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メアリー・コクランというアイルランドの歌手が歌うビリー・ホリディ曲集は感動的

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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メアリー・コクラン(Mary Coughlan)という歌手がいます。

アイルランド、ケルト圏を代表する歌手です。

今日紹介したいのは彼女が歌う

『「奇跡のダブリン・ライヴ」シングス・ビリー・ホリデイ
〈Mary Coughlan Sings Billie Holiday〉という1枚のアルバムです。
(2枚組ですが)

何故アイルランドの歌手がビリー・ホリディを歌うのか?

メアリー・コクランの人生とビリー・ホリディ

出典:Youtube

メアリーは1956年の生まれですから、今年61歳になります。

青年期から家庭内のトラブル、学校からのドロップアウトに悩む。

そのせいで、強度のアルコール依存症、ドラッグ中毒となり、入退院を繰り返した。

1985年にデビューアルバム”Tried And Emotional”を発表。
国内で10万枚を売り上げ大きな話題となる。

30才を超えて、いくつかのアルバムを次々と発表、ヨーロッパ圏の評論家たちに最も評価の高いアーティストに成長。

8枚目のアルバム”After The Fall”が決定的な評価を得る。

1997年アメリカデビュー。ケルト音楽の枠を超えた大きな存在となる。
ーーーーーーアルバム・ライナーノートより抜粋引用

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ビリー・ホリディ

ビリー・ホリディ
写真出典:Wikipedia

Billie Holiday (1915-1959)

1910年代のアメリカに黒人として生まれ、44才で亡くなったその人生はあらゆる辛酸をなめ尽くすものだった。

母子家庭に生まれ母親は売春婦。
人種差別、11才でのレイプ、アルコール依存、麻薬中毒、ついには投獄ーと人生のあらゆる苦難を経験した。

しかしそのホリディの歌声は人々の心を掴んだ。

今もなお人種、国籍を超え世界中でその歌が聴かれている。

メアリーがホリディを歌う

ホリディの「痛みを知る」メアリーがその歌を歌うのは自然の成り行きだったのかも知れません。

録音されたのは2000年、アイルランドの首都、ダブリンでのライブです。

収録曲21曲は全てホリディが愛唱していた歌。(CD2枚)

◎1曲目に入っている”These Foolish Things”をまず聴きましょう。

メアリーを迎える会場の拍手が暖かい。

バンドも敢えてビリーが生きた時代を彷彿とさせる演奏をしているのが嬉しい配慮です。

These Foolish Things

これはちょっと小手調べといった歌唱でした。

このアルバム、当日歌われた全曲を順番通りに並べてあるそうです。

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All Of Me

◎本格的に歌う、”All Of Me” を聴きます。

素晴らしい歌唱です。

バンド紹介をします。

Peter O’brien-piano
Rock Fox-trumpet
Big Jim Farrelly-sax
Jimmy Faulkner-guitar
Myles Drennan-drums
繰り返しますがいいバンドです。

◎次は個人的にも好きな曲”Fine And Mellow” を聴きたいです。

Fine And Mellow

この曲は本家であるビリー・ホリディの歌唱も是非この際に聴きたいと思います。

◎1957年の動画で見ることができます。

伴奏しているプレイヤー達もビッグ・ネームです。

Ben Webster — tenor saxophone, Lester Young — tenor saxophone, Vic Dickenson — trombone, Gerry Mulligan — baritone saxophone, Coleman Hawkins — tenor saxophone, Roy Eldridge — trumpet, Doc Cheatham — trumpet, Danny Barker — guitar, Milt Hinton — double bass

レスター・ヤングの映像もそうですが、若き日のジェリー・マリガン(バリトンサックス)の姿も貴重な映像です。

Billie’s Blues

 

◎この調子でやっていると、全21曲をアップすることになりますので、あと1曲にします。
どれがいいか迷いますが、今も色んな人に歌われる曲”For All We Know” にします。

聴いてください。

For All We Know

おわりに

いかがだったでしょうか?

歌というのは何となく聞き流すことが多いのですが

時にはっと耳を傾けてしまう歌唱があります。

今日紹介しましたメアリー・コクランの歌声もそんな歌でした。

そして、その歌唱の背景にある事情のようなものを知ると、更に深く感情移入できます。

 

「ビリー・ホリディの歌」をこれほどのレベルで歌える歌手はそうはいないでしょう

 

メアリー・コクランは勿論これ以外にも歌っていますので(ジャズではない歌唱も)機会があれば聴いてください。

例えばエルヴィス・プレスリーの曲「ハートブレイク・ホテル」なども歌っています。

◆こちらも併せて見て頂けると嬉しいです。

ビリー・ホリディ"Lady In Satin” 晩年の作品の哀しみ

 

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Heartbreak Hotel

 

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