SOLAR「ソーラー」マイルス・デイヴィスが作ったジャズ・スタンダード

ジャズの名曲シリーズ:SOLAR
ジャズの帝王と言われたトランペッター マイルス・デイヴィス
が作った曲です。
1954年のマイルスのアルバム〈Walkin’〉が初出でした。
当時流行していたハードバップ・ジャズとは一線を画する新しい曲想を持った曲だと思います。
いま聴いても新鮮です。だからこの後かけるメルドーとかパラレル・リアリティーズで聴くとまるで昨日できた曲のようです。
SOLARというネーミングもまた斬新です。 ’54にこういうタイトルをつけるセンスは他にはパーカーとB.パウエル、T.モンクがいるくらいです。(みんな天才!)
マイルスという人の底知れぬ才能を再認識する曲です。
Contents
マイルス・デイヴィス
初出の〈Walkin’〉での演奏です。
Miles Davis: trumpet
Dave Schildkraut: alto sax
Horace Silver: piano
Percy Heath: bass
Kenny Clarke: drums
実に新鮮な感覚です。
ここでアルトを吹いているディヴ・シルドクラウトは全然有名じゃないのですが、このソロを聴くと才能あるアルト奏者だったと分かります。
ビル・エヴァンス
次に聴くのはまたビル・エヴァンスです。 例のスコット・ラファロを含むトリオのヴィレッジヴァンガードでのライブ〈Sunday At The Village Vanguard〉(’61)でSOLARを演っています。
●素晴らしい演奏ですね。エヴァンスはこういう曲は大好きだったと思います。トリオの緊密な絡み合い,特にラファロのベースはこの時代のベースとしてはとんでもなく新しいものです。
名盤と言われるはずです。
まず、ピアニストの演奏を時代に関係なく、まとめて行きましょう。
チック・コリア、キース・ジャレット、チューチョ・ヴァルデス、ブラッド・メルドーです。
チック・コリア
Excellent live performance at New York, 2006, from album “Five Trios – From Miles”.
チックもこの曲が好きなようです。ゴメス、ディジョネットというトリオが悪いはずはないですねぇ。
Chick Corea: piano
Eddie Gomez: bass
Jack DeJohnette: drums
キース・ジャレット
キースのスタンダードトリオの演奏はECMレコードから出ているためにYouTubeにはアップされません。
それで動画で見ることになりますが、動画は日本での演奏がほとんどです。
Recorded live in Tokyo, July 25, 1993 at Open Theater East.
Keith Jarrett: piano
Gary Peacock:bass
Jack DeJohnette: drums
この動画26分の長尺ですが、SOLAR で始まり、その変奏というべき即興演奏での(extension)に移ってゆきます。
●キースのスタンダード・トリオはこのアルバム↓でもSOLARをやっていました。ジャズの偉大なる先人たちに捧げられた2枚組曲集なんですが、キースはマイルスのこの曲をビル・エヴァンスに捧げています。
チューチョ・ヴァルデス
キューバのピアニスト、チューチョ・ヴァルデスの最新ライブ演奏。
チューチョはかって、キューバーのスーパーグループ「イラケレ」のリーダーでした。
Alfa Jazz Festival filmed in June 2017
Chucho Valdés Quartet
Chucho Valdés – Piano
Yelsy Heredia – bass
Georvis Pio Milian – drums
Pedro Pablo Rodríguez – percussion
ブラッド・メルドー
いやー、すごい演奏を聴いてしまったので後が困ります。
本当はここでサックスなどの管楽器に行きたいと思ったのですが、
やはりまたピアノでブラッド・メルドーがトリオで演っている演奏にします。
ライブ録音です。
Larry Grenadier(b), Jorge Rossy(ds) 1999年 at Stockholm
メルドーはこの演奏とは別ですが、Art Of The Trio 4: Back At The Vanguard の中でSOLARをやっています。
ジャッキー・マクリーン+大西順子
Somethin’ Else から1996年に出たマクリーンと大西の共演盤「ハット・トリック」に入っているSolarです。
これを聴くと、ジャッキー・マクリーンはこの頃が一番良かったんじゃない?とさえ思えます。まず音&音程が良くてまるでフィル・ウッズのようです(???)
またJunko Onishiが男っぽくガンガン迫るので 、もうたまりません。ほんとうに大西は世界に誇る逸材ですね。
パラレル・リアリティーズ
この動画には何のキャプションもついてないのですが
このメンバー
Herbie Hancock (keyboards)
Pat Metheny (guitar)
Dave Holland (bass)
Jack DeJohnette (drums)
を見ればこれはParallel Realities ・パラレル・リアリティーズですね。
1990年6月 Mellon Jazz Festival,Philadelphia の記録です。
CDでは以下のCDに収録されています。(2枚組・収録曲が興味深い)
●この演奏を聴いていると曲といい人脈といい、やはりマイルス・デイヴィスはジャズの帝王であった、という思いが強くなります。
以上 Solar 特集でした。
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