ジャズの名盤:ボーカル編(アニタ・オディ、メル・トーメからノラ・ジョーンズまで)
ジャズ・ヴォーカルはあまり得意分野ではありません。
インストルメンタルに比べると聴いている量が圧倒的に少ないのです。
勿論、好きなヴォーカルはありますよ。
だから〈名盤〉というより、〈好きなヴォーカル〉という感じになることをお断りしておきます。
Contents
- 1 ボーカルが主役ではないアルバムの中で光る歌唱
- 1.1 リンダ・ロンシュタット / The water is wide / album:David Sanborn〈Pearls〉
- 1.2 セリーヌ・ルドルフ /Melodia Sentimental /album:Dusko Goykovich 〈Samba Tzigane〉
- 1.3 シーラ・ジョーダン&ジーン・リー/The Water Is Wide/ album:Jane Bunnett 〈The Water Is Wide〉
- 1.4 ランディ・クロフォード / Rio De Janiero Blue /album: Randy Crawford& Joe Sample 〈Feeling Good 〉
- 1.5 キップ・ハンラハン,(Jack Bruce) /Shadow Song/ album:Vertical’s Currency
- 2 ボーカル・アルバム
- 2.1 サミー・デイヴィス・ジュニア/A Shadow Of Your Smile/album:Sammy Davis Sings Laurindo Almeida Plays
- 2.2 リー・ワイリー / Manhattan/ album:Night In Manhattan
- 2.3 ダイナ・ワシントン/What A Differnce A Day Made
- 2.4 アレサ・フランクリン/ It Ain’t Necessarily So
- 2.5 ニーナ・シモン /Feeling Good
- 2.6 ニーナ・シモン / I Put A Spell On You
- 2.7 ディ・ディ・ブリッジウォーター /He’s Gone
- 2.8 メル・トーメ/ Route 66 / album:Live At The Maisonette
- 2.9 メル・トーメ/ A Nightingale Sang in Berkeley Square / album:George Shearing & Mel Tormé in San Francisco
- 2.10 アニタ・オディ / Beautiful Love / album:This Is Anita
- 2.11 アニタ・オディ / Tea For Two / album:Live At Mister Kelly’s
- 2.12 クリス・コナー / A Cottage for Sale/ album: Sings Lullabys For Lovers’
- 2.13 クリス・コナー / Moonlight in Vermont/ album:Chris Craft
- 2.14 ヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウン / You’d Be So Nice To Come Home To
- 2.15 エラ・フィッツジェラルド &ルイ・アームストロング/Gee Baby Ain’t I Good to You /album: Ella & Louis Again
- 2.16 キャロル・スローン/ Hush-A-Bye/ album:Hush-A-Bye
- 2.17 ナンシー・ウィルソン/But Beautiful/ album:But Beautiful
- 3 New Commers of Female Jazz Vocal(新しい女性ヴォーカリスト)
ボーカルが主役ではないアルバムの中で光る歌唱
それで、少し変なアプローチになるかも知れませんが、〈楽器奏者のアルバムにゲストとして歌手が参加しているいい歌唱〉から始めます。
リンダ・ロンシュタット / The water is wide / album:David Sanborn〈Pearls〉
ジャズ・ヴォーカルじゃないじゃん、とか言わないでくださいね。
セリーヌ・ルドルフ /Melodia Sentimental /album:Dusko Goykovich 〈Samba Tzigane〉
何だか日本人の感性にもぴったりとくる、まるで歌謡曲のようなセンチメントのある歌と歌唱だと思いませんか?
シーラ・ジョーダン&ジーン・リー/The Water Is Wide/ album:Jane Bunnett 〈The Water Is Wide〉
ランディ・クロフォード / Rio De Janiero Blue /album: Randy Crawford& Joe Sample 〈Feeling Good 〉
次はちゃんとした共演盤でランディ・クロフォードとジョー・サンプルの〈Feeling Good〉から〈リオデジャネイロ・ブルー〉というカッコいい曲を。
Crowford(vo),Joe Sample(p),Christian McBride(b),Steve Gadd(ds)
ランディとサンプルの共演盤は〈No Regret〉というのもなかなか良かったです。
キップ・ハンラハン,(Jack Bruce) /Shadow Song/ album:Vertical’s Currency
キップ・ハンラハンというプロデューサーがいます。
自ら american clave というレーベルを主宰し、数々の密度の濃い力作を発表している人です。
その中から〈Vertical’s Currency〉というアルバム、その2曲目〈Shadow Song〉です。
ラテンパーカッションとそれに続く分厚いホーンアンサンブルとに感動する間もなく、ジャック・ブルースのヴォイス。
そして、その隙間からデイヴィッド・マレイのサックスが咆哮する。
めくるめく世界。
この曲はあのマチート楽団のMusical DirectorだったMario Bauzaにデディケートされている。
このラテン風ブラスアンサンブルがいかにカッコいいものか、分かって欲しいです。→こんな音楽を現代のいい音(オリジナルの盤はSACDです)で聴くことができるのは、キップのアルバムくらいでしょう。
ボーカル・アルバム
サミー・デイヴィス・ジュニア/A Shadow Of Your Smile/album:Sammy Davis Sings Laurindo Almeida Plays
雰囲気を変えましょうね。ヴォーカル・アルバムにいきましょう。
ちょっと繋ぎとして、次のアルバムを聴いてください。
日本盤のタイトルは「サミーとギター」でした。ローリンド・アルメイダのギター1本で、いい曲ばかりを歌います。
リー・ワイリー / Manhattan/ album:Night In Manhattan
リー・ワイリー「マンハッタン」
1951年の録音。トランペットはボビー・ハケット。
このアルバムのジャケットは雰囲気を伝えるという意味で1級品ですね。
ダイナ・ワシントン/What A Differnce A Day Made
(*曲の表記は歌手が歌っている歌詞に合わせました)
ダイナの中でおそらく一番有名な歌唱↑
●Queen Of Soul と呼ばれるアレサ・フランクリンですが、デビュー当時のアイドルはダイナ・ワシントンだったそうです。ダイナへのトリビュート・アルバムなども録音していましたが、それはともかく↓の録音など聴いて頂けば、
ほとんどジャズ歌手と言っても差し支えないことがわかります。
アレサ・フランクリン/ It Ain’t Necessarily So
ジャズ歌手だった頃のアレサです。
ちなみにピアノはレイ・ブライアントが弾いています。
ニーナ・シモン /Feeling Good
もう個性が歌を唄っているというニーナ・シモン。
ニーナをもう1曲。ヒットした曲「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」
ニーナ・シモン / I Put A Spell On You
このあたりを聴いていると、ソウルとかジャズとかのジャンル分けがナンセンセンスな気がしますね。(特に黒人さんはそうですね)
ディ・ディ・ブリッジウォーター /He’s Gone
この流れで思い出す人をもう一人、ディー・ディーです。
この人もメチャクチャ歌のうまい人ですねー。
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うーん、ちょっといわゆるジャズ・ヴォーカルに戻りたいですね。
そこで登場してもらいたいのは、「都会的で洒脱な」メル・トーメです。
メル・トーメ/ Route 66 / album:Live At The Maisonette
Mel Torméと言えばライブ。クラブメゾネットから〈ルート66〉
もう自由自在ですね。バックバンドのアレンジも自分でやっていたそうです。
そういう意味ではとんでもない才人ですね。
このアルバムは本当に楽しいです。NYCのライブ会場に居る気にさせてくれます。
メル・トーメ、若いころもいいですが、どちらかと言えば年を取って円熟してからのほうが好きです。
ただこの人に限っては画像を見ないほうがいいです。(笑)-そんなのを選びました。
メル・トーメ/ A Nightingale Sang in Berkeley Square / album:George Shearing & Mel Tormé in San Francisco
あのー、シナトラさんとベネットさんは敬して遠慮させてもらいます。
20世紀最大の歌手だと思うナット・キング・コールも同様です。
白人女性歌手に行きましょう。
アニタ・オディ / Beautiful Love / album:This Is Anita
Anita O’Day
アニタ・オディ / Tea For Two / album:Live At Mister Kelly’s
この曲をこんなアップ・テンポで! (1958年)
アニタ・オディは総合点で、白人女性歌手で一番巧い人!と今でも思っています。
クリス・コナー / A Cottage for Sale/ album: Sings Lullabys For Lovers’
クリス・コナー / Moonlight in Vermont/ album:Chris Craft
Stan Free (piano, arrange), Mundell Lowe (guitar), George Duvivier (bass), Ed Shaughnessy (drums) クリスのクール・ヴォイスはこのような小編成バンドでこのような曲を歌うと映える。
クリス・コナーはとにかくその声質が好きです。
ヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウン / You’d Be So Nice To Come Home To
ヘレン・メリルはアニタやコナーに比べると、それほど歌が巧いとは思わないのですが、
この1曲は別格です。というかこの1枚のレコードは「奇跡の1枚」なのかもしれません。
エラ・フィッツジェラルド &ルイ・アームストロング/Gee Baby Ain’t I Good to You /album: Ella & Louis Again
ルイのトランペット→ルイの歌→エラの歌 が楽しめます。
キャロル・スローン/ Hush-A-Bye/ album:Hush-A-Bye
キャロル・スローンのやや低めの声が好きです。特にこんな曲を歌われるとたまりません。
ナンシー・ウィルソン/But Beautiful/ album:But Beautiful
ナンシー・ウィルソンはエラ、サラなどと違って、同時代的に聴いた歌手です。
キャノンボール・アダレイ(アルトサックス)と共演したアルバムも大好きでした。
New Commers of Female Jazz Vocal(新しい女性ヴォーカリスト)
新しい女性ヴォーカリスト
ダイアナ・クラール / Cry Me A River /album:Live In Paris(DVD)
クール・ビューティですね。
エルヴィス・コステロと結婚してからだいぶ変りましたけど^^
ソフィー・ミルマン/ Let Me Love You
ソフィー・ミルマン、美人さんですね。ロシア系らしいですよ。
ノラ・ジョーンズ / Come Away With Me/album:Come away with me(debut album)
人気抜群のノラ・ジョ-ンズ。 この後もたくさんアルバムが出ましたが、結局この1st.アルバムが一番いいように思うのですが・・・
ノラのお父さんが、あのラビ・シャンカル なのですよね。
メロディ・ガルド― / Worrisome Heart
メロディ・ガルド―、独特のムードを持った人ですね。
しかし、この人もまだこの1曲を超える曲がないように思うのですが。
最後までお付き合いくださって、ありがとうございました!!