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Don Pullen ドン・プーレンというユニークなピアノ&オルガン奏者の名盤・名演を探す(美しさと過激さと)

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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ドン・プーレン(Don Pullen、1941年12月25日 – 1995年4月22日、53歳没

プーレンについて書こうと思ったとき、どう書けばいい?というとまどいがありました。

ところがWikipediaを見ると、簡潔にまとめてあるので、それを頂くことにしました。

プーレンは彼のキャリアを通して驚くほど個性的なスタイルを開発した。ブルースからビバップモダンジャズフリー・ジャズの曲を作曲・演奏。彼の多種多様な作品は、カテゴライズしにくい性質のものである。ーーWikipedia  

(下線筆者)

写真はWikipediaより

 

その音楽性の故か、彼が音楽を出すレコード会社も、時にはAtlantic,BLUENOTEなどのメジャー・レーベルもありましたが、大半はマイナー・レーベルが多かったと思います。
野球選手だとするとメジャーと3Aを行ったり来たりしていた選手という感じがあるのですが、偏見でしょうか?

筆者はプーレンを貶している訳ではありません。 その稀有な個性と音楽性に驚き、賞賛しているのです。 そもそも貶すために、わざわざこんなモノを書きません。

ドン・プーレンというと筆者の頭にもウィキにあったように、様々なイメージが湧きます。

私のイメージを書くと以下のようなプーレンの音楽活動があります。(順不同)

.チャールズ・ミンガス・グループの一員として

.プーレンのリーダー・アルバム

.ジョージ・アダムス=ドン・プーレン・カルテットでの活動

.デヴィッド・マレイのカルテットのメンバーとして

.ROOTSのメンバーとして

.キップ・ハンラハンの作品への参加

こんなところです。

ところで皆様はどこで最初にプーレンを知りましたか?
人それぞれだと思いますが、.のジョージ・アダムス=ドン・プーレンのバンドで知った方も多いのではないかと思います。 1987年のマウント富士・ジャズフェスティバルでの日本デビュー(?)は衝撃的でした。私も多分そこだと思いますので、そこから始めようと思います。

ジョージ・アダムス=ドン・プーレン・カルテット

 

Mt.FUJI ’87

 

Don Pullen:piano
George Adams:tenor sax
Cameron Brown:bass
Dannie Richmond:drums

この後も何度も来日、出演していますが Mt.FUJI は’87 じゃないといけないのです。この年だけがドラムがダニー・リッチモンドだから。(翌’88年3月にリッチモンドは他界します)
それ以上にこの盛り上がりは凄かったですね。この時のプーレンのピアノ奏法を初めて目にした衝撃は大きかったです。右手転がし、裏打ち奏法。ナマで聴けた方がうらやましいです。

それにしてもみんな若くして亡くなりました。(この時アダムス47才、プーレン45才、リッチモンド55才)

このバンドのレコード・CDは結構たくさんあります。(大部分はTimeless,Soul Note,Black Saintレーベルでしょう)

今ではBlack Saint の録音が5枚組ボックスセットとして発売されています。

*これはアダムス名義ですからプーレンが入ってないものもあります。プーレン名義のセットは後で紹介します。

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紹介したGeorge Adams5枚組セットから2つのCDを紹介します。Village Vanguarg でのライブ盤2枚です。

 George Adams-Don Pullen Quartet live at Village Vanguard Vol.1

Diane

プーレンの美しいソロ。抒情性とアヴァンギャルドが共存するプーレン世界が分かります。

 

 

George Adams-Don Pullen Quartet live at Village Vanguard Vol.2

The great escape

1983年に既にこんな演奏をしていたことに驚きを感じるのです。

George Adams & Don Pullen Quartet ‎– Live At Montmartre

カルテットにジョン・スコフィールドがゲスト参加したライブの記録。このギターが実によく似合うのです。

Tenor Saxophone – George Adams…. Bass – Cameron Brown…. Drums – Dannie Richmond…. Guitar – John Scofield…. Piano – Don Pullen….

A1 I.J. 7:58
A2 Flame Games
10:54
A3 Well, I Guess We’ll Never Know
7:56
B1 Forever Lovers
10:28
B2 Song Everlasting
11:28 
Recorded live at Jazzhus Montmartre, April 4 & 5, 1985

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プーレンのリーダー・アルバム

プーレン個人名義のアルバムも結構あるのですが、ここではこのボックスセット7枚組からの紹介に限定します。

内容はこうなっています。

キリがないのでここから2枚だけを紹介します。 このボックスセットが素晴らしいセットであることは間違いありません。

Milano Strutt

このアルバムではプーレンのピアノ&オルガンとドン・モイエのドラム&パーカッションのデュオで演奏されています。

この曲(Milano Strutt)ではオルガン。プーレンは独自スタイルのオルガンが弾けることも強みです。

The Sixth Sense

 

この素晴らしいメンツを見て、ハッとすべきですね。
Don Pullen – piano
Olu Dara – trumpet
Donald Harrison – sax
Fred Hopkins – bass
Bobby Battle – drums  

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デヴィッド・マレイ・カルテット

この項は日本のDIWから出た2枚のアルバムで代表します。

この2枚ではプーレンは一貫してオルガンを弾いています。

 

 

1枚目からは

Song From the Old Country 

これをやっていますので、聴いてみましょう。マレイ・ヴァージョンも興味深いと思います。

At the Cafe Central

イイですよー!

2枚目からは

For Cynthia

この曲、まるで日本の歌謡曲のようなメロディです。そこがイイのです。

 

1529 Gun Street

もう1曲カッコいい曲を!

 

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ROOTS

ROOTSとは以下のメンバーでのリーダー無しバンドです。サックスが4本も入っています。
〇アーサー・ブライス   Arthur Blythe (as,ss)
〇ネイサン・デイヴィス      Nathan Davis (ts,as,ss)
〇チコ・フリーマン            Chico Freeman (ts,as,ss)
〇サム・リバース               Sam Rivers (ts,ss)
〇ドン・プーレン               Don Pullen (p,organ)
〇サンティ・デブリアーノ   Santi Debriano  (b)
〇アイドリス・ムハンマド   Idris Muhammad  (ds) ,トミー・キャンベル Tommy Campbell (ds)

IN & OUT Record から4枚のアルバムを出しています。(それがROOTSの全てだと思います)
ここでは次の2枚から紹介します。

 

Ah George, We Hardly Knew Ya

この美しい曲は1992年11月14日に亡くなった盟友ジョージ・アダムスのためにプーレンが作ったものです。

ソプラノサックス・ソロはアーサー・ブライスによって演奏されています。

1992年12月にドイツのスタジオで録音されています。

I Remember Eric Dolphy

このアルバムからもう1曲。
ネイサン・デイヴィスがエリック・ドルフィーを追悼して書いた曲。
ネイサンがソプラノサックス・ソロを吹いています。

●下のアルバム Salutes The Saxophone(サックスに捧ぐ) からも2曲を。

このアルバム、上のStablemates と同じようにRootsの各メンバーが特定の先輩プレイヤーに曲を捧げる 形の企画になっています。但しこちらはサックス・プレイヤー限定です。

Impressions

コルトレーンです。ソロはネイサン・デイヴィス~アーサー・ブライス~サンティ・デブリアーノ

Lester Leaps In

レスター・ヤングです。4人のサックス奏者のアンサンブル。
この曲は動画がありますのでそれを聴くことにします。(途中で終わります)

●キップ・ハンラハンとのコラボレーションも聴きたかったのですが、YouTubeにはありませんでした。
下の2枚(の一部で。他のピアニストも入っています)でプーレンを聴くことができます。
最後期のプーレンを記録したことだけでもAmerican-Claveの面目を示したと思います。

まとめ

プーレンの音楽活動(の一部)を駆け足で探りました。

その限りなくフリージャズに近い過激さと、抒情的な美しさが共存する稀有なピアニストでした。

’95年53歳での死は余りにも早いものでした。

ありがとうございました。
Thank you very much for visiting the site.

 

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