4/12プレバトは特番・春の「俳桜戦」興味の焦点はキスマイ対決と梅沢富美男
*全ての画像は番組HPより引用:http://www.mbs.jp/p-battle/
4月に入って2週目、特番 春の「俳桜戦」です。
お題は「桜と富士山」ーーこのお題、桜、富士山という2大語が入って却って難題となるようです。
Contents
出演者
例のごとく出演は名人特待生のみ9人です。
(高段位順)
1.梅沢富美男
2.藤本敏史(FUJIWARA)
3.東国原英夫
4.横尾渉 (Kis-My-Ft2)
5.千賀健永 (Kis-My-Ft2)
6.三遊亭円楽
7.中田喜子
8.千原ジュニア
9.松岡充
色々楽しみがありますが、
◯ひとつは横尾渉、千賀健永のキスマイ対決。
◯昨年からの4シーズンの王者に一度もなれなかった最高位名人9段の梅沢富美男が果たして雪辱なるかーーという点。
◎昨年の春夏秋と今年1月の冬の結果は以下で見ることができます。
冬の「冬麗戦」⇨ (2018年1月)
俳桜戦 査定結果 速報
では、行きます。4位からの発表。
4位 三遊亭円楽
銭湯で 花見の日取り 決まりけり
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銭湯で 決まる花見の 日取りかな
梅沢名人:「決まりけり」が良くない。おわりは「日取りかな」が良い。
先生:おっちゃん(梅沢のこと)素晴らしい!
こういう俗な場面を切り取ると円楽はうまい。
勿体無いのは「銭湯で」が散文くさい。続けて動詞を持ってくると、散文くささが薄まる。
8位 千原ジュニア
噺家が 魅する桜と 富士の山
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米朝の 語る桜と 富士と空
梅沢名人:噺家は、例えば「円楽が」と入れればドラマが生まれる。
先生:梅沢素晴らしい!噺家を具体的に。私は米朝が好き。
「魅する」より「語る」でしょ!
この句の桜と富士は虚構だから、映像を添えないと!
7位 中田喜子
逆さ富士に目 桜鱒 天めがけ
⇩
逆さ富士 ゆらぐや 桜鱒跳ねる
梅沢名人:「鱒跳ねる」と言ったほうが訴える、と私は思う。
先生:おっちゃん、エライ!
「天めがけ」の擬人化も大袈裟。(誇張し過ぎで読み手を混乱させる)
発想はいいのに勿体無い。
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最下位発表にあたって、みんなが怯え、ビビりまくる。
9位 松岡充
啓蟄や 花びらも食べ 空も食べ
⇩
花びらを食べ 空を食べ 未来へと
松岡:季重なりは敢えてやったもの。(啓蟄と花びら)
東国原:「啓蟄」という季語は状態ではなく、時候の季語。
先生:作者の意図を聞くと「啓蟄」を諦めた方がスッキリする。
添削で作者の意図を何とか現した。
5位 横尾渉
もの思うこと 忘れおり 花衣
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やるべきを 忘れ 花衣のうつつ
梅沢名人:発想はいいけど、これは難しいな。勿体無い。
先生:字面を見ると、本人の説明とは違った。
難しい。
3位 千賀健永
乙女座の スピカ流るる 花吹雪
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乙女座の スピカよ 花吹雪流るよ
千賀:乙女座が季語。
東国原名人:前回(冬麗戦)と同じ発想。星と桜吹雪。
先生:美しい句。あの写真から夜を想像できるのは千賀の発想力。
悩ましいのは「流るる」の位置。
乙女座のスピカよ、で一旦詠嘆する。その後敢えて字余りにして乙女チックな句に添削してみた。
6位 藤本敏史
肉食の フェンスの施錠 山ざくら
⇩
肉食獣の フェンスの施錠 山ざくら
藤本:サファリパークの様子。
梅沢名人:肉食獣といわなくちゃ、わからん。
肉がフェンスにへばりついているのか?
先生:おっちゃんの勝ち。
ただ、いい所がたくさんある。さくらを平仮名にしたのも良い。
たった一つのミスのせいで、こう(6位に)なった。「獣」の一言を字余りになっても入れるべき。肉食を生で出すと読み手を惑わす。
言葉のイメージは変化するのだから、肉食だけでは今では間違えられる可能性を考えるべき。
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★さあ、東国原と梅沢の二人が残りました。
東国原:番組的に梅沢に忖度があるんじゃないか!
2位 梅沢富美男
空のあお 富士の蒼へと 飛花落花
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直し無し
東国原:忖度は無かった!
先生:正統派の作品。「あお」と「蒼」を書き分ける力。
「へと」という動詞で遠近感を見事に表現。
俳句のメカニズムを分かっている王道の句。
梅沢:「それなら1位にしとけよ!」と吠える。
1位 東国原英夫
花震ふ 富士山 火山性微動
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直し無し
先生:意外性の描き方に驚く。
上5と中4で、一瞬ベタな句かと思わせて・・・
詩になりにくい言葉を使って詩を作る才能に参る。
しょうがない。今日はこれが一位だよ!
まとめ
この結果に対して、梅沢富美男が
「ババア、考えろよ。なんで俺が2位なんだよ。ふざけんなよ!」と暴言を吐いてました。
この暴言に、夏井いつき先生も「あなたは俳句の世界をなんだと思ってるんですか?」とたしなめていました。!!
という訳で俳桜戦Ⅱ を制したのは東国原英夫名人でした。
特番の四季戦で3回目です。
キスマイ千賀健永の3位も見事ではないでしょうか。もうまぐれとは言われないですね。
ただ、筆者個人的には今回は、特別に感心した句は出現しませんでした。
東国原の「火山性微動」も確かに独特な言葉世界を使ってユニークな句だとは思いますが、過去の東国原句を知っていると、もはや驚きはなかったです。