ジャズ・ロックの5大ヒット曲:リー・モーガン「ザ・サイドワインダー」、ラムゼイ・ルイス「ジ・イン・クラウド」など
ジャズ・ロックとという言葉はほぼ死語です。
今使う場合も「かってそんな音楽があった」という使い方です。
その後のフュージョン、クロスオーバーに飲み込まれましたからね。
しかし、ジャズ・ロックは確かに存在しました。
そして大ヒットも生まれました。
それを聴いてみよう!という企画です。
★ジャズ・ロックとは
ロック・リズム(8ビート)に乗ったジャズ、という意味だと思ってください。
ここでは1970年より前(フュージョン以前)の古典的ジャズ・ロックから5曲を選びます。
Contents
ザ・サイドワインダー/ リーモーガン
ジャズを聴いてきた方が「ジャズ・ロック」という言葉でまず思い出すのは、これでしょう。
行きましょう。 The Sidewinder / Lee Morgan (1963)
Lee Morgan-trumpet
Joe Henderson-tenor sax
Barry Harris-piano
Bob Cranshaw-bass
Billy Higgins-drums
★管理人のメモリー
このカッコよさは言葉では表せません。
そしてザ・サイドワインダー というタイトルがめちゃくちゃカッコいいです。
参加メンバーがカッコいいです。(ジョーヘン、ヒギンズ、クランショウ!)
ジャケット・デザインがかっこいいです。全てがカッコいいです。初めて聴いた時の新鮮な感覚は忘れられません。
リー・モーガンが33歳で、愛人にピストルで射殺された事実を知ると感慨ひとしおです。
ウォーターメロン・マン/ ハービー・ハンコック
サイドワインダーとほぼ同じころ、ハービー・ハンコックがこの曲を作り、ヒットさせました。
アルバムは〈Takin’ Off〉です。The Sidewinder と同じBLUENOTEレコードです。
ベースはブッチ・ウォーレン、ドラムスはビリー・ヒギンズです。(ジャズ・ロックではリズム隊が重要です)
フレディ・ハバードのトランペットが輝かしいです。
テナーサックスはデックスだったんですね。
★管理人のメモリー
余りにも親しみ易いメロディのため、却ってジャズのヒット曲と認めてもらえなかった面があった曲だと思います。
「スイカ売り」ですしね。
しかし、このメロディは古典としてちゃんと生き残っています。
バックラッシュ/ フレディ・ハバード
フレディ・ハバードが’67年に発表したアルバム〈BACKLASH〉からタイトル曲です。
アルバート・ディリーのピアノ、ボブ・カニングハムのベース、オーティス・レイ・アップルトンのドラムス、それにレイ・バレットのコンガが入ります。
2曲目〈The Return of The Prodigal Son〉(放蕩息子の帰還)も同様にカッコいい曲です。
★管理人のメモリー
こういう曲は大きなスピーカーで大音量で聴かないとその真価がわかりにくいですね。
このアルバム、当時のジャズ喫茶の大型スピーカーから進軍ラッパのように高らかに鳴り響いていました。BACKLASH というタイトルもThe Sidewinder と同様に超カッコいいタイトルです。(私は「反撃」という日本語が浮かびます)
ジ・イン・クラウド/ ラムゼイ・ルイス
ラムゼイ・ルイス・トリオ’65年の大ヒットです。
ラムゼイ・ルイス―ピアノ
エルディ・ヤング―ベース
レッド・ホルト―ドラムス
★管理人のメモリー
ピアノ・トリオという形式でこんなジャズ・ロックが出来るんだ!という驚きが大きかったことを覚えています。(大げさに言えばカルチャー・ショックでした)
しかしこのアルバム、クラブでのライブという点がキモでしょう。
聴衆の参加(拍手・掛け声)が無かったら随分さびしいことと思います。しかし繰り返しになりますが、ヒット・チューンはタイトルが、カッコいいことも条件ですね。
メンフィス・アンダーグラウンド/ ハービー・マン
’69年録音、ハービー・マンのスマッシュ・ヒットです。
★管理人のメモリー
フルートという音も小さなマイナー楽器をメインにしてこのようなエイト・ビート・ジャズをやろうという発想がすごいです。 そして見事に成功しました。 そのために、マンはラリー・コリエルとソニー・シャーロックのギターそしてメンフィス・リズム・セクションを揃えました。
この曲はいまだに私の頭の中で鳴っています。
1970年、あの時代を思い出します。
あの時代を象徴する音楽だったと思います。
まとめ
ジャズ・ロックの5大ヒット曲を集めました。
何だか懐かしがってばかりいたように思います。
懐かしく思うということは、それが流行りの音楽だったという証拠ですね。
モーツアルトが懐かしいとは、普通言いませんから。
しかし、これらの音楽はその後のフュージョンなどの音楽世界を切り開いてゆきました。
そして確実に今の音楽に繋がっています。
今の音楽に影響を与えていますーーー。
*褒め言葉が「カッコいい」しかないことが恥ずかしいです^^
しかし、彼らは本当にカッコよかったのです。
1曲でもあなたの心に響く曲があったら幸いです。
Thank you for looking at this site , see you again.
追記1:今、他サイトを見ていると「ジャズロック」という競走馬がいることを知りました。(白いキレイな馬です)
追記2:マイルス・デイヴィスがやるロックなジャズについてはこちらをご覧ください。
⇒エレクトリック・マイルスを聴け!