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ジャズの名曲:You Don’t Know What Love Is (あなたは恋を知らない)の名演、名盤を探す

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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ジャズのスタンダード曲に

You Don’t Know What Love Is

という有名な曲があります。

私は高校生のころにジャズを聴きはじめましたから

この曲も高校生か浪人生の時代に巡り合っているはずです。

・・・この曲の歌詞が意味することはほとんど分かりませんでした。

最初に聴いたのが誰の歌唱だったのか憶えていません。

時代から推測すれば、ビリー・ホリデイかチェット・ベイカーの歌だっと思います。

その後、歌詞抜きのインストルメンタル・バージョンでこの曲を聴くことになりました。

こちらははっきり憶えていますが、エリック・ドルフィーの遺作〈Last Date〉でのフルートによる演奏は異様な迫力で迫ってきました。

でも、やはりこの曲のタイトルと歌詞が意味することは分かっていませんでした。

私は自分が「お前は愛が何だか分かってない」と言われているように受け止めてこの曲を聴いていました。

・ ・ ・

まあ、この辺で一つ聴きましょう。

最初に聴いた可能性が高い、チェット・ベイカーとビリー・ホリデイの歌唱から始めます。

10バージョンをアップしていますが、時間がなくて1曲だけという方にはやはりビリー・ホリディを聴いて頂きたいです。

チェット・ベイカー  &歌詞

 

美しいピアノはラス・フリーマン。

歌詞

You don’t know what love is
Until you’ve learned the meaning of the blues
Until you’ve loved a love you had to loose
You don’t know what love is
You don’t know how lips hurt
Until you’ve kissed and had to pay the cost
Until you’ve flipped you’re heart and you have lost
You don’t know what love is
Do you know how a lost heart fears
The thought of reminiscing
And how lips have taste of tears
Loose the taste for kissing
You don’t know how hearts burn
For love that cannot live, yet never dies
Until you’ve faced each dawn with sleepless eyes
You don’t know what love is
You don’t know how hearts burn
For love that cannot live, yet never dies
Until you’ve faced each dawn with sleepless eyes
How could you know what love is, what love is
What love is

ソングライター: Don Raye(詩) / Gene De Paul (曲)

引用元:ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ (あなたは恋を知らない)
歌詞 © Universal Music Publishing Group

*下線は筆者

*Love は日本語のタイトルでは「愛」になったり「恋」になったりしています。
日本語タイトルは、上の詩では「あなたは恋を知らない」となっていますが、「あなたは愛って何だか知らない」という呼び方もあったと思います。(私にはこちらの方がしっくりきます)

*当時の歌物の曲の多くがそうであったように、これも1941年に映画のために作られています。

*このチェット・ベイカーの歌とトランペット演奏は下のアルバムに入っていました。

当時25歳だったベイカーにだって、この曲の歌詞が意味するところをどこまで分かっていたか、、、それは分かりません。しかし、いい歌と演奏であることは間違いありません。
若さの特権みたいなものも感じます。それにチェットにはトランペットがありますからね。

*私なりに歌詞を見てみるとアンダーラインを引いたところがポイントのようです。
Untilの後が大事な歌詞なのでしょうね。

「恋をして、その恋を失うまで」

「眠れぬままに朝を迎えるまで」

You don’t Know what love is あなたは愛(恋)って何だか分かっていない

・ ・ ・

大げさに書いていますが、まあ、いわば歌謡曲ですから、英語で言われると意味深に感じますが、日本の歌謡曲やj-popにだって、これくらいの意味の歌はあったと思います。

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ビリー・ホリデイ

しかし、次の例えば晩年のビリー・ホリデイのアルバム〈Lady In Satin〉に収録されたこの曲を聴くと、何だか重く迫ってくるものを感じます。

録音されたのは1958年。’59年に44歳で亡くなる前年です。

もう、まともに自分の声をコントロールすることさえ、難しいホリディの歌唱なのですが、そういう問題を超えたところで、このアルバムが存在することの価値を感じます。

少なくとも私は時々このアルバムを聴きたくなります。

 

このアルバム、〈I’m A Fool To Want You〉や 〈You’ve Changed〉
というような曲でも有名です。

ビリー・ホリデイにこのように歌われると納得するしかない、という気がします。

 

チェット・ベイカー (again)

ここからはインストルメンタルの演奏です。

まずはさきほどのチェット・ベイカーに再登場してもらいます。
1979年に録音したアルバムです。
ここではトランペット演奏だけで歌っていません。

ヴァイブラフォンのウォルフガング・ラッカーシュミットとのデュオです。

このアルバム大変高値になっているようですので、再発をお願いしたいものです。(他の収録曲も良さそうです)→(追記)ジャケ違いで再発されているようですね。

50歳になったチェット・ベイカーの演奏は、(ありふれた言い方で恥ずかしいですが)25歳時より深みを増しているように思われます。
ただベイカーのペットの音はポール・ブレイとのデュオ〈Dianne〉(’85)などに比べると調子が良くない感じはあります。

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ウィントン・マルサリス

W.マルサリスが例の”House Of Tribes”の中でこの曲をやっています。
何かと毀誉褒貶の多いマルサリスですが、このアルバムは6曲の選曲が良くいいライブアルバムだと思います。

 

エリック・ドルフィー

これもさきほど触れたエリック・ドルフィーの遺作〈Last Date〉でのフルートでの演奏を聴きます。

1964ドルフィーがベルリンで客死する直前の演奏です。

エリック・ドルフィーはアルトサックスとバスクラリネットで過激とも言える演奏をすることが多かった人ですが、叙情的な演奏ではフルートを吹くこともありました。(ただ一般的なフルート奏法とはいささか異なりますが)

ジョン・コルトレーン

■インスト演奏では次のようなものが特に有名です。(名前/アルバム)

○マイルス・デイヴィス /Walkin’

○ソニー・ロリンズ   /Saxophone Colossus

○ジョン・コルトレーン /Ballads

○マル・ウォルドロン  /Left Alone

この中からどれかを聴きたいのですが、どれがいいでしょうか?

ジョン・コルトレーンの黄金のカルテット(コルトレーン、マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズ)にしますね。

これについては特に言うことはありません。

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パット・マルティーノ

ボーカル、トランペット、フルート、テナーサックスによる演奏を聴きましたので、ギター演奏も聴きたいのです。

あの「鬼才」パット・マルティーノがやってくれています。

聴きましょう。

私はマルティーノの乾いた音色のポキポキしたギター音が大好きなのです。

このアルバムはギル・ゴールドスタインのエレクトリック・ピアノとのデュオで1976年に録音されています。

 

アル・マクリーン&レックス・フレンチ

最新(2017)の動画からのセレクトです。

Al McLean & Lex French

  この全てのメンバーが初見ですが、レックス・フレンチ(トランペット)→アル・マクリーン(テナーサックス)のソロがなかなかにイイ感じです。

いくつか聴いた新しい動画の中ではこれが出色でした。

スティング&クリス・ボッティ

最後は異色ですがスティングが (もて過ぎの)クリス・ボッティ(trumpet) と一緒にやっているバージョンです。スティングはやはり巧いですね。

 

まとめ

You Don’t Know What Love Is の 名演を聴いてきました。

他にもたくさんのプレイヤーが演っていました。

チャーリー・ラウズ(ts)、ブッカー・アーヴィン、キース・ジャレット・トリオ、 の演奏などもありましたが、割愛しました。

この曲のタイトル(歌詞)が意味するものは若い頃よりは分かるようになった気がします。

でも、「あなたは愛がどんなものか分かっていない」と言われたとすると幾つになっても、ドキリとするものでしょうね。

ボーカルとインスト演奏を聴きましたが、歌詞がない時でも(私の場合は)頭の中で詩が鳴っている状態でした。

追加=キース・ジャレット・トリオ

やはり、キース・ジャレット・トリオの演奏追加します。いい演奏です。

この動画、一切キャプションが無いので、何時・どこでの演奏か分かりません。

⇨調べました。相変わらず動画のデータは分かりませんが、、

私が所持している次の2枚のCDでスタンダード・トリオがこの曲を演っていました。
全く忘れていました。(お恥ずかしい!)

*2枚とも動画の演奏とは異なるものでした。
(ご存知のように、上記2枚のECM盤はYouTubeでは聴くことは出来ません)

 

最後まで付き合ってくださってありがとうございました

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