JAZZという音楽の魅力を中心に

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ローランド・カークという盲目の怪人の演奏は実は美しく、パワフルでジャズという枠にはまりきれない程のエネルギーに溢れていた

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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ラサーン・ローランド・カーク 

を知っていますか?

Wikipediaが一般的な評判をうまくまとめていますので、まずそれを見ましょう。

Rahsaan Roland Kirk1935年または1936年8月7日 – 1977年12月5日、42歳没)は、アメリカのジャズ・ミュージシャン。盲目でありながらサキソフォンやフルート、トランペット、オーボエ、ピッコロ、イングリッシュホルン、リリコンなど、多種多様な管楽器を演奏した
気魄がみなぎる演奏で知られ、舞台上での超絶的な即興演奏には、コミカルなおふざけや政治的な暴言、複数の楽器を同時に演奏する技能が加わっていた。
数本のサクソフォンを首にぶら下げ、大柄な体躯に黒眼鏡をかけたいかつい風貌や、鼻でフルートを鳴らしながらスキャットを奏で、時に自ら歌い、手回しサイレンやホイッスルなども手に取って鳴らすといった演奏形態が奇異に受け取られたためか、日本国内では「グロテスク・ジャズ」と紹介されていた時期もある。
反面、近年では、形にとらわれない奔放なスタイルや、パワフルで親しみやすく、かつブラック・ミュージックの伝統に根ざした表情豊かな演奏によって、ジャズにとどまらない多様な方向性を感じた若い世代から信奉されている。

ーーーーーーーーーーーWikipediaより(太字、下線は筆者)

ローランド・カークの音楽の魅力について語ることは、けっこう難しいです。

どうしてもその奇橋な振る舞いや、猥雑性に目を取られてしまいそうになるのですが、

私は、どちらかと言えば、彼の音楽の「美しさ」に注目して選曲したいと思っています。

アップする曲はランダムな順序になります。

DOMINO

とは言えやはり最初に彼の音楽にハッとさせられたアルバム「ドミノ」を紹介することになります。

1962年のアルバムです。
シャンソンの曲〈DOMINO〉をこのように演奏した事自体が驚きでした。

●ポイント
フルート、マンゼロなどの楽器を駆使して「ドミノ」を見事に表現するカークでした。
ちなみにこのアルバムでは「ドミノ」を違うメンバーで2回演奏しているのですが、全く異なることにも驚きです。
あとコール・ポーターのスタンダード・ナンバー〈Get Out Of Town〉の演奏なども素晴らしいものです。

 

Blues For Alice

カークがいかにまともで正統的なジャズの演奏者であったかを示すためにもう1曲聴きましょう。
アルバムはこれ↓です。(1961年)

曲は〈Blues For Alice〉

●ポイント
どこから見ても、「文句あるか」のジャズですよね。
伝統的ジャズマンであったことも理解して頂けるはずです。

Roland Kirk – Tenor Saxophone, Manzello, Flute, Stritch
Hank Jones – Piano
Richard Wyands – Piano *
Wendell Marshall – Bass
Art Davis – Double Bass*
Charlie Persip – Drums
(ちなみにこの曲では*の方です)

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Theme For The Eulipions「ユーリピオンズのテーマ」

さて急に1975年のアルバムになります。

このアルバム全6曲とも素晴らしいのですが、1曲目の「ユーリピオンズのテーマ」を聴きたいものです。

 

●ポイント
最初の1:40くらいのノイズ(?)的な部分は我慢してください。
そこからカークのテナーサックスの美しいというか、ムードテナーのようなかっこいい演奏が始まりますので!

 

ライブ映像 in 1975

複数の楽器を咥えている画像が気になると思われますので、ここで実際にライブ映像を見てみましょう。

●ポイント
やってくれてますね!
2:30あたりではあの〈My Favorite Things〉の引用フレーズも出てきます。
ピアノがマッコイ・タイナーであることも嬉しいことです。

ところで非常に紛らわしいことですが、最後に表情を捉えられているは、ピアニストのチック・コリアだと思います。(タイナーと同じ黄色いセーターを着ているので増々紛らわしいことになっています)

 
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I Say A Little Prayer

名盤〈Volunteered Slavery>からの1曲です。

●ポイント
ご存知バート・バカラックの名曲ですが、5:15から突然コルトレーンの〈A Love Supreme〉になるところが鳥肌ものです。

カークのコルトレーン愛は随所に現れるのです。

 

This Masquerade

キリがないので後1曲にします。
レオン・ラッセル→ジョージ・ベンソンのヒットThis Masqueradeです。

●ポイント
このへんのソウルフルな演奏が、現代の若い人にも再評価されている理由の一つのようです。

しかし、ローランド・カークの表現意欲と、表現力はすさまじいものがありますね。

この曲が入っているアルバムはこの2in 1 セットがお徳用です。↓

まとめ

カークの多彩な表現のルーツを探れば

やはり ブラック・ミュージック ということになるようです。

ジャズ、ブルース、ファンク、ソウルミュージック を一人で統合しているような感じです。

やはり、黒人で盲目ということも大きいのかなとも思います。

レイ・チャールズやスティービー・ワンダーのことも思い出します。

●初期のカーク(’60年代初めまで)を聞くのであれば、このCD4枚セットがお徳用です。

 

余談ですが、ローランド・カークはこんな本まで出ています。

ラサーン・ローランド・カークの「ブラック・ミュージック」が目の前に迫る!!
ここ数年、DJたちの聖典のひとつとして、ローランド・カークの音楽は静かに広まり、そして新たな音楽ファンを深く魅了し続けている。
ロック、ソウル、ファンク、トラディショナル…など、あらゆる「音楽の要素」を、さらにジャズをも飲み込んだ「ラサーン・ローランド・カーク」の音楽の魅力とは何なのか?
「ブラック・ミュージック」とあえて呼ぶ、その謎を求めて『ローランド・カーク伝』(河出書房新社刊)の翻訳者で、ラサーン研究第一人者の林建紀がひも解き、「謎」に迫ります。

最後まで付き合って下さってありがとうございます

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