ジャズ歌手、ジミー・スコットが病床で歌う映像は感動的:そしてその追悼盤 I Go Back Home
Youtubeを開くとこの画像が流れました。
衝撃的でした。
Contents
病床でジョー・ぺシと
まず何の先入観も無しに、この映像を見て頂きたいと思います。
曲は〈Nearness Of You〉です。(邦題は「あなたの面影」でしたよね?)
ジミー・スコット:Jimmy Scott、1925年7月17日―2014年6月12日 88歳没
あるいはこれは何なのだ?と思われたかもしれません。
おじいさんなのかおばあさんなのか、分からないと思われた方もいるでしょう。
横にいるジョ-・ぺシは様々な映画に出演して個性的な演技をしている、背が低い俳優さんですね。
この映像は下に書いている〈I Go Back Home〉というCDのPVです。
ペシとのデュエットはCDで完全な形で聴くことができます。
ジョー・ペシ
●ジミー・スコットについては少しは知識がありました。
以下のような知識です。
・ホルモンの異常の病気のせいで声変わりしていない歌手。
・従って声だけを聴いたら男か女か分からない。
・おそらくは男でも女でもない第三のジェンダーの人ではないか(と思っていました)
正直に書きます。
いわゆるキワモノと思い、真剣に聴く気にはなれないで、今日まで来ていました。2014年に亡くなっていたことも知りませんでした。
しかし、映像(と音)の力は凄いですね。この映像に一目で引き込まれました。
病床で、おそらくはもう余命も少ない状態で、このように歌えるということは一体どういうことでしょうか?
・神様は一体どんなマジックを彼に与えたのでしょうか?
・またはどんな試練を彼に与えたのでしょうか?
死の床でこのように歌った人がいたでしょうか?
もはや性別を超えて、人が歌うということの本質的な姿を見る思いです。
ぺシの言葉”What makes him so special!!”
●ネットでジミー・スコットを調べると「ホルモンの異常のため変声しなかった」とだけ書いてありますが、もっと深刻な悩みの中に生きた人だと思われます。
ジェンダーの問題は複雑であり、軽々しく書くべきではないと思いますので、これ以上の詮索や想像は控えたいと思います。
ただジミー・スコットの人生が平坦な道ではなかったであろうことだけは、書き留めておきたいと思うのです。
ホルモン異常のために病気がちであったとの記述はありました。
アンチェインド・メロディ
◎もう少し若いころの歌唱を聴いてみたいと思います。
好きな曲 〈Unchained Melody〉です。
この様に声を聴いただけでは、むしろ女声と思われる歌声でした。 歳を取って、少ししわがれ声になって男声の方に近づいたようです。
しかしそのような事柄を超えて感動的な歌唱です。
そして美しい声ですね!
この歌は↓のアルバムで聴くことができます。
◎最初の動画で周りのスタッフが感極まっている様子が撮られています。
このように何でも商売の道具にしてしまう、アメリカのビズの在り方に疑問を感じられる方もいるかもしれませんが、
それはそれ、これはこれです。(良くも悪くもそれがアメリカです)
こうして感動的な歌を目にし、耳にできることを喜びとしなければならないと思います。
ジミー・スコット・トリビュート・アルバム”I Go Back Home”
2014年に亡くなった後、このようなトリビュート・アルバムの企画が持ち上がったようです。
⇩”I Go Back Home” です。 ジミーはホームに帰って行ったのでしょう。
2017/01/27 に世界同時発売されたそうです。
日本Amazonでは現在2~3ヶ月待ちとなっていますが、輸入盤なら直接USに頼めば手に入るようですよ。
このアルバムから現代の白人サックスではピカイチのボブ・ミンツァー,そして歌の巧さでNo.1のディー・ディー・ブリッジウオーターの歌唱で
〈For Once In My Life〉を! これも感動的な歌唱です。素晴らしいです。
ディー・ディーが歌の中で何度も「ジミー」と呼びかけます。
この動画に付いていた、このアルバムに対するキャプションを英語のまま転記します。
This is Jimmy Scotts very last record – Many of the most talented musicians of the worldwide jazz scene are paying tribute to him on this Album: // Dee Dee Bridewater, James Moody, Kenny Barron, Peter Erskine, Arturo Sandoval, Joey DeFrancesco, Monica Mancini, Till Brönner, Oscar Castro Neves, Bob Mintzer, John Pisano, Renee Olstead, Martin Gjakonovski, Hans Dekker, Michael Valerio, Gregorie Maret, the legendary HBR Studio Symphony Orchestra are guests and even the actor Joe Pesci got two songs with Jimmy Scott.(マーカーと下線:筆者)
*この↑メンバーの凄さは驚きです!
(ジェームス・ムーディはまだ生きていたのですね。それにしても本当に世界中から集まっていますね)
ジミーがそれだけの、アーティストだったということでしょうね。
◯このアルバムについて書きました。
ジミー・スコットの追悼盤・I Go Back Homeを聴く ⇨
まとめ
うまくまとめられませんので、あと2曲聴くことにします。
どちらも素晴らしい歌唱なので。
My Foolish Heart
●Master Jazz Vocalist ”Little” Jimmy Scott Sings The Classic Tune from his Album ‘All The Way ‘ ( circa1986 ー61歳時です)
というキャプションが付いている〈My Foolish Heart〉を聴きましょう。
Jealous Guy
ジョン・レノンの曲「ジェラス・ガイ」
◎どちらの曲もジミー・スコットが歌うと、原曲にさらに別の意味が加えられるような歌唱だったと思います。
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