ジャズの名曲シリーズ:デュークエリントン作曲のPrelude to a Kiss「プレリュード・トゥ・ア・キス」10選
さて、ジャズの名曲シリーズ
2024年、新年一つ目は「プレリュード・トゥ・ア・キス」です。
Prelude to a Kiss は意外な事に(?)デューク・エリントンが作曲した1938年のバラードです。
この曲、たくさんの人に歌われ、演奏される曲となりましたが、当初
ガンサー・シュラーは、「プレリュード・トゥ・ア・キス」について「エリントンの最高のバラードの1つであるが、織りのメロディーと半音階のハーモニーが洗練されすぎて、一般には広く受け入れられなかったのでは」と分析したーーーWikipedia
との評価だったようです。最初インスト曲として作られ後にアーヴィング・ゴードンとアーヴィング・ミルズによって詩がつけられています。
Contents
デューク・エリントン楽団
という訳でまずデューク・エリントン楽団の演奏から。ソロを取るアルトサックスはエリントン楽団を代表する奏者、ジョニー・ホッジスです。
筆者は、エリントン楽団の影の立役者であり、「Lush Life」「Chelsea Bridge」「Rain check」などの曲を書いたビリー・ストレイホーンがこの曲に関わっているように思えてなりません。アレンジは当然したとは思いますが。
エラ・フィッツジェラルド
そこで早速エラ・フィッツジェラルドに行きたいのです。エラのSongbookシリーズのエリントン編からです。
エラの歌の間奏に現れるスタッフ・スミスのヴァイオリンとベン・ウエブスターのテナー演奏が素晴らしくて、ついそちらにも聞き惚れます。
ブラッド・メルドー
何か古めかしい曲と思われるとイヤなので、先を急ぐ感じでここでブラッド・メルドーの演奏を聴きましょう。メルドーが Art of The Trioと銘打って出したピアノトリオ・シリーズの1枚目〈Introducing Brad Mehldau〉でこの曲をやっていました。
Piano: Brad Mehldau
Drums: Brian Blade
Bass: Christian McBride
サラ・ヴォーン
エラに続いてサラの歌唱も。
サラは1954年にこの歌を歌っていたのですが、筆者はこの1957年の〈Swingin’Easy〉でピアノトリオで歌う方が好きです。 この頃のサラの歌声はストレートにキレイです。
ベン・ウエブスター
さきほどエラの伴奏でのウエブスターの演奏が良かったので、ウエブスターで聴きます。ウイズ・ストリングスです。
ナンシー・ウィルソン
ナンシー・ウィルソンもアルバム〈But Beautiful〉で歌っていました。
ソフィー・ミルマン
ロシア出身で現在はカナダ在住の美人歌手ソフィーミルマンが歌っています。
ジム・ホール & ロン・カーター
ギタリスト、ジムホールとロン・カーターのデュオで演奏されたものです。
ジョー・ワイルダー
知る人ぞ知る魅力的なトランぺッターであったJoseph Benjamin Wilder (February 22, 1922 – May 9, 2014)のステキな演奏です。
ハンク・ジョーンズ (piano)
ウエンデル・マーシャル (bass)
ケニー・クラーク (drums)
ビリー・ホリディ
最後です。晩年のビリー・ホリディの歌唱を聴きたたいと思います。
トランペットのオブリガートはハリー”スィーツ”エディソン、サックスソロはベニー・カーター、ギターはバーニー・ケッセルでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。
少しシブい曲ですが、玄人好みのバラードでした。
ヴォーカリスト達の歌唱、そしてジョー・ワイルダーのようなトランぺッターの素晴らしい解釈の演奏を聴くと、この曲が「エリントン最高のバラード」と呼ばれるのも納得します。
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