読書の喜び、音楽を聴く楽しみ:村上春樹の新作長編を読みながら
2月25日(土曜)
Amazonに予約注文していた村上春樹の新作「騎士団長殺し」上下2巻が届きました。
この本については予想記事⇒を書いています。
PM9:30
コーヒーを淹れる。
BGMは考えた末にケニー・バレルにした。 これ↓
ブルージーだがうるさくない音楽。
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村上春樹の新作「騎士団長殺し」については期待と不安の気持ちがありました。
過去に不満を感じた長編がありました。
「海辺のカフカ」「1Q84」などです。
前作「色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年」はとても好きです。
今回の作品がいい作品であって欲しいと願いながら、ページを開きました。
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騎士団長殺し
主人公は36歳の男性、職業は画家。
本当に描きたいのは抽象画だが、それは仕事としては難しいので肖像画を描くことを、主な収入源としている。
結婚して6回目の結婚記念日の1か月前に妻にこう言われる。
「とても悪いと思うけど、あなたと一緒に暮らすことはこれ以上できそうにない」
いくつかの会話(重要な話も含まれている)の後、主人公は自分のほうが、家を出ていくことにする。一人で空っぽの家に残ることを考えると耐えられない、と思うからだ。
主人公(名前はないー名前がつけられていない)は、一人で旅に出る。
古いプジョー205ハッチバック(色は赤)に乗って、北へ向かう。
ーーーー悪くない出だしです。
音楽
村上春樹の小説では必ず音楽が出てきます。
どんな音楽が出てくるかが愉しみでもあります。
この小説で最初に出てきたのはシェリル・クロウでした。
車のCDプレイヤーに入っていたからです。
主人公がCDを入れ替えて、次に聴くのはMJQの「ピラミッド」です。
ミルト・ジャクソンの心地よいブルーズのソロを聴きながら、高速道路をまっすぐ北へ向かった(*下線筆者)
ミルト・ジャクソンの弾くヴァイヴのブルースが「心地よい」ことに異論はないですが、傷心の主人公の耳にも「心地よく」響くか?と少し違和感を感じました。(些細なことですが)
新しく住む家
2か月近い放浪(ドライブインからドライブイン、ビジネスホテルからビジネスホテルへの移動)の後、東京へ戻ろうと思う。
旧型のプジョーがちょうど壊れてしまう。車を処分して列車で東京に戻る。
学生(美大)時代からの友人、雨田政彦に電話をして、事情を話し住むところを探していることを告げる。
すると、雨田の父親(高名な日本画家)が使っていて、認知症になり施設に入ったため空き家になっている、小田原郊外の山の上の家を格安で貸してくれることになる。
ここからさまざまな不思議な出来事が起きることになる。
最大の発見は、新しく住むことになった家の屋根裏部屋から日本画家であった雨田具彦(ともひこ)の書いた絵を見つけることです。
その絵には「騎士団長殺し」というタイトルがつけられているのです。
ミステリー小説を読むような、ワクワク感を感じます。
またその家には(具彦が聴いていた)大量のオペラのレコードが残されています。
それを聴くのにふさわしい装置(タンノイのスピーカーと真空管アンプ)と共に。
*これ以上は、いわゆるネタバレになるでしょうから止めておきます。
この本は時間をかけて、じっくり楽しみながら読もうと思いました。
音楽を聴く楽しみ
村上の小説からは、いったん離れて、音楽を聴くことについて少し。
若いころは考えもしなかったのですが、今私はこう思っています。
「音楽を聴ける、そして楽しめるということは実に幸せなことだ」
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考えてみてください。
身体にある種の不調があると音楽は聴けません。
・歯が痛いとき
・頭痛がするとき
・腹痛がするとき
それだけで、もう音楽を聴きたいとは思わないでしょう。
精神状態によっても聴けないこともあると思います。
これについては具体的に書くことは少しだけにしますが、例えば、仕事がうまく行かず、経済的に大損失を負った時に聴ける音楽ってあるでしょうか?
そんな時にも音楽を聴けるならかなりの大物ですね。
悪事と音楽も相性が良くないと思います。
人を騙そうと画策する人に似あうBGMなど思いつきません。
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だから
音楽を聴けて、それを楽しめる状態はーー幸せなことだと思うのです。
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☆村上春樹「騎士団長殺し」を読み終えた後に、それについての文章がかけるようであれば、いいなと思っています。