ジョアン・ジルベルトの忘れられないアルバム「海の奇跡」BRASILと「イマージュの部屋」AMOROSO
梅雨も明け切れない今日このごろ
最近、またボサノヴァ~ブラジル音楽を良く聴いていました。
そうすると、やはりジョアン・ジルベルトが中心になって、まだ書いていなかった2枚のアルバムのことを書きたいと思うようになりました。
次の2枚です。
この2枚は実はかなり対照的なアルバムです。
●BRAZILは1980年にブラジルで録音されたもので、アメリカから帰ったジルベルトがカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、マリア・ベターニア(カエターノの妹)らを集めて録音したものです。
●一方、AMAROSAは’76年末から’77年初めにアメリカで録音されたもので
完全にMade In USAと言っていいようなアルバム作りになっています。
その両者の違いを聴くことも愉しみの一つでしょう。
Contents
BRASIL 海の奇跡
All Of Me
新鮮です。このかっこよさは特別です。
サンバ・ブラジル AQUARELA DO BRASIL
1曲目のサンバ・ブラジルを聴かないといけません。
MILAGRE 海の奇跡
タイトルナンバー、ミラーグリ 海の奇跡も聴きましょう。
MPB: Música Popular Brasileira ムジカ・ポプラーレ・ブラジレイラ
=Brasilian Popular Music
このCDを「 ブラジル音楽の聖書」と言う人もいます。
AMOROSO イマージュの部屋
このアルバムは
プロデュースがトミー・リピューマ
アレンジとコンダクターを クラウス・オガーマン
エンジニアにアル・シュミット
が務めています。
ジョアン・ジルベルトを迎えて最高の布陣で最高のアルバムを作ろうというアメリカ側の意欲が伺えます。
(スタン・ゲッツとの1963年のアルバム〈Getz/ Gilberto〉で既に大きな成功を収めていたのですが)
ここでしか聴けないからです。
ESTATE (エスターテ) 夏のうた
まずエスターテから。
イタリア人ブルーノ・マルティノが作った名曲です。
ですから歌詞もイタリア語です。
インスト演奏では死んだフランス人ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの演奏が素晴らしいものでした。
ベサメ・ムーチョ BESAME MUCHO
ラテンの名曲です。スペイン語で歌われます。
あるいはオガーマンのオーケストレーションが感情過多でtoo muchに感じられた方もいるのではないでしょうか。
ジョアンの歌はシンプルにギターと少しの楽器で演奏されることが多いですから、そう感じることも自然なことと思います。
しかしこれはこれで、豊かな世界を作っています。こんなジョアンもいいのではないでしょうか。
ちなみにESTATEはギター1本で歌っている動画がありますので、興味ある方は聴き比べてみて下さい。
S’Wonderful ス・ワンダフル
オガーマンのアレンジが違和感がない、ス・ワンダフルを聴きましょう。
いい雰囲気です。
まとめ
ジョアン・ジルベルトの2枚の有名アルバムを聴きました。
若い頃初めてジョアンを聴いた時、いわゆる「ヘタウマ音楽」かと思いました。ジョアンの真価がわかりませんでした。
ヘタウマと思ったのは
・その歌い上げない囁くような歌い方
・音程のふらつき
のせいでした。
しかし、実は凄く巧いことが段々分かってきました。
音程のふらつきと思ったのも、そんな単純なことではないことが分かりました。
筆者は今では「音程のゆらぎ」と呼ぶことにしています。
その何よりの証拠は1958年のボサノヴァの第1号曲〈Chega De Saudade〉「想いあふれて」です。
もう一度これを聴きたいと思います。
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