エリスとブランフォード・マルサリス親子のアルバム「LOVED ONES」は全て女性の名前の曲で構成されている
エリス・マルサリス(ピアノ)とブランフォード・マルサリス(サックス)の父子で作ったアルバムに「LOVED ONES」というものがあります。
*余談ーー昔トニーリチャードソン監督に「The Loved One 」という映画があって、Loved Oneとは「愛された人」→「死者」という意味でした。しかしこのアルバムではそういう意味ではないようです。
そこに収められた14曲を見ていると、全ての曲の題名の中に女性の名前が入っています。
女性の名前はこのようになっています。(–以下が曲名)
1.Delilah(デライラ) –Delilah
2.Maria(マリア) –Maria*
3.Lulu (ルル) –Lulu’s Back in Town
4.Otis (オーティス) –Miss Otis Regrets (これだけは姓)
5.Angelica(アンジェリカ) –Angelica*
6.Stella(ステラ) –Stella By Starlight*
7.Louise (ルイーズ) –Louise
8.Bess (ベス) –Bess You is My Woman*
9.Liza(ライザ) –Liza*
10.Nancy(ナンシー) –Nancy(with The Laughing Face)
11.Laura(ローラ) –Laura*
12.Alice(アリス) –Alice in Wonderland*
13.Lorraine (ロレイン) –Sweet Lorraine*
14.Dolores (ドロレス) –Dear Dolores
*付きの曲にブランフォードが入ります。他の曲はエリスのソロです。
いわゆるスタンダードナンバーばかりですが、最後の14,のドロレスのみがエリス・マルサリスの妻、即ちブランフォードのお母さんの名前です。
このアルバムから4曲を聴きます。
デライラ Delilah
早速1曲目の「デライラ」を聴きましょう。
エリスのピアノ・ソロです。
それにしてもエリス・マルサリスのピアノは格調のある演奏でしたね。
星影のステラ Stella By Starlight
2曲目は ステラ を聴きます。
ブランフォードマルサリスのテナーサックスが入ります。
ブランフォードのテナー、控えめでいい感じですね。
親子でこのような共演が出来るなんて、羨ましい限りです。
エリスのピアノの部分はやはり美しいです。
エリス・マルサリスという人はクラシックの勉強をしている気がします。
ジャズ的なノリではないです。
マリア Maria
次はブランフォードがソプラノサックスを吹く、マリアです。
マリアは例の ウエスト・サイド・ストーリーのマリアです。
1934年11月14日、米ニューオーリンズ生まれのジャズ・ピアニスト。ウィントン・マルサリスやブランフォード・マルサリスなど6名の“マルサリス・ファミリー”を育てた一家の父親。人種偏見が渦巻く40年代のニューオーリンズでモーテルを開業。公民権運動の指導者キング牧師からも宿泊先として愛用された。ミュージシャンとしての認知は息子たちのブレイク後となったため、リーダー作は少ないが、どの録音でも洗練された演奏を聴くことができる。2008年に“ニューオーリンズ名声の殿堂”、2010年には一家で“ジャズ・マスターズ賞”を獲得した。ーーーCD Journal より引用
ドロレス Dear Dolores
エリスが奥さんに贈った曲 「ディア・ドロレス」です。
エリスのピアノ・ソロです。
エリスとドロレスの夫妻に4人の息子 マルサリス一家は幸せなファミリーなのでしょうね。