日本人が愛したカーペンターズ:BS「アナザーストーリーズ」・’70年代アメリカの光と影
↑画像は YouTube.com より
5月16日(火)PM9:00~
BS プレミアムで放送されるアナザーストーリーズ
「日本人が愛したカーペンターズ~天才兄妹秘められた物語」
と題してカーペンターズの特集です。(「ザ」The はつきません)
Contents
カーペンターズのこと
この、カレン(1950年生れ)とリチャード(1946年生れ)の兄妹デュオ・グループは余りにも有名なので、みなさんもご存知でしょうが、やはりWikipediaが簡潔にまとめてあるので、引用します。
1970年代を中心に、アメリカのラジオ番組『アメリカン・トップ40』やアダルト・コンテンポラリー・チャートでの記録を塗り替え、ソフト・ロックやイージー・リスニング、アダルト・コンテンポラリー・ミュージックといったジャンルにおける主要なヒットメーカーとなった。ビルボード・ホット100チャートで1位となったシングルが3曲、アダルト・コンテンポラリー・シングル・チャートで1位が15曲ある。さらに、トップ10入りは12曲に及ぶ。アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るとされている。
14年間の活動で、11枚のアルバム(うち『遙かなる影』『カーペンターズ』『ア・ソング・フォー・ユー』『ナウ・アンド・ゼン』『緑の地平線〜ホライゾン』の5枚がトップ10シングル曲を収録)、31枚のシングル、5本のテレビ・スペシャル番組、テレビ・シリーズ番組を1本制作した。アメリカ本国をはじめ英国、日本、オーストラリア、オランダ、ベルギーなど世界各国でツアーを行った。
オリコンチャートブックの集計では1970年から1989年(いわゆるレコード時代)の日本での海外アーティスト別アルバム売上枚数はビートルズに次いで第2位である。シングル売上枚数は第1位。CD時代に入った後も、1995年発売のベスト盤『青春の輝き〜ベスト・オブ・カーペンターズ』が200万枚越えるセールスを記録する等、日本においても時代を超越して愛され続けているグループである。
カレンが、神経性無食欲症(いわゆる拒食症)の合併症による心停止のために死去してから、摂食障害の危険性の認識が深まったといわれている。—Wikipediaより
1983年カレンの死により活動を終えました。
たくさんのアルバムがありますが、何といっても「ナウ・アンド・ゼン」が印象に残るアルバムです。
カーペンターズの光と影
他にもいくつかの重要な情報がありますので、列記します。
栄光とその裏にあった影のことなど
・カレン・カーペンターは当初ドラムを担当し「歌うドラマー」であった。
ドラムの腕の確かさ、そのタイム・キープ能力の凄さは多くの人が認めている。カレンがドラムを担当している曲も初期にはたくさんある。
・カレンの歌声の素晴らしさはまた多くの人が絶賛した。
声の美しさについては、ポール・マッカトニーやジョン・レノンも絶賛したという。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第94位。
「雑誌0の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第48位。ーーーーーWikipediaより
・カレンの拒食症とその死は有名だが、兄リチャードも薬物依存症の時期があった。
・カレンの拒食症の原因については、余りにも厳しかった兄の要求、両親との親子関係など諸説がある。
・カレンは1980年に結婚しているがその結婚は惨憺たるものだったという。
1980年、若手実業家のトム・バリスと結婚をするも、翌年暮れには破綻。離婚同意書にサインする直前(約束の6時間ほど前)に彼女が死去したため、現在も既婚のままとなっている。
ーーーーWikipediaより
・来日公演は
1972年、1974年、1976年の3回。
いずれも武道館を中心に全国ツアーを行った。(’72年は武道館のみ)
英語教材としてのカーペンターズ
カーペンターズ、カレンの歌声が英語を勉強するのにぴったりだと言われていました。
スローテンポで聴きやすいスタンダードポップス、音楽的にも優れた楽曲、覚えやすく歌いやすいメロディー、カレンの正確な発音、正しい英文法、基本的な単語で構成された歌詞、スラングがないこと、ヒット曲が多いこと……などから、ビートルズなどと共に「英語教材」としても一般的に広く薦められている。
カーペンターズの曲を何度も聴き、翻訳して意味を理解した上で、英語の歌詞を丸暗記して一緒に歌うことで、リスニングや正しい発音をマスターできる。ーーーーWikipediaより
NHKドキュメンタリー「アナザーストーリーズ」
この番組がどのようにカーペンターズを描くのか興味深いことです。
過去のこの番組の性格から判断すると、やはり上に書いたように、その「光と影」の両面に触れるはずだと思います。
番組を見た後でまた追記したいと思います。
■今番組を見ました。
感じたことをことを書く前に1曲聴きましょう。
Close To You
バート・バカラックの曲をリチャードがアレンジしたものです。
デビュー2枚目のこの曲が初めて全米ナンバーワンに輝き、グラミー賞を取りました。
1970年のことです。
’69年デビュー時の映像が流れましたが、22才のリチャード、19才のカレンは健康そのものに見えました。
(はっきり書きましょう。カレンは胸もお尻も大きく健康的な体でした。しかしカレンはその大きなお尻がコンプレックスだったようなのです。そして後の完璧主義に関わる拒食症に繋がったと思われます。)
完璧主義
このドキュメンタリー番組を見終わって、一つの言葉が頭に残りました。「完璧主義」(の悲劇)という言葉です。
・リチャードは天才だった。ピアノの演奏。アレンジ能力。作曲力。
・カレンは天才だった。神が与えた完璧な声があった。
しかし天才兄弟はさらに完璧を求めた。兄リチャ―ドが求めたのは音楽上の完璧さだった。 しかしカレンが求めた完璧はそれだけではなかった。
番組に、2人の曲に詩を書いていたジョン・ベティスという人物が登場しました。
デビュー7年目のカーペンターズの曲「青春の輝き」(I Need To Be In Love) に次のような歌詞を書いたことを語り、カレンの心を代弁したと言っていました。
その曲を聞きます。
サビの部分の歌詞です。
ーーーーーー
I know I need to be in love
I know I’ve wasted too much time
I know I ask perfection of
A quite imperfect world
And fool enough to think that’s what I’ll find
そうね、わたしは恋をすべきね
わたしは時間を無駄にし過ぎたわ
そうよ、わたしは不完全な世界に完璧を求めている
そしておばかさんなことに
それが見つかると思っている
ーーーーーー
*この歌詞は暗示的です。
彼ら二人が完璧、完全を求めなければ、もっとラクに生きられたと思わざるを得ませんでした。
番組について
この番組の作り方には全く不満でした。
・2人の悩みの部分への突っ込みが全く不十分でした。
・カーペンターズを日本で売るために努めた日本のプロデューサーの話に随分時間を割いていましたが、それはこの番組のテーマ、「二人の物語」には枝葉末節の、はっきり言って無くてもいいエピソードでした。
(見ていてイラつくくらい余計でした)
タイトルに「日本人に愛された」とあったのも、そういう番組作りであることをにおわせたものだったのでしょう。しかし、それはほとんど、本筋に関係ない、期待しない、日本の事情でしかなかったと思います。余計な時間稼ぎでした。
それこそ完璧を求めるカーペンターズが見たら不満を感じることでしょう。
・そんなことに時間を割かずに、もっとアメリカで取材して、ちゃんとした「カーペンターズ物語」を作ってもらいたかったものです。
・MCの沢尻エリカも今回は邪魔な存在と見えました。
終わりに
それでもカーペンターズの魅力を浮かび上がらせた番組ではありました。
不満足ではありましたが、許します^^
最後に Yesterday Once More を聴いて終わりにします。
★カーペンターズのベスト盤として最も売れているのは↓これです。
先ほどの「青春の輝き」がアルバムタイトルになっていることは今思えば不思議な気がします。
——*Thanks a lot for visiting the site.