ラテンジャズまたはジャズとラテン音楽の融合(追悼 ガトー・バルビエリ)
ジャズはもともと混血音楽なのですが、特にラテン・ミュージックとは親和性が高くて、バップの時代にも一方ではアフロ・キューバン・ジャズなどが流行っていました。
D.エリントンもD.ガレスピーもアート・ブレイキーも、そういう音楽をやっていました。
そういうことで、ここでは、主に現代のプレイヤーによるラテンジャズにスポットしてみます。
マンハッタン・ジャズ・クインテットというグループがずばり「Latino-Bop」というアルバムを出しているので、まずこれ聴いてみましょう。
では1曲、〈SWAY 〉を。
Contents
- 1 Sway :マンハッタン・ジャズ・クインテット
- 2 Besame Mucho / アート・ペッパー
- 3 Ricado Bossa Nova / ジャンニ・バッソ
- 4 Melodia Sentimental/ダスコ・ゴイコヴィッチ
- 5 Europa / ガトー・バルビエリ
- 6 Claudia / イラケレ
- 7 Guajira para Bebo /チューチョ・ヴァルデス&パキート・デリヴェラ
- 8 La Diferencia/ トニー・ペレス
- 9 Caribe / ミシェル・カミロ
- 10 Chega De Saudade / イリアーヌ・イリアス
- 11 Beautiful Maria of My Soul /ジョン・ピザレリ
- 12 Samba De Orpheu / ポール・デスモンド
Sway :マンハッタン・ジャズ・クインテット
この曲、昔の人は「キエン・セラ」というタイトルで知っていたラテン曲です。
アメリカで「スウェイ」というタイトルがつけられたました。
最近ではマイケル・ブーブレが歌ってますね。
Besame Mucho / アート・ペッパー
アート・ペッパーの「べサメ・ムーチョ」を聴きましょう。 これは1956年の演奏です。
うーん、この曲のジャズ・バージョンの決定的名演ですね。
Ricado Bossa Nova / ジャンニ・バッソ
新しい演奏になりますが、イタリア・テナーの巨匠ジャンニ・バッソ(2009年に亡くなった)とブラジルのギター・イリオ・デ・パオラの競演を聴きましょう。
ハンク・モブレイが大ヒットさせてその後、ジャズ・スタンダードになった「リカード・ボサノヴァ」です。
モブレイとは一味違う、いい味を出してますね。(イタリア+ブラジルはやはりラテンの血が濃くなるのでしょうか)
Melodia Sentimental/ダスコ・ゴイコヴィッチ
次は旧ユーゴスラビア出身のトランペット、ダスコ・ゴイコヴィッチのアルバム「サンバ・チガーネ」から〈Melodia Sentimental〉
これはセリーヌ・ルドルフという女性ヴォーカル入りです。
ラテンの哀愁とヨーロッパの哀愁(バルカン的、ジプシー的哀愁)がうまく溶け合っていますね。 この曲はちょっと日本の歌謡曲的な味わいまでありますね。
Europa / ガトー・バルビエリ
ヨーロッパの哀愁とか書いたから、カルロス・サンタナの「哀愁のヨーロッパ」を思い出しました。
アルゼンチン出身のテナーサックス、ガトー・バルビエリがこの曲をやっていますので、是非。
アルバム〈Caliente〉からの1曲。
この曲ジャズメンも結構やっているのですが、ガトーのテンションが一番高いですねー。
【Gato Barbieri:今年(2016年)4月2日に亡くなったそうです】
追悼の意味を込めて〈Last Tango In Paris〉のライブ映像を追加します。
哭きのサックスをたっぷり聞かせてくれた人でした。Rest In Peace.
あとキューバ系とかも多いんですよね。
Claudia / イラケレ
キューバの凄腕バンドIRAKERE のライブ演奏から、「クラウディア」
トランペットソロはアルトゥーロ・サンドヴァルです。
イラケレのリーダーはチューチョ・ヴァルデスというピアニストなんですが、
サックスのパキート・デリヴェラ(この人もイラケレのメンバー)との共演ライブを聴きましょう。
Guajira para Bebo /チューチョ・ヴァルデス&パキート・デリヴェラ
先ほどの〈Claudia〉と曲調が似ていますね。どちらもチューチョの作曲だと思います。
あと、キューバ人ピアニストでジャズっぽいのはトニー・ペレスという人がいます。その人のバンドが演奏する、まさにラテン・ジャズという演奏を聴きましょう。
La Diferencia/ トニー・ペレス
ラテン・パーカッションが入ると、一気にそういうムードになりますね。
Latín jazz Tony Pérez gran pianista de origen Cubanoと書いてあります。
それにしてもクバーノ(キューバ人)の音楽度の高さはすごいですね。
ジャズではないですが、有名になった、ブエナ・ヴィスタ・ソシアルクラブ なんかもありますしね。
あー、ブエナのピアニスト、ルーベン・ゴンザレスも巧かったですね。
Caribe / ミシェル・カミロ
あと、ドミニカ出身の超絶技巧ピアニスト、ミシェル・カミロがいますね。
聴きましょう。「カリベ」(カリブ海ですね)
Chega De Saudade / イリアーヌ・イリアス
女性ピアニストもいます。
ブラジル出身のイリアーヌ・イリアス。
いつも裸足でフットペダルを踏んでます。かっこいい女性ピアニスト。
曲は:
Chega De Saudade/シェガ・ジ・サウダージ (ポルトガル語)
英題:No More Blues
邦題:想いあふれて
作詞:ヴィニシウス・ジ・モライス
作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン
1958年
DVD紹介ーー「カジェ54」
[Ultimate Latin Jazz Film for All Jazz Lovers !!]
Beautiful Maria of My Soul /ジョン・ピザレリ
「マンボ・キングス」という映画がありました。
オスカー・イフェロスの原作はピューリッツアー賞を取りました。
アーマンド・アサンテとアントニオ・バンデラスが兄弟を演じて感動的な映画でした。
それを、ギター&ヴォーカルのジョン・ピザレリがやっています。
この↓アルバムです。このアルバムは他の曲も良くて愛聴してます。
これはジャズではないですけど、
♪Lovers dreaming in the night
Reaching for paradise というところがいいですねー。
Samba De Orpheu / ポール・デスモンド
あと、ジャズでよく演奏される曲に「黒いオルフェ」Black Orpheus があります。と同時に「オルフェのサンバ」という曲もあります。
どちらも映画のためにルイス・ボンファが作った曲です。
サンバの方を聴きましょう。
至高のアルトサックス奏者ポール・デスモンドとギターのジム・ホールが共演したアルバム〈Take Ten〉から聴きましょう。
サンバのリズムですね。ドラムはあのコニー・ケイなんですが、ジャズのドラマーって達者ですよね。ラテンの人みたいに叩きますねぇ。
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