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チャーリー・ヘイデンが率いた格調高いグループ「カルテット・ウエストQuartet West」の名盤を聴く

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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チャーリー・ヘイデン は2014年に76歳で没したベーシストです。(1937~2014)

フリージャズから王道のジャズまで幅広く活躍しました。

筆者にとっては、何よりその深く沈むベースの音が心に残るベーシストでした。

そのヘイデンが、数はそう多くはないですが長きにわたり優れたアルバムを出し続けたのがカルテット・ウエストという名義のグループです。

カルテット・ウエストQUARTET WESTは以下のメンバーで構成されていました。

チャーリー・ヘイデン Charlie Haden –bass
アーニー・ワッツ Earnie Watts –tenor sax
アラン・ブロードベント Alan Broadbent –piano
ローレンス・マラブル Larance Marable –drums

そして(筆者が知る限り)1986~2010年の間に7枚のアルバムを出しています。
決して多くはありません。しかしカルテット・ウエストの出すアルバムはどれも格調高くじっくりと聴くに値する「作品」でした。

一応その7枚を挙げておきます。

1.Quartet West (1986)     –これだけがドラムがビリー・ヒギンズです。
2.In Angel City (1988)
3.Haunted Heart (1991)
4.Always Say Goodbye (1993)
5.Now Is The Hour (1995)
6.The Art Of The Song (1999)
7.Sophisticated Ladies (2010)       
筆者が所持しているのは数字赤字のものです
 

これはもう何度でも言いたいのですが、このQuartet West の成功は サックスのアーニー・ワッツの起用にあると思うのです。勿論ヘイデンのリーダーシップがあることは間違いないですが、ワッツの思索的というか哲学的とも言えるサックスの魅力が大きいのです。ワッツの演奏は他では余り聴いていませんが、少なくともこのグループでの演奏は素晴らしいのです。

同様に抑制された思索的ピアノを弾いているアラン・ブロードベントは1947年生まれ、ニュージーランド出身のピアニスト。
才能ある人で今やアレンジャー、コンダクターとしても活躍しています。

魅せられし心 Haunted Heart

 

Haunted Heart

 

終わりの方で挿入されるのはジョー・スタッフォードの歌声です。

Jo Stafford sings “Haunted Heart” with Paul Weston and his orchestra in Dec.1947.

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The Long Goodbye

 

お馴染み、R.チャンドラーの小説「長いお別れ」及びその映画のためにアラン・ブロードベントが書き下ろした曲。

 

Deep Song

 

ちょうど真ん中あたりからビリー・ホリディの歌唱になります。
1947年のものです。

Always Say Goodbye  

このQuartet West の一つのテーマが映画(motion picture)です。(movieではないんです)
特に3.4.の2枚は映画を主題にアルバム作りがされています。

Always Say Goodbye (Instrumental)

この曲はヘイデンのオリジナルです。
ビル・エヴァンスの愛奏曲に〈I Will Say Goodbye〉というミシェル・ルグランが作った曲がありますね。それを思い出します。

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Background Music

 

テナー奏者、ウォーンマーシュの曲を取り上げています。
素晴らしい演奏です。

Où Es Tu Mon Amour (Wher are you, My love?)

 

この演奏、初めからあたかも古い演奏にオーバーダブしたかのように始まります。ところがそうではないことが分かります。
3:28からジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリの歴史的音源が始まります。(1949年)
前と後の演奏がどちらも素晴らしいのです。

Alone Together

 

アタマからヘイデンの深いベース・ソロが聴けます。そしてまたジョー・スタッフォードの古い音源へと移っていくのです。

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Now Is The Hour

There In A Dream (Instrumental)

 

The Left Hand Of God (Instrumental)

この7分50秒の曲、はじめの4分20秒が前奏(イントロ)です。
そのイントロは室内楽団とヘイデンのベースで演奏されます。

The Art of The Song

筆者はチャーリーヘイデンの音楽をロングタームで聴いてきて、
(特にこのQuartet West の音楽に強く感じるのですが)
ヘイデンの音楽はアメリカと夢と希望そして去っていったそれらへのレクイエムを演奏しているのではないかと感じます。
映画へのノスタルジーもまさにその表れのように感じます。

そしてこの問題作(!?)The Art of The Song
次にかける2曲だけで筆者の気持ちを分かって頂けるような気がします。この2曲は続けて置かれています。(ラフマニノフ「楽興の時」の第3曲は葬送曲です。そして「虚しき愛」と続けば・・・)

Moment Musical N 3 en Si Mineur Op 16’

ラフマニノフの作品16「楽興の時」から第3曲

これはもう良くあるクラシック音楽のジャズ化などではなく、ラフマニノフを室内楽団とカルテット・ウエストでやりました、というものですね。

In Love In Vain

ジェローム・カーンの曲です。
ヴォカールはシャーリー・ホーンShirley Horn です。

まとめ

チャーリー・ヘイデンという優れたベーシスト・音楽家が永く主宰した「カルテット・ウエスト」というグループの音楽を特集しました。

筆者の感想は上に書きました。
繰り返しになりますが、私にはヘイデンの音楽は「アメリカの夢と希望とそのレクイエム」に聴こえるのです。

*Quartet West のアルバムをそっと1枚だけ、と思う方には〈Always Say Goodbye〉を深くお勧めします。

最後までありがとうございました。
Thanks a lot for visiting the site.

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先ほどのラフマニノフ作品16「楽興の時」の3曲目のクラシック・ピアノ演奏です。

Eduard Kunz – Sergei Rachmaninoff – Moment Musical Op 16 no 3

 

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