横峯さくらが男子ツアー(AbemaTVツアー)に出場:でもどうして出れるの?
Yahoo!ニュースで
女子プロゴルファー横峯さくら選手が、男子ツアーAbemaTVツアー開幕戦に出場
という記事を見ました。
◎日本ゴルフツアー機構 (JGTO)のページにも載っています。
このニュースを見てまず
「えっ、女子選手が男子ツアーに出れるの?」と思いました。
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そして、このことから芋づる式に、スポーツにおける男女の区別の疑問が色々頭に浮かびました。すっきりしないので、調べてみることにします。
■その前に横峯さくら選手の件をもう少し確認します。
(上のJGTOの文に書いてあるのですが)
・AbemaTVツアーとは下部ツアーのことで、2018年よりAbemaTVツアーと改称したそうです。
*下部ツアー=レギュラーツアーに参加資格がない選手が参加するもの。
下部ツアーにも当然参加資格がある。
参加資格については、けっこうややこしいので、後で触れます。
ただ非常に厳しいものであることは勿論です。
・男子ツアーへの女子の参加は前例があって、ミシェル・ウィー、宮里藍などがレギュラーツアーに参加したそうです。
日本ツアーでは上記を含めて7例あるそうですが、いずれも予選通過はできなかった、と書いてあります。
●日刊スポーツにもこの記事が載っていました。
国内男子ゴルフの下部Abema TVツアーの開幕戦、Novilカップ(30日開幕、徳島・JクラシックGC)に女子ゴルフで国内通算23勝の横峯さくら(32=エプソン)が出場することが20日に発表された。
横峯は「男女問わずゴルフ業界の活性化につながって貢献できればと思い、受けさせていただきました。出るからには予選を通りたいですし、大会を盛り上げる1人になれればと思っています。優勝目指して頑張ります」とコメントを寄せた。
◆女子選手の国内男子ツアー出場 03年カシオ・ワールドオープンでソフィー・グスタフソン(スウェーデン)が国内男子ツアー史上初めて参戦(通算7オーバーの93位で予選落ち)。05、06年カシオ・ワールドオープンには「天才少女」ミシェル・ウィー(米国)が出場し、05年大会では予選通過へあと1打と迫った。宮里藍も05年に国内女子選手としては初めてアジア・ジャパン沖縄オープンに挑戦。通算16オーバーの120位で予選落ちとなった。国内下部では05年カニトップ杯チャレンジに小川あいが出場して予選落ち。06、09年にも女子アマチュア選手が参戦した例がある。
横峯は05年に全米プロゴルフ協会公認大会のハワイ・パール・オープンに出場し、男子選手に交じって17位と健闘したこともある。
-日刊スポーツ[2018年3月20日18時4分] https://www.nikkansports.com/sports/golf/news/201803200000567.html
Contents
疑問に思うこと
■疑問点を列記します。
・プロゴルフツアーでは女子選手が男子ツアーに出場できるのか?
・一体どのような資格で出場できるのか?
何か特例のようなものがあるのか?
・横峯選手は上位入賞すれば賞金はもらえるのか?
・男子選手が女子ツアーに出場できるのか?(!!出れないことは分かってます、しかし何故?)
・オリンピックでは男子、女子に種目が分かれていて、男女混合の競技はバドミントンの混合ダブルスの特殊例を除いて、無いはず。
(卓球の混合ダブルスは世界選手権では採用されている)
・そのためセックスチェックなどを行っていた。
・女子競技がない競技は何?
・男子競技がない競技は何?
・その他の競技の男女区別はどうなっている?
疑問点を調べる
ゴルフは後回しにして、上に書いた疑問を解消してゆきたいと思います。
オリンピック競技
オリンピックにおける男女の区別、差を調べました。
男子のみの競技
カヌー、ボクシング、野球
ノルディック複合(ジャンプ+クロスカントリースキー)、ボブスレー
*スキージャンプは2014年ソチから女子ジャンプが始まった。
但し、男子はノーマルヒル、ラージヒル、団体とあるのに対して、女子はノーマルヒルのみ
女子のみの競技
シンクロナイズドスイミング、新体操、ソフトボール
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*オリンピックは厳密に男女区別がされていますね。
*なお、2020年東京オリンピックでは卓球の混合ダブルス、柔道の混合団体戦が新種目として追加されることが決まった。
(*混合競技は、そもそも男女別の話とはまた違うジャンルですね)
その他のスポーツはどうなっている?
順番に行きましょう。プロ、アマごちゃまぜです。
・相撲: 女性は土俵に上がることが禁じられています^^
・サッカー: 男女別々にリーグがあり、ワールドカップも男女別。
・野球:問題は野球です。
野球は規定では女性を制限する項目はないそうです。
よって実力さえあれば女子選手がプロ野球選手になれます。
これはアメリカでも同様です。
しかし、日米とも女子のプロ野球選手登録は前例がありません。
*日本には女子プロ野球リーグ(JWBA)があります。
4チームがあります。
・体操:男女別です。競技内容も男女で違います(例:平均台は女子のみ)
・ボクシング:男女別です。
・レスリング:男女別です。
もういいですね。いわゆるコンタクトスポーツ(格闘技)は絶対男女別です。
ゴルフに戻ります
で、ゴルフに戻るのですが、
まずツアーの名前ですが以前はJPGAと言ってました。
私は今もそうかと思っていました。
今はJGTOと改称したそうです。
JPGA:Professional Golfers’ Association of Japan
JGTO:Japan Golf Tour Organization
実は、上の記述は正確には正しくなくて、今もJPGAは存在しています。
ややこしい事情があります。この文の趣旨から外れるので省略します。
ただアメリカは今もPGA Tour と言っているので、統一感から言ってもJPGAの名前を使うほうが良いという意見が多いそうです。
更にややこしいのは日本の女子ツアーはLPGAツアーと言っているのです。
LPGA:Ladies Professional Golfers’ Association of Japan
(*これは正確にはJLPGAと呼ばなければなりません。何故ならLPGAはアメリカの女子プロゴルフツアーが使っている呼称だからです。ややこしくてすみません)
あー、めんどくさ!内輪もめされるとこういう事態が生じるんですよね。
呼称の話はこれくらいにしておきます。
プロ・ゴルフのトーナメントの出場資格
初めに書いたように結構ややこしいのですが、
簡単に言うと
1.前年の賞金ランキング上位者
(男子は75位まで、女子は55位まで)
*その権利をシード権という。男子では60位までを第1シード、それ以下を第2シードといい、出場試合に差がある。
2.シード権の無いものはQT(クォリファイングトーナメント)を受けることによって資格を取ることが出来る。
QT のファイナルは 毎年 12月に シード権のない選手が 出場資格を獲得するために 6 試合のストローク・プレーで争う場で、上位 35名に翌年のツアー・トーナメント、また、上位約 120名に 翌年のチャレンジ トーナメント(下部ツアーのこと)の出場資格が与えられる。
ーーゴルフ豆辞典より引用
https://www.mamejiten.com/golf/dev/033.htm
*他にも永久シードとか前年の各トーナメント優勝者などの資格があるのですが省略します。
→JGTOによる「2018年度 ジャパンゴルフツアー・ツアートーナメント出場有資格者リスト 」を見て、その22項目をチェックしました。
その中で横峯さくら選手が出場出来る可能性のある項目を探しました。
その結果可能性があるのは次の項目だけでした。
(7) 会長が推薦する者 (そのツアートーナメント)
やはり特例ということでしょうか?
*JGTOの会長は青木功です。
(ちなみにJPGAの選手会長は倉本昌弘です)
(そのツアートーナメント)とはその試合だけ有効という意味でしょうか。
また厳密に言うと上の資格はレギュラーツアーの資格ですから、今回の横峯選手が参加する下部ツアーはまた別になるのでしょう。
◎過去の前例ではどうだったのでしょうか?
レギュラーツアーにも参加しているようです。
プロ、アマ問題も絡むのですが、アマの女子選手が男子ツアーに出た前例もあると書いてありましたね。
◎残念ながらここまでしか分かりませんでした。
プロ・ゴルフは非常にルールが厳密なスポーツというイメージを持っていたのですが、このような特例措置はまた別ということでしょうか。
ゴルフも極言すれば人気プロスポーツですから、ツアー・トーナメントの人気を高めるためなら特例措置もやる、固いことは言わないでください、ということでしょうか。
最初の横峯選手のコメントでも「要請を受けたので、ツアーに貢献するために受けました」のような発言でしたね。
当然賞金ももらえるのでしょう。
しかし、「女子プロとしての年間獲得賞金に算入」は不可でしょう。
まとめ
これだけ調べたのに、グレイな結果となりました。
これ以上知りたければJGTOに問い合わせるしかないようです。
前例が7例もあるということですから、今になってこんなことを言うのは野暮なことなんでしょうか。
当日Abema TVで試合を観戦すれば何らかの説明があるかもしれません。そういう意味でも話題性はありますね。
◎最後に、これは関係あるかどうか分かりませんが、近年女子ゴルフの人気が高く、それに比べると男子ツアーの人気は低下気味とのことです。
試合数も賞金額もかっては随分差があったのに、今ではほぼ同列になっています。(そのうち女子が男子を追い抜くかも)
◎もう一つ女子ゴルフについての、新ニュースがありました。
アメリカ女子ツアー(US LPGA Tour)で、昨年(2017)7月から女子のドレスコードが出されたそうです。
スカートの長さとか胸の空き具合とか色々あるのですが、要は「余りセクシーな服装はダメよ、露出は控えめにね」ということみたいですよ。
罰金は1000ドルとのこと。アン・シネ選手はどう対応するんでしょうか?
◎調べた割に実りのない結果ですみません。
★筆者は、ゴルフはテレビ観戦して最も面白いスポーツの一つだと思っています。
特にマスターズとかジ・オープン(全英オープン)の面白さは格別です。