ジャズトランペッター、フレディ・ハバードの名盤、名演を聴きまくる!
フレディ・ハバードというトランペットの名手がいました。
いや、そりゃあ、リー・モーガンがいました。
クリフォード・ブラウンも。ドナルド・バードも。ケニー・ドーハムも。ブルー・ミッチェルも。
みんな上手かった・・・。
それでもやはり、フレディも特別の異彩を放っていました。
是非聴いていただきたいのは
1.1最初の動画+3.3「Hub-Tones」+5「Backlash」の3っつです!
Contents
フレディ・ハバードのこと
いろいろ言う前に、1曲動画で見て、聴いてみましょう。
カンタロープ・アイランド
ハービー・ハンコックのカンタロープ・アイランドです。
いやー、カッコよかったですねー。 メンバーが凄かったですね。
(*この動画を見ながらフレディという人はすごく生真面目な人だったのではないかと思いました)
この↓アルバムに入っていますが、CDに入っていなくて動画に入っていたのはジョー・ヘンダーソン(ts)です。これがヘンダーソンではなくウェイン・ショーターだったら、V.S.O.Pになるわけですが、ジョーヘンで良かったです。
フレディ・ハバードのこと
Frederick Dewayne “Freddie” Hubbard, (1938年4月7日 – 2008年12月29日)
インディアナ州インディアナポリス生まれのジャズトランペット奏者。
フリージャズからジャズ・ロック、イージーリスニング(スムースジャズ?)そしてもちろんハードバップ、メイン・ストリーム・ジャズと幅広く活躍しました。
あまりにも活動範囲が広かったので「器用貧乏」みたいに揶揄されることもありました。しかしそれが間違いであって見事な表現者であったことは、ここで聴かれる音楽で分かるはずです。
●フリージャズの演奏は次のようなアルバムで聴くことができます。
・オーネット・コールマン〈Free Jazz〉
・エリック・ドルフィー〈Out To Lunch〉
・ジョン・コルトレーン〈Ascention〉
●多くのリーダー・アルバムがありますが、それらは主にBLUENOTE, Atlantic,CTIレーベルから出ています。
●サイドメンとして他の人のアルバムに参加しているものは余りにも多くて、正直に言って、さらさらとは思い出せません。
パッと思いついたのは次の2枚です。
・ハービー・ハンコック〈Maiden Voyage〉「処女航海」
・オリヴァー・ネルソン〈The Blues And The Abstract Truth〉「ブルースの真実」
あとV.S.O.Pのメンバーとしての演奏とか。
そしてアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズに所属していた時代(1961-1964)の録音が10枚くらいありますが、それらは今回は省略です。(ちなみにリー・モーガンの後釜でした)
●とてもその全容をカバーすることはできませんので、結局は自分が好きな演奏、記憶に残る演奏を紹介することにします。
サイドメンとして:「処女航海」「ブルースの真実」
ハバードのサイドメンとしての演奏は先に書いた2枚にとどめを刺すと(筆者は)思っていますので、この2つは是非聴きたいものです。
Maiden Voyage 「処女航海」
Herbie Hancock — piano
Freddie Hubbard — trumpet
George Coleman — tenor saxophone
Ron Carter — bass
Tony Williams — drums
●ジャズに「新しい窓を開いた」と言われる演奏です。
確かに窓を開いて新鮮な風が吹き込んできたような感覚を覚えるアルバムでした。
「ブルースの真実」より「ストールン・モーメンツ」
このアルバムの1曲目に入っていた〈Stolen Moments〉を聴きますが、この演奏もまた別の意味で新しく斬新で、筆者はこのアルバムのことを「裏・カインド・オブ・ブルー」と密かに呼んでいます。
オリヴァー・ネルソンというサックス奏者であり、優れた作・編曲者であったプレイヤーのことはジャズ史に刻む名前だと思っています。
ハバードが輝かしい、滑らかなフレーズのソロをとっています。
ハバードに続くフルートのソロはエリック・ドルフィー、続くサックスソロがネルソンで、ピアノ・ソロはビル・エヴァンズという豪華なリレーが聴けます。
ハバードのリーダー作(BLUENOTE)
Open Sesame オープン・セサミ
ハバードのBLUNOTEデビューは〈Open Sesame〉というアルバムでした。1960年
そこから〈Gypsy Blue〉 という哀愁メロディの曲を聴きます。
ハバードはデビュー作から溌剌と輝くソロを吹いています。 サックスは渋めのティナ・ブルックスですが、味のあるいいソロです。ピアノはマッコイ・タイナー。
Ready For Freddie レディ・フォー・フレディ
●ハバードのBLUENOTEのリーダー作は10枚近くあるので、どれがいいか迷うのですが次は〈Ready For Freddie〉というアルバムです。これはウェイン・ショーターとの初共演が注目です。
曲は〈Birdlike〉にします。
メンバー全員が気合が入った演奏をしています。1961年録音ですが既に「脱ハードバップ」的演奏です。
Freddie Hubbard – trumpet
Bernard McKinney – euphonium
Wayne Shorter – tenor saxophone
McCoy Tyner – piano
Art Davis – bass
Elvin Jones – drums
(ウェイン・ショーター、マッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズが揃っています)
Hub-Tones ハブ・トーンズ
実は筆者がBLUNOTEのアルバムで一番好きなのは〈Hub-Tones〉です。
〈You’re My Everything〉を聴いてください。
Freddie Hubbard (Trumpet)
James Spaulding (Alto saxophone)
Herbie Hancock (Piano)
Reggie Workman (Bass)
Clifford Jarvis (Drums)
フレディが最高に歌っています!
バラードと思って聴いてるとテンポが速くなるところもカッコいいです。
メンバーの演奏も最高です。
*ただこのYouTube音源はピッチが狂っているようですので、是非CDでお聴きください。
The Artistry of Freddie Hubbard (Impulse)
Impulseレーベルから出たアルバム〈The Artistry Of Freddie Hubbard〉もカッコいいものでした。
そのアルバムから〈Bob’s Place 〉という曲を聴きます。
Freddie Hubbard – trumpet
John Gilmore – tenor saxophone
Curtis Fuller – trombone
Tommy Flanagan – piano
Art Davis – bass
Louis Hayes – drums
全員がカッコいいのですが、特にドラムスのルイ・ヘイズがジャズ~~という雰囲気を作っています。トミフラのピアノも!
Backlash バックラッシュ (Atlantic)
Atlanticレーベルから出たアルバム〈Backlash〉も想い出深いアルバムです。
ジャズ・ロック的演奏です。
筆者は勝手にこのアルバムを「フレディーの反撃」と呼んでいました。
これを聴くと元気が出ます。
Freddie Hubbard(trumpet)
James Spaulding (flute, saxophone)
Albert Dailey (piano)
Bob Cunningham (bass)
Otis Ray Appleton (drums)
Ray Barretto (percussion)
●そろそろ力が尽きてきました。^^
フレディの進撃はまだ続くのですがあと2曲くらいにしたいと思います。
CTI でのハバード
このあとハバードはCTIレーベルからヒット・アルバムを何作か出します。
Straight Life
そう言えばバラード演奏をかけてなかったので〈Straight Life〉というアルバムでの〈Here’s That Rainy Day〉を聴きましょう。
ギターはジョージ・ベンソンです。
California Concert
〈Red Clay〉というヒットアルバムがあります。
そして〈California Concert〉というCTIオールスターズによるライブの2枚組アルバムが出されています。
そこで、その〈Red Clay〉も演奏されていますので、ライブの臨場感あふれる演奏で聴きたいと思います。
この曲「赤粘土」を作ったフレディが主役です。
CTI Records. Recorded on July 18, 1971 at the Hollywood Palladium, Los Angeles, CA
Freddie Hubbard – trumpet
Stanley Turrentine – tenor saxophone
George Benson – guitar
Johnny Hammond – organ, electric piano
Ron Carter – bass
Billy Cobham – drums
Airto Moreira – percussion.
まとめ
フレディ・ハバード、、、、このトランペッターはリー・モーガンなどに比べるとやや評価が低いかもしれません。
日本での人気という面でもブルー・ミッチェルのように語られることも少ない気がします。
ミッチェルのような哀愁味に欠けるからかもしれませんね。
しかし、上でかけた〈You’re My Everything〉のように、味わい深い演奏ができる人だったことは知っている人は知っています。
そして、書いてきたようにオールラウンダー(万能選手)としてジャズシーンを引っ張ってきたトランペッターであったことは間違いありません。
これで終わりにします。
★最後まで付き合って下さってありがとうございました。