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ジャズの名曲シリーズ・Round Midnight ラウンド・ミッドナイトの名演、名盤を10ヴァージョンで聴く

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

ジャズという音楽に興味のない方でも知っているジャズの曲と言えば

Take The A Train と Take Five だと思うのですが、

ジャズを好きな方、ジャズを演奏する方の間でアンケートを取れば

おそらく ’Round Midnight が一番ではないでしょうか?

間違いなくジャズを代表する名曲です。

作曲はセロニアス・モンク です。

もともとは ’Round about Midnight がフルのタイトルですが、about が省略されることが多くなり、
さらに初めの ’ (アポストロフィー)も取れて表記されることが多くなりました。

(意味はそのまま「真夜中ころ」ですね)

10のヴァージョンを聴きます。

CDが存在するものに限定しました。 よってライブ動画などは入っていません。

 

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セロニアス・モンク

この曲を作ったモンクの演奏から聴きたいと思います。

勿論モンクは何度も録音をしていますし、ライブ動画もあります。

セロニアス・ヒムセルフ

筆者が繰り返し聴いたアルバム〈Thelonious Himself〉(1957年) からの演奏です。ピアノソロです。

 

このアルバム、若い頃(もちろんCDなど無い時代です)繰り返し聴いていました。何がこんなに自分を捉えているのかもわからずに聴いていました、

こんな曲を作れるなんて天才です。この曲がジャズを代表するものになったことも当然です。
このアルバムではソロでその世界を覗かせてくれました。そして1曲だけ(Monk’s Mood)に入っているコルトレーンがコルトレーン初体験だったかもしれません。

ミステリオーソ

ソロではないモンクのカルテットの演奏でも聴きましょう。

このアルバムからです。

 

1958年Five Spot Cafeでのライブ

Thelonious Monk-piano
Johnny Griffin-tenor sax
Ahmed Abdul Malik-bass
Roy Haynes-drums

マイルス・デイヴィス

この曲を圧倒的に世に知らしめたがマイルスのこのアルバムだったのではないでしょうか。

このジャケット!
このジャケットもジャズという音楽を代表するジャケットだと思います。
ジャズという音楽を表す記号的にも使われているように思います。

 


Miles Davis (trumpet)
John Coltrane (tenor sax)
Red Garland (piano)
Paul Chambers (bass)
Philly Joe Jones (drums)

ミュートを付けたマイルスのトランペットとコルトレーンの硬質なテナーがこの曲のハードボイルドなイメージを高めます。「ジャズは夜の音楽」というイメージを決定的にしたアルバムとも言えそうです。

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ケニー・ドーハム

 

Kenny Dorham Quintet at the Cafe Bohemia – ‘Round About Midnight (1956)

もう一つのラウンドミッドナイト・ライブ。
Kenny Dorham (trumpet), J.R. Monterose (tenor sax), Bobby Timmons (piano), Sam Jones (bass), Arthur Edgehill (drums)

ドーハムのトランペットはマイルスより哀愁味があります。そこが一味違い、これもまた曲のイメージに似合う演奏だと思います。
モンテローズのハードボイルド・テナーとティモンズのブルージーなピアノなどクインテットの一体感が見事です。

ディジーガレスピー・ミーツ・フィルウッズ

Dizzy Gillespie  meets Phil Woods Quintet という不思議なアルバムがオランダのTimelessレコードから出ています。

初イシューは1993年、録音は1986年オランダのスタジオにて、と書いてあります。

このアルバムで演奏されているRound Midnight がなかなかにイイのです。
フィル・ウッズのクインテットにはトランペット奏者としてトム・ハレルがいましたのでガレスピ―とハレルの両方のソロが入っています。ハレルはフルーゲルホーンを吹いているようです。

バップの現場にいた巨匠ガレスピーとのヨーロッパでの共演に、ウッズのアルトもイイ感じで鳴っています。

ジェリー・マリガン

 

筆者はこの曲のテーマをバリトンサックスで吹く演奏が聴きたいと思っていました。
そのバリトンはジェリー・マリガンしかいないと。

その希望が実現したアルバムです。しかもそのデュオの相手はモンクなのです。

 

チェット・ベイカー

このチェットによる録音は’86年12月、オランダのTimeless というレーベルから出ている。

ベイカーの58歳での死は’88年5月だから、死の1年半前ということになります。
(その間’87年には来日し昭和女子大人見講堂での名ライブ録音を残している)

いい演奏だと思います。
陳腐な言い方しかできませんが、ここには味わいがあります。しみじみとした感情に訴えるものがあります。晩年を付き合ったハロルド・ダンコのピアノもチェトの演奏に相応しく感じます。

Chet Baker-trumpet
Harold Danko-piano
Jon Burr-bass
Ben Liley-drums

 

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この曲ギタリストにも好まれています。ケニー・バレルとウエス・モンゴメリーの演奏を聴きたいと思います。(ジョー・パスのギターソロも迷いましたがこの2人にします)

ケニー・バレル

 

アルバムタイトルも’Round Midnightです。
モンクーマイルスとこの曲を聴いて、次に惚れたのがケニー・バレルの演奏でした。
バレルのブルージーなギター音がたまらないと感じました。全体的には静かな印象なのですが、青く燃える感じがこの曲に合っていると。 ここでエレピを弾いているのは(目立ちませんが)ジョー・サンプルなんですよね。

ウエス・モンゴメリー

 

ジャケットにある通りギター(Wes)、オルガン(Melvin Rhyne )、ドラムス( Paul Parker)のトリオで演奏されています。1959年録音。
ウエスのレコーディング・キャリアの中では最初期にあたります。
しかしこの’Round Midnightは既に自分の世界を作っています。上のバレルの演奏は’72年ですからそれに先立つこと13年前なのです。モンク、マイルスの後にこの曲の新しい解釈と演奏をやってみせたのが実はウエスのギターだったのです。

デクスター・ゴードン

’86年に「ラウンド・ミッドナイト」という映画が出来ました。

バド・パウエルがパリに滞在した時代の実話を基に作られていますが、
映画ではデイル・ターナーという架空のテナー奏者が登場し、それをデクスター・ゴードンが演じました。

*下のCDは完全なサウンドトラック盤ではないのですが、それに近いオムニバス盤と言えるものです。

ここで ’Round Midnightが演奏されています。

Dexter Gordon – ts  デクスター・ゴードン
Wayne Shorter – ss  ウェイン・ショーター
Palle Mikkelborg- tp  パル・ミッケルボリ
Herbie Hancock – p  ハービー・ハンコック
Ron Carter -b   ロン・カーター
Mads Vinding- b  マッド・ビンディング
Billy Higgins – d  ビリー・ヒギンズ

*このメンバーでの演奏はここだけですね。

まとめ

余りの名曲ゆえビビッて今まで書くことが出来ませんでした。

ここに挙げた10のヴァージョンも良く知られた演奏がほとんどでした。

モンクという天才が作った曲が永遠に残る証拠のようなものだったと思います。

西暦2100年ごろに「ジャズという音楽を聴いてみましょう」と言った時、この曲がかかる様な気がしてなりません。

 

●この曲を作ったセロニアス・モンクについてはこちらをどうぞ。
https://enjoyjazzlife.com/thelonious-monk

 

Thank you very much for visiting the site.

 

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◆スタンダード・ナンバー一覧はこちら

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