テレビ討論会第2回の特徴と見どころーアメリカ大統領選挙:嫌われ者同士の戦い
日本時間10月10日(月)AM10:00より(アメリカは10月9日夜)アメリカ大統領選挙、テレビ討論会の2回目が行われます!
CNNjで生中継されます。
●どうしても生で見たいという方は(まだ間に合いますので)
●また今回の大統領選全体については、こちらの記事をどうぞ。
⇒ アメリカ大統領選挙のしくみと日程&テレビ討論会の日本での視聴方法
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■1回目の討論会は大方の意見として、クリントン氏が優勢だったという結果でした。
ネットではトランプ氏のほうが勝ったという情報もありますが、ネットは一人が何回も投票するので信用できないと言われています。
Contents
テレビ討論会第1回の後に出た情報
第1回テレビ討論会のあと、以下のような報道がされました。
トランプ氏が税金を払っていない問題
トランプ氏は20年近く税金(所得税)を払っていないということが大きく報道されています。
これに対してトランプ氏は「税法を合法的に利用しているだけだ」と言っています。自分はビジネスマンとしてスマート(利口)なのだと自慢すらしている様子なのですが、果たして有権者はどう見るでしょうか?
きっちり税金を払っている大多数はマヌケと言われているようで腹を立てるのではないでしょうか。
実はこの問題は以前から言われていたことで1回目の討論会でもクリントン氏も指摘したと思います。その時もトランプ氏は「私が利口な証拠だ」と答えたはずです。
この件、2回目討論会でもまた話題となるでしょうね。
副大統領候補の討論会
10月4日(日本時間5日)には副大統領候補の討論会がありました。
民主党(ヒラリー・クリントン)の副大統領候補はティム・ケイン上院議員で、共和党(ドナルド・トランプ)の方はマイク・ペンス、インディアナ州知事です。
その結果の速報によると、相手の言葉を何度も遮るような発言の仕方をした(これは1回目討論会でトランプ氏がやったことでしたが)ケイン氏に対して、終始冷静に見えたペンス氏が勝ったとの意見が多いようです。
副大統領候補討論会の結果がどれほどの影響があるかはわかりませんが、あのトランプ氏の側近にこのような落ち着いた人物がついているというアピールにはなったでしょう。
アメリカの全国紙が異例の呼びかけ
アメリカの全国紙 USA TODAY が「トランプ氏に投票しないように」という異例の記事を掲載したそうです。
[ワシントン 29日 ロイター] – 米紙USAトゥデーは、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は「危険な扇動家」だとし、同氏に投票しないよう読者に呼び掛けた。
同紙は、34年前の創刊以来、米大統領選ではどの候補にも肩入れしないという方針をとってきたが、トランプ氏があまりにも大統領に相応しくないことから、中立の方針を撤回することにした、と説明した。
同紙は、トランプ氏が米大統領として不適格と考える理由として「最高司令官としての資質がない」「差別を助長」「うそつき」などと列挙したうえで、外交政策については「無知、支離滅裂」と批判した。
一方、民主党候補のヒラリー・クリントン氏については、「エリート意識、率直でないこと、機密情報の取り扱い不注意」などの理由で、編集委員の間で意見が分かれたとし、同氏も支持はしないとしている。
ロイター/イプソスが公表した米大統領選に向けた世論調査によると、26日夜に行われた候補者による第1回テレビ討論会で、クリントン氏が勝利したとの回答が過半数に達したが、なお接戦が続いている。
アメリカの新聞、こんなこともするのですね。
第2回テレビ討論会の特徴と見どころ
2回目はミズーリ州セントルイス、ワシントン大学で行われます。
2回目だけの大きな特徴は、聴衆からの質問に答える「タウンホールミーティング形式」で行われることです。
予想できない質問に対して、両候補がどこまで当意即妙に対応できるのか?
その態度やユーモアのセンスに至るまで、アメリカ全土いや世界が見守る中、二人の対応に興味は尽きません。
特に1回目で不利だったといわれるトランプ氏は、どこまで自分の特長をアピールできるのか、おそらく1回目の結果からの対応策も練ったはずですから、1回目との違いに注目です。
もともとトランプ氏は暴言王として有名になり、アウトサイダーとして登場した人ですから、その原点に戻って開き直れば怖いものはないはずなんですけどね。守りに入ったトランプ氏など誰も魅力を感じないでしょう。
1回目と同じような調子であれば、いよいよ敗色濃厚となるでしょうね。
■ひとつヒラリー・クリントンにとってつらい所があります。
ヒラリー・クリントンはもともと、民主党の現大統領オバマ氏の政策を踏襲するという立場。
しかしながらそのオバマ大統領の政策、実行力は不満が大きく、人気がありません。
すなわちヒラリー・クリントンは「オバマ路線を踏襲しながらも、より実行力のある強い大統領になれる人物である」ということを示さなければならない、ということです。
それが示せないと、失望のせいでトランプに票が流れることもあり得るでしょう。
まとめ
最初から言われていることですが、「嫌われ者同士の戦い」という雰囲気はますます強くなっているようです。
「ウソつき同士の戦い」というひどい言い方もあります。
これでは
ヒラリーが嫌いだからトランプに投票する
トランプが嫌いだから、クリントンに投票する
という、とんでも選挙になるではないですか。
ある意味史上最低の大統領選か?とも思いますが、政治ショウとしては、だからこそ面白いと(不謹慎ながら)思ったりもします。
果たして2回目、3回目の討論会ではもう少しマシなことになるのでしょうか?。