I’m A Fool To Want You 恋は愚かというけれど シナトラが歌い、ビリー・ホリディが歌い、チェット・ベイカーが歌った恋の歌

この曲 恋心を歌った歌として有名です。
直訳すると
「あなたを欲しがるなんて馬鹿な私」とでもなりますか。
この歌詞 何とフランク・シナトラが作り自分で歌ったということです。
もう少し正確に書くと既存の曲にシナトラが手を加え自分好みに変えて歌ったとのことです。
当時シナトラは女優のエヴァ・ガードナーに恋をし、1951年に離婚をしてエヴァ・ガードナーと結婚しています。その後また離婚することになるのですが。
この曲にはその辺りの事情が反映されていることは間違いないでしょう。
そして
さらにビリー・ホリディに歌われることになり、スタンダード・ナンバーに成長しました。
Contents
フランク・シナトラ
という訳でまずシナトラの歌唱を聴かない訳にはいきません。
訳詞
君をほしがるなんて僕は愚か者だ
僕は君をほしがる愚か者さ
本当に実を結ぶことがない愛を求めるなんて
みんながほしがっている恋人を望むなんて君を抱こうとするなんて僕は愚か者だ
僕は君を抱こうとするほど愚か者さ
僕だけのものでないキスを求め
悪魔さえ知っているキスをしたがるなんて何度も何度も君と別れると僕は言った
何度も何度も僕は去って行った
でも、君を必要なときがきて
また僕はこの言葉を言わなければならない君をほしがるなんて僕は愚か者だ
僕は君を必要とするなんて哀れだ
間違っているのはわかっている、きっと間違っている
でも、正しいとしても、間違っているとしても
僕は君なしでは生きていけないんだ・・・作詞:フランク・シナトラ(Frank Sinatra)
ジャック・ウルフ(Jack Wolf)
作曲:ジョエル・S・ヘロン(Joel S. Herron)
1951年ーーー引用元:https://plaza.rakuten.co.jp/xxjazz/diary/200612120000/
ビリー・ホリディ
ビリー・ホリディが亡くなる前年1958年の哀切なアルバム〈Lady In Satin〉の1曲目で歌われていました。
晩年のホリディには別格の表現がありました。それは良し悪しを超えて、聴く人の心に沁みるものだと思います。
チェット・ベイカー
Chet Baker (1929年12月23日 – 1988年5月13日)
チェトはこの曲を何度か歌っています。
死の前年の’87年の来日公演でも(昭和女子大、人見講堂)歌っています。
これ⇩はヨーロッパ録音です。ベースがニールス・へニング・オルステッド・ぺデルセンだと思われます。
チェトは歌った後にトランペットを吹く点が素晴らしいのです。(サッチモと同じですね)
●何と死の一カ月前のライブ動画がありますので、それを観たい(聴きたい)と思います。
ドイツ、シュトゥットガルトでのライブ。April 1st, 1988
ケニー・バレル
インストルメンタル演奏を聴きましょう。
ケニー・バレルのギターが深い音楽世界を表現します。バレルはこの曲を好きであったろうことは想像できます。素晴らしい演奏です。
ケニー・バレル:ギター
リチャード・ディヴィス:ベース
ロイ・ヘインズ:ドラムス
アート・ファーマー
インスト、二人目はペットのアート・ファーマーです。
ファーマーは朴訥な感じで感情過多ではない演奏なのですが、その素直さがまたこの曲の良さを表現していると思います。
pianoはトミー・フラナガン。’60年録音。
ドナルド・バード
果たしてドナルド・バードにこの曲は合うのかと懐疑的でしたが、失礼しました、立派な演奏です。
Donald Byrd – tp, Pepper Adams – bs(この曲では抜ける), Herbie Hancock – p, Butch Warren – b, Billy Higgins – drums Recorded September 21, 1961
デクスター・ゴードン
トランペットが多かったのでテナー・サックスも聴きます。
デクスター・ゴードンはいつもゆったりとスウィングするので、このようなバラードも得意です。
デクスターのバラード集・コンピレーションアルバム↓
こちらがオリジナル・アルバム
ヘレン・メリル
最後はまたヴォーカルで終わります。
「ニューヨークのため息」と呼ばれたこともあるヘレン・メリル。
情感を込めて歌います。
まとめ
名曲 I’m a fool to want youをヴォーカルを中心にインストルメンタルの名演も併せて聴きました。
他にもあったのですが、筆者判断で選ばせて頂きました。
名曲には必ず名唱、名演がいくつも生まれるものですね。
最後まで付き合って下さって、ありがとうございました。
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