ジャズの名曲「マイ・ファニー・バレンタイン」My Funny Valentineの名演、名盤を聴く

明日は2月14日ですから・・・
マイ・ファニー・ヴァレンタイン です。
これもまた、ロジャース=ハート コンビの作品です。
Richard Rodgers (曲)/ Lorenz Hart(詩)
Contents
歌詩
この曲は歌モノとして始まっていますので、
やはりその詩を見てみましょう。
My funny Valentine, sweet comic ValentineYou make me smile with my heartYour looks are laughableUnphotographableYet you’re my favorite work of artIs your figure less than Greek?Is your mouth a little weak?When you open it to speakAre you smiling?But don’t change a hair for meNot if you care for meStay little Valentine, stayEach day is Valentine’s Day
ソングライター: Lorenz Hart / Richard RodgersMy Funny Valentine 歌詞 © Warner/Chappell Music, Inc, Concord Music Publishing LLC
”My Funny Valentine” と呼びかける詩になっていますね。
写真写りも悪い
この曲を有名にしたのは(最初に大きなヒットをしたのは)
フランク・シナトラの歌唱でした。
フランク・シナトラ
幸いValentine という名は男女両方にあり得る名前のようですので、シナトラが歌っても違和感がありません。
*もともと恋の歌は全て男女両方の歌手が歌っています。
詩を少しいじって(heをsheに変えるなど)どちらでも歌えるようにしていることが多いですね。
チェット・ベイカー
チェット・ベイカー(voval&trumpet) が〈Chet Baker Sings〉の中で歌っていたものも非常に有名です。
マイルス・デイヴィス
この曲のジャズボーカルの代表がチェット・ベイカーなら
インストルメンタルの代表はマイルス・デイヴィスです。
マイルスは何度もこの曲を演っていますが
次の5枚のアルバムが特に知られています。
2.Jazz At The Plaza (1958)
3.My Funny Valentine (1964)
4.Miles in Tokyo (1964)
5.Complete live at Plagged Nickel ( 1965)
5バージョンを聴き比べたいところですが、そうもいきませんので、1.と3.を聴きましょう。(この2つ、時間がだいぶ離れているので、メンバーも全く異なっています)
アルバム〈Cookin’〉より
Miles Davis (trumpet)
Red Garland (piano)
Paul Chambers (bass)
Philly Joe Jones (drums)
*このアルバム、この曲以外の曲にはもちろんJohn Coltrane (tenor sax)が入っています。
イントロのレッド・ガーランドのコロコロとしたピアノが入ってくるところから魅了されます。
そしてミュート(消音器)をつけたマイルスのクールな押し殺したようなペットに凄みがあってカッコいいです。マイルスのソロが終わってテンポが少し速くなって、またガーランドが入ってくるところも素晴らしい雰囲気です。
アルバム 〈My Funny Valentine〉 より
そしてこのアルバムです。この曲名をアルバム・タイトルとしています。
NY、リンカーン・センター、フィルハーモニック・ホールでライブ録音されています。
ちなみにこの日の録音の半分はもう一枚のアルバム〈”Four” &More〉に納められていて、この双子のアルバムは、この時代のマイルスのライブ・アルバムとして一つの完成形だと思って昔から愛聴しています。
静の”My Funny Valentine”と動の”Four” &Moreです。
これです↓。
聴きます。My Funny Valentine
Miles Davis (tp)
George Coleman (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)
このメンバーは1963年に組まれたものです。
そしてこの年9月録音の〈Miles In Berlin〉からテナーサックスにウエイン・ショーターが参加して、5年ほど続く黄金のクインテットとなります。
●チェット・ベイカーとマイルス・デイヴィスを聴くと、一仕事済んだ気になるのですが、この曲まだありますので、続けましょう。
Holland Mariah Grossman
このホーランド・マライヤ・グロスマンという人は知らなかったのですが、動画がなかなかいいので聴き(見)ます。
*この歌い方には好みは分かれるところかもしれませんが。
Will Bridges Quartetの演奏もイイですね。
クリス・ボッティ w/スティング
トランペットの貴公子(?)クリス・ボッティの演奏にスティングが参加する映像です。
*これもまた「こんなのはイヤだ」という方もいるでしょうね。
ジム・ホール&ビル・エヴァンス
この曲のもう一つの名演です。
ジム・ホール(ギター)とビル・エヴァンス(ピアノ)のデュオです。
かなり速いテンポで演奏されています。
*「高速でこの曲をやるセンスを疑う」と書いたおっさんがいましたーーテラシマさんです。
アルバム〈Undercurrent〉「暗流」に入っていました。
スタン・ゲッツ&J.J.ジョンソン
名盤と言えばこれも名盤ですね。
ゲッツとJJ at オペラハウス
1957年のライブ録音。 いや凄いメンバーですね。
J.J. Johnson (trombone)
Stan Getz (tenor sax)
Oscar Peterson (piano)
Herb Ellis (guitar)
Ray Brown (bass)
Louis Bellson (drums)
●特にゲッツのソロ、全然クールじゃないです!燃えてます。
J.J.のソロも楽しい!
リンダ・ロンシュタット
リンダ・ロンシュタットが歌ったジャズアルバムからのコンピレーション・アルバム〈’Round Midnight〉からの「マイファニー」です。
リンダは独自のヴァースをつけて歌っていますが悪くないと思います。
最後を締めてもらうのは・・・
最後を締めてもらう演奏を探しましたが・・・
やはりマイルス・バンドを超えるようなものは他にはみつかりませんでした。
そこでマイルスのところで書いた5.の演奏
Complete Live At The Plugged Nickel (1965/12/23)
のセカンドセットがアップされていますので、それを聴きます。以前に比べるとよりハードボイルドな演奏となっています。
Miles Davis Quintet:
Miles Davis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)
<2nd set>
My Funny Valentine (R. Rodgers-L. Hart)
Four (M. Davis)
When I Fall in Love (E. Heyman-V. Young)
Agitation (M. Davis)
‘Round Midnight (B. Hanighen-C. Williams-T. Monk)
Milestones (M. Davis)
The Theme (M. Davis)
コンプリート盤はCD8枚組です。
結局マイルス頼りになってしまいました。
●この曲を作ったロジャース=ハートもこんなにインストで演奏されるようになるとは予想していなかったのではないでしょうか?
おまけーーミシェル・ファイファー
映画「恋のゆくえ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」で歌われた女優ミシェル・ファイファーの歌です。
●最後までありがとうございました。