村上春樹の本「村上ソングズ」掲載の全29曲を聴こう(和田誠:絵)

      2017/01/29

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村上春樹に「村上ソングズ」という本があります。

和田誠が絵を描き、村上春樹が文章を書くという形式は 「ポートレイト・イン・ジャズ」の時と同じスタイルです。→
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ソングズですから、歌詞のある曲ですね。

3分の1くらいがジャズ曲で、あとはロック、ポップスなど。

うち12曲がアメリカの雑誌「エスクァイア」に連載されたそうです。

すごいですねぇ。日本人がアメリカの曲について書いた文章が

アメリカの伝統ある雑誌に連載されるなんて。

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 本の構成は、まず日本語詩(もちろん春樹さん訳)があって、英語詩、村上春樹の文章、という順で、その間に和田誠の絵が適宜散りばめられているという構成です。
村上氏所有のレコード・ジャケットの写真もちゃんと載っています。

……………………………………それで

その29曲を順番に全部聞いてみよう、という企画です。

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YouTube に全部あるかなぁ、無い場合はどうしよう。

とにかく始めてみます。

*最後の2曲は「村上ソングズ」ではなく「和田ソングズ」になっています。

 

Contents

神様しか知らない:God Only Knows

album:The Beach Boys 〈Pet Sounds〉

トニー・アッシャー:作詞、ブライアン・ウィルソン:作曲

 

 

幸福はジョーという名の男:Happiness Is A Thing Called Joe

album:Nancy Wilson 〈But Beautiful〉

エドガ―・イップ・ハーバーグ:作詞、ハロルド・アーレン:作曲

 

It seems like happiness is just a thing called Joe
幸福というのは、ジョーという名の一人の男に過ぎないのだろうか

He’s got a smile that makes the lilacs wanna grow
彼が微笑むと、ライラックの花だってしっかり咲いてしまいたくなる

He’s got a way that makes the angels heave a sign
When they see Little Joe passin’ by
リトルジョーが通りかかっただけで、
天使たちだって思わずため息をもらしてしまいそう

Sometime the cabin is gloomy
ちっぽけな気の滅入る部屋

And the table is bare
むき出しのテーブル

But when he kisses her
でも彼にキスをされると

It’s Christmas everywhere
あたりはもうクリスマス

Troubles fly away
いやなことなんてどこかに吹き飛んで

And life is easy go,easy go,easy go,easy go.
あとは何しろ素敵なことばかり

Dose he love her,God
ああ、彼は私を愛してくれているのかしら?

That’s all she needs to know
彼女の頭の中にはそれしかない

Because happiness is just a thing called Joe
だって幸福とはジョーという名の一人の男に過ぎないのだから

Little Joe,Little Joe
リトル・ジョー、素敵なリトル・ジョー

 

人生のイミテーション: Imitation Of Life

album:R.E.M. 〈Reveal〉

 

ニューヨークの秋:Autumn In New York

「ニューヨークの秋」は有名な曲だから、勿論たくさんありますが、村上春樹氏が選んだ、テッド・ストレーター(初めて聞きました)のヴァージョンというのは余りにもマニアックで、YouTubeに無いのではないかと恐れましたが、
やはり無いですね。 そもそもテッド・ストレーターがたった1曲あるだけという惨敗です。  

代打をどうしようかと考えました。歌のヴァージョンではシナトラがありますが、シナトラは後で出てきますので、ビリー・ホリディにします。

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ムーンライト・ドライブ:Moonlight Drive

album:The Doors 〈Strange Days〉
ジム・モリソン作詞・作曲
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ブルーに生まれついて:Born To Be Blue

 ロバート・ウエルズ、メル・トーメ:共作

album: Helen Merrill with Clifford Brown

 

ジーン:Jean

ロッド・マッケン:作詞作曲

album: The Prime Of Miss Jean Brodie/ Rod McKuen

 

ロッド・マッケンの名前久しぶりに聞きました。 ’70年頃、マッケンの詩に曲をつけて、日本では岩谷時子が訳詞をして石坂浩二が朗読したアルバムが出ていました。なかなかいいアルバムでした。
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中国行きのスロウ・ボート:On A Slow Boat To China

フランク・レッサー:作曲        

album:Fancy Meeting You Here Crosby-Cloony/ Bing Crosby
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I’d love to get you
On a slow boat to China
All to myself alone

中国行きのスロウボートに君を乗せられたらな。
そして僕だけのものにできたらな。

Get you and keep you
In my arms evermore

腕の中に君を抱いて
いつまでも離さない

Leave all your lovers
Weeping on the fareway shore

他の男たちなんぞ
岸辺で涙にくれていればいい

Out on the briny

僕らは海原の真ん中にいて

Wiith the moon big and shinny

空には大きな月が輝き

Melting your heart of stone 

君の固い心を溶かしてくれる

I’d love to get you
On a slow boat to China
All to myself alone

中国行きのスロウボートに
君を乗せられたらな
そして僕だけのものにできたらな

⇒うーん、良く見るとなかなかに強烈なラブ・ソングですね。

Get you and keep you というのが男らしいですね!

で、スロウボート・トゥ・チャイナ に乗せてしまえばもうこっちのもんだという男の心丸出しですね。

彼女の心はまだ heart of stone みたいですから、とにかくスロウボートに乗せて、他の男から隔離して、自分のものにしたい!という肉食男子の恋心です。

という訳で決してロマンチックなばかりの歌ではないと思いました。(!?)

 

イングリッド・バーグマンの歌:Ingrid Bergman

album:Mermaid Avenue /Billy Bragg & Wilco
ウッディ・ガスリー:詩、ビリー・ブラッグ:曲

これは、あるかどうか心配でしたがちゃんとありました。
なかなかいいジャケットですね↓

春樹さん、、、こんなのも好きなんだ、、、

 

 

ブルー・モンク(修行はつらい):Blue Monk(Monkery’s The Blues)

 album:Straight Ahead /Abbey Lincoln

アビー・リンカーン:詩、セロニアス・モンク:曲


いやー、確かにこれはツライっすねぇ。

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この家は今は空っぽだ :This House Is Empty Now

 エルヴィス・コステロ:詩
バート・バカラック:曲

album: Von Otter Meets Costello “For The Stars”

クラシックのメゾソプラノ、フォン・オッターの素晴らしい歌唱です。

このアルバムには他にも素敵な曲が入っています。
私が好きな曲”The Other Woman” も特別にアップさせてもらいます。↓

 Jessie Mae Robinson :作詞、作曲

他にもトム・ウェイツの曲”Broken Bicycles”
レノン=マッカートニーの”For No One”      など、いい曲満載。
広く音楽が好きな方必携のアルバムです。

 

パッチズ :Patches

 album:Patchies/ Clarence Carter

 

眠る蜂:A Sleepng Bee 

トルーマン・カポーティ:詩、ハロルド・アーレン:曲
1954年のミュージカル「我が家は花盛り」のために書かれたそうです。

album:Tony Bennett Sings For Two

*このジャケット↓いいですね。

 

オキナワに戻るよ:Going Back To Okinawa

ライ・クーダー:作詞・作曲 album:Get Rhythm /Ry Cooder
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自活する子供を神は祝福する:God Bless The Child

ビリー・ホリディ&アーサー・ハーツォグ・ジュニア共作

*この曲はスタンダード・ナンバーとなって、インストで随分聴いたように思う。Kenny Burrell(guitar)の演奏が印象に残っているかな。

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さよならを言うたびに:Ev’rytime We Say Goodbye 

コール・ポーター:詩、曲
album: Duet / June Christy ,Stan Kenton

Ev’rytime we say goodbye, I die a little,

あなたにさよならを言うたびに
私は少しだけ死ぬ

Ev’rytime we say goodbye,I wonder why a little,

あなたにさよならを言うたびに
私の心は少しだけ揺らぐ

Why the Gods above me,who must be in the know,

どうして天の神様はこんなにも
私に冷ややかなのだろう

Think so little of me,they allow you to go.

あなたを行かせてしまうなんて

 

When you’er near,there’s such an air of spring about it,

あなたがそばにいると、あなたには春の気配が満ち

I can hear a lark somewhere,begin to sing about it,

どこかでひばりも鳴き始める

There’s no love song finer, but how strange the change from major to minor,

これほど美しい愛の歌はないのに
それはあっという間に
哀しみの歌に転じてしまう

Ev’rytime we say goodbye.

あなたにさよならを言うたびに

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◎この有名曲は色んな人が歌っていますが、春樹氏のセレクトはクリスティ&ケントンのヴァージョンでした。確かに心温まるような歌唱&ピアノですね。ちょっと二人が羨ましくなるような。

 私が印象に残っているのは、サミーデイヴィスJr.がローリンド・アルメイダのギター1本で歌ったものと、チェット・ベイカーのsinging&trumpetです。

 ◎この曲を作ったコール・ポーターのことを描いた映画に「五線譜のラブレター」というのがありました。 村上春樹氏もその映画に触れています。
ただ春樹氏はポーターのことを「同性愛者だった」と書いていますが、これは春樹氏らしくない不正確な書き方だと思いました。
 正確には「ポーターはバイ・セクシュアル(両性愛者)だった」と書くべきでしょう。そこがこの映画のポイントでもある訳ですから。

 

ガルヴェストン:Galveston

グレン・キャンベル:詩、曲

グレン・キャンベル、ヒットしたことを覚えているのは

「恋はフェニックス」 By The Time I Get to Phoenix・・・
「ウィチタラインマン」 の2曲

「ガルヴェストン」という曲は知らなかった。

今回探しましたが、残念ながらオリジナルの歌唱は入手できませんでした。

後年のライブ動画がありましたので、それをアップします。

『ガルヴェストンはテキサス州の古い港町』で『この曲がヒットしたのは1969年の春で、ヴェトナム戦争はまさにそのピークにあった』と春樹氏が書いてる。

 

自殺をすれば痛みは消える:Suicide Is Painless

 

ロバート・アルトマンの映画「M*A*S*H」〈1970〉のために、ジョニー・マンデルが作曲した美しい曲by村上春樹
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映画を観たことは覚えています。(確か朝鮮戦争の部隊が描かれていた記憶があるのですが。)

春樹氏と違ってこの曲は全く覚えていなかったです。

映画のサウンドトラックから。↓

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孤独は井戸:Loneliness Is A Well

作曲:ジョン・オーバニー(ジャズピアニスト)
作詞:アイリーン・オーバニー(ジョンの奥さん) というもの


春樹氏セレクトは album:Anita O’Day At Mister Kelly’s
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私はLPレコードで持っていますが、1958年の録音です。

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Yesterday my life was lonely

きのうまで、人生は孤独だった

My face was a mask of despair.

私の顔は絶望の仮面だった

Today my world has changed for me.

今日になって世界は一変した

My well is no longer there.

井戸はもうそこにはない

Loneliness is a well.

孤独は井戸だ

A deep dark hole

  where unhappiness dwells.

不幸せが住みつく、深くて暗い穴

I was lonely.

私は孤独だった

Unhappiness is a grave.

不幸せは墓所だ

A Black mound of earth

  where screams are the unwanted rain.

黒い盛り土に、悲鳴が

求められぬ雨となって降る

I was unhappy.

私は不幸せだった

To be unwanted is a desperate thing.

求められることのない切なさ

A feeling of despression

 that loneliness brings.

孤独はどこまで人の心を

闇に沈めていくのだろう

I was unwanted.

誰も私を求めてはいなかった

Unhappy,unwanted and lonely

不幸せで、求められず、一人ぼっち

  was my conception of me

それがかって私の姿だった

  until loving you.

あなたを愛するまでは

Oh the wide and new world to see.

でも世界は今、私の前に新しく開けている

I’m loved. I’m loved.

私は愛されている。私は愛されている。

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生きているうちにしたいこと:All I Wanna Do

 シェリル・クロウ:曲, ウィン・クーパー:詩

album :Tuesday Night Club/ Sheryl Crow

 

ミス・オーティスは残念ながら:Miss Ortis Regrets

コール・ポーター:作曲

album: Ella Fitzgerald sings Cole Porter /Ella Fitzgerald

 

非常に変わった歌詞の歌です。

「奥様、ミス・オーティスは残念ながら今日のランチお越しになれないとのことです」

その理由は・・・ミス・オーティスはさっき自分を捨てた恋人をピストルで撃ち殺し、警察に連行された。そして激昂した群衆が牢獄から引っ張り出して、あっさりと柳の木に吊るしてしまった・・・からだという。

そんな変な歌に優しく美しい曲を書いたのは、またコール・ポーター。

 

酒とバラの日々:The Days Of Wine And Roses  

ジョニー・マーサー:詩、ヘンリー・マンシーニ:曲

album:We Dig Mancini / The Anita Kerr Quartet

羊くん:Mr.Sheep

ランディ・ニューマン:作詞作曲 album:Born Again /Randy Newman
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このアルバムのヴァージョンはありませんでした。

後のライブ映像がありましたので、それをアップします。

正直に書きますが、この曲の良さは分かりません。
「何これ?」という感じです。こういうことは非常に珍しいことです。

多分、アメリカという国に相当深くコミットしないと分からないのかも知れません。
あるいはずっと「羊」に拘ってきた春樹氏ゆえのセレクトだったのでしょうか?

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1957年のディズニー・ガールズ:Disney Girls(1957)

ブルース・ジョンストン:作詞作曲

album: Going Public / Bruce Johnston

これは前のと違って、良く理解できる美しいバラードです。(良かった)

歌詞もいいのですが、長いので、途中の一節のみ紹介します。

↓この部分は本当に ノスタルジックで、センチメンタルで、ロマンティックです。                  

Patti Page and Summer days    

パティ・ペイジと夏の日々         ←← この表現は素敵ですね  

On old Cape God

懐かしの ケープ・ゴッド         ←←

Happy Times making wine

In my garage

うちのガレージでワインを作った 幸福な思い出    ←←

Country shade amd lemonade

静かな木陰で飲んだレモネード       ←←

Guess I’m slowing down

何だかこころのネジが緩んでいくようだ   ←←

It’s a turned back world

そんな世界に僕は連れ戻される

With a local girl in a smaller town

小さな町と近所の女の子たち        ←←

Open cars and clearer stars

オープンカーと澄んだ星空         ←←

That’s what I’ve lacked

僕はそれらを長く失っていた

But fantasy world and Disney girls

でも、おとぎ話とディズニー・ガール

I’m coming back

そんな世界に帰っていこう

*ブルース・ジョンストンはブライアン・ウィルソンがツアーに出るのを拒否した時、代役としてビーチ・ボーイズに参加したらしい。
この曲は初めビーチボーイズのアルバム「サーフス・アップ」に収録されたとのこと。

ジョンストンはその後出した自分のソロ・アルバム「ゴーイング・パブリック」(1977)に、この曲を再録した。それがこのヴァージョン。

実にストレートにアメリカの夢とノスタルジーを歌っていますね。

 

五時のホイッスル:Five O’Clock Whistle

 album:Jump For Joy /Duke Ellington and his orchestra Featuring Ivie Anderson

春樹氏はこのアイヴィー・アンダーソンという歌手を筆を尽くして絶賛している。エリントン楽団の演奏も。
正直私は良く分かりません。
この良さが分かる春樹氏を凄いなあ、と思います。

 

よそには行かないで:Don’t Go To Stranger

 album: Both Sides Now/ Joni Mitchell

それにしてもこのジャケットは素敵ですね。↓
これを持っていないのは音楽ファンとして悔しいです。

 

ステート・トゥルーパー:State Trooper

album: Nebraska / Bruce Springsteen

 

 

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★ここから2曲は〈和田ソングズ〉です。
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バン・バン :Bang Bang

ソニー・ボノ:作詞作曲 (1966)

album:She Shot Me Down / Frank Sinatra

和田氏が選んだのは(敢えて)フランク・シナトラのヴァージョンだが、

この曲、勿論最初にヒットさせたのは シェール。

続いてナンシー・シナトラ。

何故シナトラ・ヴァージョンを選ぶのかは本を読んでください。

 

タランティーノ監督の映画「キル・ビル」の冒頭で使われたナンシー・シナトラのヴァ―ジョンをどうしても聴きたいので、それをアップします。

『私は五歳 彼は六歳

二人は木の枝の馬で遊んだ

彼は黒い服 私は白い服

彼はいつも勝つ方だった

バン・バン 彼は私を撃った

バン・バン 私は地面に倒れた

バン・バン あのひどい音

バン・バン あの子はわたしを撃ち殺した

季節は移り 時は流れ

大人になって 私は彼をあなたと呼んだ

彼はいつも笑いながら言う

よく遊んだのを憶えているかい

バン・バン 僕は君を撃ったね

バン・バン 君は地面に倒れたね

バン・バン あのでかい音

バン・バン いつも君を撃ち倒していたね

音楽が始まり みんなが歌った

私たちのために 教会の鐘は鳴った

それも終わった 何故だか知らない

今も私はときどき泣いている

彼はさよならも言わなかった

嘘つくひまも作らなかった

バン・バン 彼は私を撃った

バン・バン 私は地面に倒れた』

 *長い時の流れをこういう形で、一つの歌に結晶したソニー・ボノの才能に驚くばかりです。

誰にも奪えない:They Can’t Take That Away From Me

この最後の曲、無いのじゃないかと心配しましたがかろうじてありました。
動画ですが。
映画 ”Shall We Dance “のシーンのようです。

アイラ・ガーシュイン:詩、ジョージ・ガ―シュイン:曲

album:Fred Astaire and Ginger Rogers /George Gershwin

フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースは私より一世代上の方には、ノスタルジーをかきたてる存在なのでしょうね。
2人の踊りと歌が素晴らしかったことは、私にもわかります。

【まとめ】

終わりました。29曲

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