ソニー・クリスSonny Criss というアルトサックス吹きが残したものは・・・
クリスは日本でも人気があったアルトサックス奏者でした。
チャーリー・パーカー直系と言える奏者でしたが、その一見華やかな音色の裏にどこか哀愁も感じさせるところがあって、日本ではその辺も人気の理由だったかも知れません。
哀愁に関しては、病苦が理由だったとは言え50歳で自死しましたので、その知識が聴く方の心理に影響があるかも知れません。
Contents
Go Man! 1956
まずはこのアルバム〈GO MAN !〉が有名です。
ジャケット・デザインの秀逸さでもヒットです。
このアルバムは個別にも書きました ⇒ので、1曲だけを聴きます。
-memories of you
At The Crossroads 1959
続いて’59年のアルバム「クロスロード」です。
トロンボーン(オラ・ハンセン)が入ったクインテットです。
ピアノはウィントン・ケリー。ベースはボブ・クランショウ。
-Softly, as in a Morning Sunrise
-Sweet Lorraine
Mr. Blues Pour Flirter 1963
クリスがフランスを訪れた時のアルバム。
フランスのミュージシャンが付き合っています。
これがなかなかいいアルバムとなりました。
ジャケットも秀逸。
-on green dolphin street
-This Can’t be Love
ピアノはジョルジュ・アルバニタスとアンリ・ルノーが分け合っています。ギターはルネ・トーマス。
This Is Criss! 1966
-Black Coffee
-Days of Wine and Roses
Up, Up And Away 1967
The Fifth Dimension のヒット曲を取り上げたアルバムです。
-Paris Blues
このアルバム、なかなか興味深いメンバーを集めています。
特にギターのタル・ファーローの参加は目を引きました。そしてタルの参加が成功していますね。タルも従来の奏法を超える新しいことに挑戦しているようです。シダーのピアノも聴き所です。
Sonny Criss (alto sax), Cedar Walton (piano), Tal Farlow (guitar), Bob Cranshaw (bass), Lenny McBrowne (drums)
↑この日本盤の解説(LP、一部CDにも転載)の村上春樹による解説(ライナーノート)が随分有名になりました。
Crisscraft 1975
↑の盤のヒットでこの後似たようなポップスのジャズ演奏も多くやりましが、
純粋ジャズに回帰した’75年のアルバム〈Crisscraft〉に飛びます。
-The Isle Of Celia
-This Is For Benny
*このBennyとはBenny Golson のことだと思うのですが・・・いずれにしろいい曲です。〈Up,up and Away〉でもやっていましたが、こちらの演奏の方がイイと思います。
Sonny Criss (alto sax),Ray Crawford (guitar), Dolo Coker (piano), Larry Gales (bass), Jimmie Smith (drums)
Saturday Morning 1975
-Angel Eyes
-Saturday Morning
-My Heart Stood Still
まるで遺作のような哀しみが伝わるアルバムになりました。
ここでピアノを弾いているバリー・ハリスですが、彼自身のトリオでの演奏よりこのようなサイドに回った時の方がいい演奏をするような気がします。
Sonny Criss (as)
Barry Harris (p)
Leroy Vinnegar (b)
Lenny McBrowne (ds)
まとめ
7枚のアルバムを引用してソニー・クリスの足跡をたどりました。
パーカー派とひとまとめにされるアルトサックス奏者の中で、誰もソニー・クリスのようには吹かなかったと思います。印象に残るプレイヤーでした。
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