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デクスター・ゴードン:ジャズのテナーサックスを代表する奏者の録音から6枚を選ぶ

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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(↑デクスター・ゴードン:いい顔をしていると思いませんか?)
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ジャズのテナーサックス奏者は勿論たくさんいます。

ソニー・ロリンズジョン・コルトレーンスタン・ゲッツもモダン・テナーを代表する人たちです。

その中でデクスター・ゴードンというテナーサックス奏者は、「これぞテナー」という雰囲気と風格を漂わせていました。

デックス(と呼ばれていました)のスィング感はゆったりと、大きなスィングでした。そして深ーい音でテナーを吹きました。
それは他の誰とも違っていました。
だからLong Tall Dex と呼ばれたのです。実際に大柄な人でもあったのですが。

その数多いデックスの録音の中から、6枚を選んで聴きましょう。

実際たった6枚に絞るのは困難でしたが、そこはエイヤッと決めました。

そして各アルバムから聴くのは1曲だけとしました。

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

1枚目は”Daddy Plays The Horn”

曲はカッコよさで”You Can Depend On Me”にします。

●おすすめのポイント

1955年の録音盤なのですが信じれれないほど音がいいアルバムです。(BETHLEHEM盤)
サックス音も生々しいし、ピアノも歪んでいない。ドラムスもクリア。

デックスの堂々たるサックスが聴きどころですが、ケニー・ドリューの弾むようなピアノも素晴らしい!。

 

デクスター・ブロウズ・ホット・アンド・クール

Daddy Plays The Horn の2か月後、1955年11月に録音されています。

*↑ジャケットもたまりません。

ピアノが夭折した幻のピアニスト、カール・パーキンスであることが特徴ですね。
(*カール・パーキンスについてはこちらの秀逸なブログに詳しいので参照ください。)
カール・パーキンス

ベースは前作と同じルロイ・ヴィネガーです。

曲はTenderly 。

 

●おすすめのポイント

Hot とCool な曲を交互に演奏しているのですが、1曲となるとやはりスタンダードのバラードになりました。

というのも、こういうバラードではデックスの節回しの特質が良く表れて、もう独壇場という感じになるのです。
こればっかりはロリンズにもできなかったことです。

デックスが愛される理由の一つがここにあると思われるのです。

 

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Go!

この1962年のアルバム〈Go!〉も外せないですね。

1曲目の親しみを持てるメロディの「チーズ・ケイク」が特に有名です。
聴きましょう。

●おすすめポイント 

Dexter Gordon – tenor sax
Sonny Clark – piano
Butch Warren – bass
Billy Higgins – drums
のカルテットです。

何度聴いても、心躍る曲です。
しかし、ピアノのソニー・クラークはこの5ヶ月後には亡くなります。

このアルバム、他の曲も素晴らしい名盤です。

 

アワ・マン・イン・パリ

有名なアルバム”Our Man In Pris” です。

曲は”Stairway To The Stars”(星へのきざはし)

●おすすめポイント 

タイトル通り1963年パリ録音です
ピアノを弾いているのがバッド・パウエルであることも話題でした。パウエルは当時すでにパリに移住していました。
このバラード曲をゴードンとパウエルがこのように演奏したこと自体が記念碑的なことでした。何とも言えない大物感が漂う演奏です。今やれと言われてもできません。
またこのBLUENOTEのジャケットも抜群でした。

 

ワン・フライト・アップ

 

次のアルバムは1964年に録音された”One Flight Up” です。

このアルバムからは1曲目の”TANYA”をかけるしかありません。

「タニア」は女性の名前だと思います。

●おすすめポイント 

1964年と言えばモード・ジャズ全盛期です。 デックスもこのように新しい息吹に対応したアルバムを作りました。
その結果こんなかっこいい曲が生まれたのです。TANYAを作ったのはトランペットを吹いているドナルド・バードです。
これはメンバーを書かないといけませんね。
Dexter Gordon (tenor sax)
Donald Byrd (trumpet)
Art Taylor (drums)
Niels-Henning Orsted Pedersen (bass)
Kenny Drew (piano)

5人ともすばらしいです。デンマーク生まれのベーシスト、ニールス・へニング・オルステッド・ぺデルセンは当時若干18歳だったから驚きです。

 

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クラブハウス

 

5枚目は”CLUBHOUSE”です。(1965年)

いいバラードをやっています。”I’m A Fool To Want You” です。

●おすすめポイント

最後にデックスらしい深いバラード演奏をアップできてよかったです。
このトランペットはフレディ・ハバードでした。
メンバー:
Dexter Gordon – Tenor Saxophone
Freddie Hubbard – Trumpet
Barry Harris – Piano
Bob Cranshaw – Bass
Billy Higgins – Drums
クランショウ、ヒギンズは”The Sidewinder/Lee Morgan”と同じですね。

 

まとめ

順序が逆になりましたが、最後に人物紹介です。

Dexter Gordon : 1923-1990

ロサンジェルス生まれ。
40年代にビリー・エクスタイン楽団のテナー・サックス奏者として活躍。
同じテナー奏者のワーデル・グレイとの共演でも人気を博す。
50年代の麻薬禍による停滞期を経て、「アワ・マン・イン・パリ」の録音以降ヨーロッパに定住。
晩年には健康を害したが、映画「ラウンド・ミッドナイト」(’86)の主演で話題になった。
ーーー村上春樹著「ポートレイト・イン・ジャズ」の要約より引用

*ゴードンはもっと生きたと思っていたのですが、67才で亡くなっていたのですね。

*ゴードンは70年代にもいい録音があるのですが、何しろ6枚と限定しましたので後期の録音は省略としました。

ーーー実は村上春樹氏は上に書いた著書で、デックスの1枚として’76年録音の”Homecoming“を選んでいました。

 

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