マイルス・デイビス:帝王と呼ばれた男・モードジャズからエレクトリックへの移行期について・菊地成孔解説付き
Contents
はじめにーMiles Davis のこと
日本語表記について
Miles Davis の日本語表記は様々あります。代表的なものは下記の3つでしょうか。
マイルス・デイビス
マイルス・デイヴィス
マイルズ・デイヴィス
本を当たってみると例えば↓
やはり「マイルス・デイビス」ですね。
この本の翻訳者は元スィング・ジャーナル編集長で「マイルスを聴け!」の著者でもある中山康樹です。
●他に寺島靖国の「辛口!JAZZ名盤1001」でも同様の表記です。
今は無くなったSwing Journal というジャズ雑誌がこの表記を定めたので、いわゆるジャズ評論家の人はこれに従っているようです。
●一方言葉にこだわる人、その代表である村上春樹は終始「マイルズ・デイヴィス」表記です。ジャズに詳しくアメリカにも住んだ村上春樹の表記が一番正しい表現に近いと思われます。
マイルスの基本情報
出生名:Miles Dewey Davis Ⅲ
(マイルス・デューイ・デイビス3世)誕生日:1926年5月26日
出生地:イリノイ州オールトン
死没: 1991年9月28日(65歳没)
活動期間:1944-1991
レーベル:プレスティッジ・レコード
コロンビア・レコード
ワーナー・ブラザーズ
——wikipedia
マイルス その音楽の変遷
人によって異なるマイルス評価
・バグス・グルーブ
・ワ―キン
誰しも偏っているものですからね。
最大の劇的な変化は1968年、European Tour 1967~In A Silent Way~Bitches Brew
1967年のMiles Quintet,ヨーロピアン・ツアーの記録。
正確には2つのセッションからなっている。
1)In Stockholm,SWEDEN, Oct.31.1967
2)In Karlsruhe,GERMANY, Nov.7.1967
話を簡単にするため、1曲に絞る。2)ドイツでの4曲目、Walkin’である。
信じられない速さで演奏されるこの曲。
超高速をたたき出すトニー・ウイリアムスとロン・カーターもめちゃくちゃ凄い。
モーダルなピアノで応酬するハンコックも凄すぎる。
しかし問題はウエイン・ショーターである。
ショーターの頭には数ヶ月前に死去したコルトレーンがよぎっていたに違いない。
ショーターのソロの終わりのほう(6分あたりから)、演奏しているのだけど、ほとんど音を出していない(モゴモゴモゴ)ーーというところには(失礼ながら、不覚にも)笑ってしまった。
これはモード・ジャズの究極、それは結局フリージャズだったというような演奏だ。
Milesという人は慎重にフリーとの距離を置いてきた人だが、このショーターの演奏を見守る目つきは、いつになく鋭い。
かくしてMilesのアコースティック・バンドは終焉を迎え、Milesは翌68年初頭から、スタジオにこもり、そうして出てきたのが”Miles In The Sky”だった。
エレクトリック・マイルスが出現する直前のライブ映像として、貴重なドキュメントである。
またベース奏者をデイブ・ホランドに変えて全面エレクトリック・ベースにしています。
〈Spanish Key〉です。カッコいい音楽です。
別にジャズじゃなくてもイイじゃんというマイルス・ファンはどこまでもついて行きました。
Kind Of Blue に始まるモードのマイルス
この文章は1967~68年の大きく変わったマイルスのことを書いています。
そこから時代を逆行させて1959年に戻ります。
1959年~1967年のマイルスです。この時代を一言で言えば「モードの時代」と言ってよいでしょう。
その始まりは1959年のジャズ史上最も有名なアルバム〈Kind Of Blue〉です。
このアルバムについては記事を書いていますのでそちらを参照ください。
⇒ Kind Of Blue / Miles Davis
いま、ちょうどこんなのも出ていますね。↓
菊地成孔による解説
■ところで、「モード」って何?
という方もいらっしゃると思います。
それをうまく、分かり易く説明することは私の能力を超えます。
(beyond my capability)
そこで、かの菊地成孔氏が分かりやすく説明している動画「モード・ジャズとは何か」という動画がありますので、興味のある方は御覧ください。
ちなみに菊地成孔氏はテナーサックス奏者が本業です。
ここでは、もうモード・ジャズというより、ほとんどマイルスと「カインド・オブ・ブルー」のことを語っています。
⇒消されました⇒代わりに「菊地成孔マイルスを語る」のヴィデオを入れます。後半でモードの説明があります。
まとめ
■ 1967年、アコースティック期のマイルスが終わり、1968年エレクトリック・マイルスが始まる「大いなる変革期」のことを書きました。
■そして1959年の〈Kind Of Blue〉が出た時のことを書きました。
そこからモード時代のマイルスを書くつもりでしたが、長くなりましたので、一旦終わります。
*続きはこちらに書いていますので、よろしくお願いします。
マイルス記事のまとめ
*マイルスについて書いた記事(年代順)
1.⇨ マイルス・デイビスの初期代表作を聴こう!バグス・グル-ブ、マイルストーンズなど
3.⇨ (今読んである記事です)
帝王と呼ばれた男・モードジャズからエレクトリックへの移行期
4.⇨
エレクトリック・マイルスを聴け!ベスト5を選んじゃう!