アート・ペッパーの名盤としてWinter Moon「ウインター・ムーン」をもう一度推薦

アート・ペッパーについて記事を書きました。
しかし、まだすっきり感がありません。
アート・ペッパーといういうジャズ・ミュージシャンについて十分に書けたとは思いません。
それはアート・ペッパーについて書くということに宿命的について回ることかも知れません。
(プロの)音楽評論家などでもアート・ペッパーの音楽について書く時はある種の逡巡などがあるように感じられます。
ともかく・・・
ペッパーの好きな盤については既に書きました。(前期 ⇨、後期 ⇨)
ペッパーの死の2年前のアルバム〈Winte Moon〉について、また書きます。
Contents
アルバム〈WINTER MOON〉
このアルバムの収録曲は次のようになっています。
*8~10はボーナストラックとなっています。
2.Here’s That Rainey Day
3.That’s Love
4.Winter Moon
5.When The Sun Comes Out
6.Blues In The Night
7.The Prisoner
8.Our Song (alternate)
9.The Prisoner (alternate)
10.Ol’man River
Stanley Cowell :piano
Howard Roberts :guitar
Cecil McBee :bass
Carl Burnett :drums
Arrange and conducted by Bill Holman and Jimmy Bond
1980年9月3日,4日にバークリー(CA)で録音されています。
スタン・カウエル(piano)、セシル・マクビー(bass) は’78のアルバム〈TODAY〉でも共演していました。
*ストリングスが入っています。コアなジャズファンには嫌われることが多いストリングス付きですが、このアルバムでは必然性を感じることが出来て(私は)気になりません。
Our Song
順に聴いていきます。
ペッパーのオリジナル曲です。美しい曲です。Our Songというタイトルも色んなことを連想させます。
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ヴァン・ヒューゼンのスタンダードナンバー。
That’s Love
タイトルの連想から意表をついてブルース曲です。
これもペッパーのオリジナル。カッコいい曲。
Winter Moon
アルバム・タイトルになっている曲〈Winter Moon〉です。
ホ―ギー・カーマイケルの曲。
When The Sun Comes Out
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Blues In The Night
The Prisoner
〈The Prisoner〉です。
*プリズナー「囚人」というタイトルはペッパーの人生を象徴するかのように不穏な題名だと思いますが、実はこの曲は副題がついていて
Love theme from”The Eyes of Laura Mars” となっています。
即ち”The Eyes of Laura Mars” (1978)という映画の主題歌だったのです。
バーバラ・ストライザンドの歌唱が多数あります。
ということは〈The Prisoner〉の意味は「愛の虜」ということになり、ラブ・ソングということになるのでしょうね。
ペッパーがどのような気持ちでこの曲を取り挙げ、演奏したかーThe Prisoner というタイトルにどのような思いを込めたか、あるいは込めなかったかは、分かりません。
我々に出来ることはーーただ聴くことです。
The Prisoner by Art Pepper
ストリングスなども入っていてイントロなどポピューラーソングのようですが、 ペッパーの演奏は、そのような周辺事情に関係なくーーー切実です。
ペッパーを聴いてきた方にはお分かりのように〈前期〉にはなかった(コルトレーンのような)激しい吹き方もしています。
Ol’man River
ーーーー
以上、オルタネイトを除く全8曲でした。
おわりに
アート・ペッパーについて長めの文を書きながら、それでも満足できず
このような追加を書くことになりました。
好みでで言えば、筆者は若い頃のアート・ペッパーの演奏のほうが好きです。〈前期〉で書いているような曲です。後期に比べれば、屈託が少ないからかも知れません。
にも関わらず、こうしてペッパーを代表するアルバムとして、56才での死の2年前に録音されたアルバムを重ねて推薦することが、私の〈ペッパー愛〉の表明になるのかもしれません。
*(決してペッパーのベストではないのですが)このアルバムを偏愛しています。
これより以降のアルバムは痛々しくて聴くことができません。よってこの盤がちょうどゲッツの「ピープルタイム」のように、私の「ペッパーの白鳥の唄」となっています。
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