・アダレイ
7 ポートレイト・イン・ジャズ/ビル・エバンス
8 バラード/ジョン・コルトレーン
9 クール・ストラッティン/ソニー・クラーク
10 リターン・トゥ・フォーエバー/チック・コリア
11 ブルー・トレイン/ジョン・コルトレーン
12 スタディ・イン・ブラウン/クリフォード・ブラウン
13 クッキン/マイルス・デイビス
14 エリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイブ・スポット Vol 1/エリック・ドルフィー
15 フル・ハウス/ウェス・モンゴメリー
16 チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ Vol 1/チャーリー・パーカー
17 処女航海/ハービー・ハンコック
18 プリーズ・リクエスト/オスカー・ピーターソン
19 ビレッジ・バンガードの夜/ソニー・ロリンズ
20 ウエイ・アウト・ウエスト/ソニー・ロリンズ
21 キャンディ/リー・モーガン
22 ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン/ヘレン・メリル
23 ケルン・コンサート/キース・ジャレット
24 クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ/クリフォード・ブラウン
25 サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ/アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
26 ジャイアント・ステップス/ジョン・コルトレーン
27 ビッチェズ・ブリュー/マイルス・デイビス
28 ゲッツ~ジルベルト/スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
29 ブリリアント・コーナーズ/セロニアス・モンク
30 ヘビー・ウエザー/ウエザー・リポート
31 星影のステラ~スタンダーズ・ライブ/キース・ジャレット
32 スタン・ゲッツ・プレイズ/スタン・ゲッツ
33 モーニン/アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
34 静かなるケニー/ケニー・ドーハム
35 メロディ・アット・ナイト、ウイズ・ユー/キース・ジャレット
36 スピーク・ライク・チャイルド/ハービー・ハンコック
37 チャーリー・パーカー・オン・ダイアル Vol 1/チャーリー・パーカー
38 ワード・オブ・マウス/ジャコ・パトリシアス
39 ソニー・ロリンズ Vol 2/ソニー・ロリンズ
40 ザ・シーン・チェンジズ/バド・パウエル
41 サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード/ビル・エバンス
42 ラウンド・アバウト・ミッドナイト/マイルス・デイビス
43 ソウル・ステーション/ハンク・モブレイ
44 オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテット/ジェリー・マリガン
45 ライブ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード/ジョン・コルトレーン
46 至上の愛/ジョン・コルトレーン
47 プレス&テディ/レスター・ヤング
48 アフリカン・ピアノ/ダラー・ブランド
49 マイ・フェイバリット・シングス/ジョン・コルトレーン
50 ナウズ・ザ・タイム/チャーリー・パーカー
51 レフト・アローン/マル・ウォルドロン
52 エクスプロレイションズ/ビル・エバンス
53 ウィスパー・ノット/キース・ジャレット
54 ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol 1 , ◎Vol 2/オーネット・コールマン
55 スタンダーズ Vol 1/キース・ジャレット
56 アンフェラス協奏曲/ジム・ホール
57 リラクシン/マイルス・デイビス
58 ライブ・アット・カーネギー・ホール 1938/ベニー・グッドマン
59 キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ/キャノンボール・アダレイ
60 マイ・フェア・レディ/シェリー・マン
61 ワイン・ライト/グローバー・ワシントン Jr.
62 ツァラトゥストラはかく語りき/デオタード
63 ゴー!/デクスター・ゴードン
64 テナー・マドネス/ソニー・ロリンズ
65 マイルストーンズ/マイルス・デイビス
66 スタン・ゲッツ・カルテット/スタン・ゲッツ
67 バグス・グルーブ/マイルス・デイビス
68 モダン・アート/アート・ペッパー
69 枯葉/サラ・ボーン
70 ザ・ブラントン=ウエブスター・バンド/デューク・エリントン
71 直立猿人/チャールス・ミンガス
72 ポール・ウイナーズ/バーニー・ケッセル
73 ベース・オン・トップ/ポール・チェンバース
74 フォア・アンド・モア/マイルス・デイビス
75 ウイ・インシスト/マックス・ローチ
76 バド・パウエルの芸術/バド・パウエル
77 リターン・オブ・アート・ペッパー/アート・ペッパー
78 アート・テイタム~ベン・ウエブスター・カルテット/アート・テイタム
79 ガール・トーク/オスカー・ピーターソン
80 チェット・ベイカー・シングス/チェット・ベイカー
81 アワ・マン・イン・パリ/デクスター・ゴードン
82 ソウル・トレーン/ジョン・コルトレーン
83 ブルース・エット/カーティス・フラー
84 ウィズ・ストリングス/クリフォード・ブラウン
85 オール・アローン/マル・ウォルドロン
86 グルービー/レッド・ガーランド
87 モントルー・ジャズ・フェスティバルのビル・エバンス/ビル・エバンス
88 コンプリート・ライブ・アット・プラグド・ニッケル 1965/マイルス・デイビス
89 ジュニア/ジュニア・マンス
90 ザ・ケリー・ダンサーズ/ジョニー・グリフィン
91 アガルタ/マイルス・デイビス
92 フュエゴ/ドナルド・バード
93 アンダー・カレント/ビル・エバンス~ジム・ホール
94 ソニー・クラーク・トリオ/ソニー・クラーク
95 ディッピン/ハンク・モブレイ
96 ナイト・ライツ/ジェリー・マリガン
97 アローン/ビル・エバンス
98 4,5&6/ジャッキー・マクリーン
99 トリオ 99→00/パット・メセニー
100 キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ/キャノンボール・アダレイ
↑↑ 私は勿論全部聞いています。LPレコードまたはCDで持ってないのは7枚でした。
私が選ぶベスト100のうちの50位まで
さて私の個人的のベスト100を作りますが、以下のような指標で選んでいきたいと思います。
1)みんながいいというからではなく、自分がいいと思う、好きなものを選ぶ。
2)しかし名盤というからには、やはりジャズの歴史の中での重要性を考慮する。(影響力の大きさなど)
3)ヴォーカル・アルバムは基本的に除外します。
(Helen Merrill with Clifford Brown のような特殊な盤は入れていますが)
4)日本人のジャズも除外します。(日本ジャズは別稿でやります)
✡スイングジャーナルと違って、英文表記にします。スペル・ミスがあったらご容赦を。
1 Kind Of Blue / Miles Davis (1959) 今も世界中で売れ続けるモダンジャズを代表する1枚。
この後の全てのジャズに影響を及ぼした。そのような歴史的名盤でありながら、かつ最もカッコいいジャズであることが、売れ続ける理由だと思う。
3 Portrait in Jazz / Bill Evans⇨ (1959) エヴァンズ=ラファロ=モチアンの4部作を代表する盤として。 4 I Will Say Goodbye / Bill Evans(後期)⇨ これはもう個人的好みです。このアルバムでの、甘さに流れない硬質なリリシズムはエヴァンズ以外のピアニストでは余り感じることが出来ない高みにまで到達しているように感じます。 5 Four and More / Miles Davis ⇨ ライブ・ジャズの代表。この5人のメンバーはカッコいいの極地。
Waltz For Debby も良いのですが、こちらも素晴らしい。
miles davis,herbie hancock,ron carter,tony williams,george coleman
’64年録音だが、この頃のジャズの到達点、一つの完成形と言ってもいい。
⇨26.参照
10 5 By Monk By 5 / Thelonious Monk ⇒ 最初の5は5曲という意味。次の5はMonk,Thad Jones,Charlie Rouse,Sam Jones,Art Taylerの5人の意味。これを聴いて感動しないならジャズなんか聴かない方がいいです。
14 A Love Supreme 「至上の愛」/John Coltrane(後期)⇨ ジョン・コルトレーンの代表作。
難しい音楽と思われがちだが、メロディはキャッチーだと思う。
特にPart 2 の最初のメロディは頭から離れない。初心者の方にも是非聴いて欲しい1枚。
16 Bud Powell in Paris (1964)/ Bud Powell 晩年のパウエルが決してダメではなかったことを証明する名演奏。
この〈I Can’t Get Started〉は、この時のパウエルにしかできない。
17 European Concert / Modern Jazz Quartet⇨
このようなジャズ・アルバムがあることもジャズという音楽の多様性を示す。
1960年のライブとは信じられない音の良さにも驚く。
21 A Night at Birdland Vol.1&2 / Art Blakey
クリフォード・ブラウン、ホレス・シルバーがいたメッセンジャーズ。
これがジャズだ!(と言いたくなる盤がたくさんあるが、これはその代表)
26 My Funny Valentine / Miles Davis 5.の〈Four&More〉と同日録音ライブ。 28 Parker with Strings / Charlie Parker パーカーはどれを聴いても凄い!と思わせるから、この聴き易いWith Strings でパーカーに入門するのもいいですね。 29 Money Jungle/ Ellington,Mingus,Roach これはもうデューク・エリントンとチャールズ・ミンガスとマックス・ローチの一期一会の競演ということで、騙されて買って聴いて下さい。
この2枚を繰り返し聴けば、ジャズという音楽がいかに高度な所まで到達してかが分かる。
ひとつの完成形と言ってもいい。これより先に進化してゆくマイルスが凄い。
個人的には最もフリーに近づく曲〈All Of You〉が好き。特にハンコックのピアノ。
きっと、いつか、その凄さが分かりますから!。特にエリントンのmadnessが。
33 Out Of The Afternoon / Roy Haynes
ギネス記録級のドラマー、ロイ・ヘインズのリーダー作。
ヘインズ=トミー・フラナガン=ラサーン・ローランド・カークが揃った奇跡の1枚。
36 Miles Davis at The Blackhawk Vol.1 &2 (1961)
マイルス・クインテットのヒット・パレード・ライブ。
Miles(tp),Hank Mobley(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Jimmy Cobb(ds)
37 At Carnegie Hall / Charles Mingus (1974)
*ミンガスは後半になるほど聴き易くなった。これなど楽しさ満点。George Adams,Hamiet Bluiett,Jon Faddis,Rolland Kirk,Don Pullen,Dannie Richmondなど。
38 The Broadway Bit / Marty Paich (1959)
*ブラスバンド出身者はこういう音楽が一番好き。pepper,sheldon,perkins,candoli,giuffre,feldman &LaFaro
39 People Time / Stan Getz & Kenny Barron
*ここで演奏される名曲たち(stablemates,I remember Clifford,first song,hush-a-bye,soul eyes など)は永遠になった。
41 Paris Concert / Bill Evans 晩年(死の1年前)のパリでのライブ。エヴァンズがたどり着いた世界。 こちらがVol.2 ↓
Vol.2と共にエヴァンズ・ミュージックの集大成とも思える。
このライブを聴かないでエヴァンズ・ファンは終わらない!
43 Crescent / John Coltrane コルトレーン、黄金のカルテットの最高のバラード集。 49 EXIT / Pat Martino これがパット・マルティーノの最高傑作とは言わないが、 50 Anniverzary! / Stan Getz *1987年、ストックホルムでのライブ。全曲素晴らしい。〈I Can’t Get Started〉がまた好きになる。同日録音の〈Serenity〉とセットで持つべき。
日本で一番売れている〈Ballads〉より深いコルトレーンのバラード演奏を聴くことが出来る。
この〈Blue Bossa〉と〈I Remember Clifford〉にはやられた。
ピアノがギル・ゴールドスタインであることもポイント。
追悼 ロイ・ハーグローヴ
2018年末にロイハーグローヴが49歳の若さで亡くなりました。
ジャズ界にはいまだにハーグローヴ・ロスの気分が漂っているようです。
番外としてロイの1枚をここに置きます。
番外 Earfood / Roy Hargrove *2007年ハーグローヴ・クインテットのライブ録音。オリジナルとスタンダードがバランス良く演奏される。ヒット曲〈Strasbourg/St.Denis 〉ももちろん入っています。
12曲目フルーゲルホーンによるバラード〈Speak Low〉に続いてラストの曲がサム・クックの〈Bring It On My Home To Me〉という構成も感動的。
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まとめ
50位まで書いてきて、、何だかありがちな50枚になったなー、という気がします。
まあ、ベスト50は仕方ないですか。(しかし、Swing Journal 誌とのダブりは意外に少なかったです。多分10数枚。)
このあと50位以下はこちらです。
こちらはもう少し特色のある50枚にするつもりです。
50位以下もよろしくお願いします。
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