ジャズの名曲シリーズ:Groovin’ High グルーヴィン・ハイ (ディジー以外はアルトサックス限定)
トランぺッター、ディジー・ガレスピ―が作った曲です。
ですからバリバリのビ・バップ曲であり、ガレスピ―自身の演奏やチャーリー・パーカーの演奏があります。 それらの演奏を何曲か聴いてみましょう。
全てのジャズミュージシャンにとって「原点」のような曲でしょう。
Goovin’ High の意味は「ゴキゲン!」程度でいいと思います。
ディジー・ガレスピ―
まず、作曲者自身による演奏です。
チャーリー・パーカー
続いてパーカーの1947年のライブ演奏。
Dizzy Gillespie (tp) Charlie Parker (as) John Lewis (p) Al McKibbon (b) and Joe Harris (d)
at Carnegie Hall, NYC, September 29, 1947.
渡邊貞夫
続いて、パーカーに憧れてサックスを始めた渡邊貞夫のライブ動画を見ます。
この曲はナベサダにとっては「教科書の曲」だったに違いありません。いい演奏です。
Performance from Kirin The Club 1999. Very hot performance!! (Pf:Cyrus Chestnut,Bs:Roland Guelin,Ds:Rodney Green,Tp:Terell Staford)
キャノンボール・アダレイ
同じくパーカー派のアルトサックスの巨匠、キャノンボール・アダレイです。
ヴァイブのミルト・ジャクソンとの共演からの演奏です。
キャノンボールはパーカー以上に「スムースで饒舌」ですね。
ソニー・スティット
同じくパーカー派の巨人、スティットです。
アート・ペッパー
パーカー派を離れてウエストコースト派と言っていいアート・ペッパーです。
ここでは11人も揃えて小オーケストラみたいになっていますが、ペッパーを含むアンサンブルとペッパーのソロを楽しむアルバムになっています。こういうのを聴くとウエストコースト・ジャズが流行ったのが理解できます。
矢野沙織
すみません。珍しく貶すためにアップします。
日本で話題の女性アルトサックス、矢野沙織ですがこの演奏、矢野の欠点がはっきりしています。
大き目のバンドで矢野のソロ・パートが少ないのも物足りないのですが、矢野の吹奏の欠点はサックスに吹き込む息の量の少なさです。
だから音がスカスカして聴こえる。これはサックス演奏の基本です。(上に並んだ巨匠達と比べるのは酷な事ですが、プロとしてCDを出しているのですから)
上に挙げた人達と比べたら分かるのですが、名手達は小さな音でもしっかりと息を吹きこんでいます。
この録音2006年と昔のものなので、最近の矢野さんの演奏も聴いてみましたが、確かにテクニック的には随分と上達しているようですが、この基本的な欠点は余り治っていないように感じました。(肺活量が非常に少ないのでしょうか?)そうなると、口の締りもイマイチに聞こえてしまうのです。
(*口の締りはゴルフのグリップと同じです。力は入れずに、しかししっかり握る⇒力は入れずにマウスピースはしっかり咥える⇒それによって伸びやかなのに締まった音が出る)
まとめ
ピアノトリオ、ギター、外のトランペット、ビッグバンドの演奏などもあるのですが、今回はディジー御大を除いて、アルトサック奏者限定にしました。
矢野さん、貶してスミマセン。あるいはこの盤の録音が良くないのかとも思いましたが、どうもそうでは無いようです・・・。
★聴いて(見て)頂いてありがとうございます。