サド・ジョーンズThad Jones:忘れてはいけないトランぺッター、作曲家、バンドリーダー
サド・ジョーンズ(Thad Jones,1923年-1986年、享年63)
ジョーンズ3兄弟の次男、兄はピアノのハンク・ジョーンズ、弟はドラムスのエルヴィン・ジョーンズとうトンデモない兄弟!
しかしサドもトランぺッターとしても凄かったし、作曲者としても数々の名曲を書いている事実を忘れてはいませんか?そしてビッグバンドリーダーとしての活躍も。
作曲家としてのサド・ジョーンズ
あの名手トミー・フラナガンが
Let’s (play the music of Thad Jones) というアルバムを出しています。
サドが作った曲だけを集めたピアノアルバムです。
サドがそれくらいの作曲者だったということですね。↓
一番よく知られている曲は〈A Child Is Born〉でしょうか?
ここでは〈Scratch〉という曲を聴いてみましょう。
どうですか?いい曲ですよね。
トランぺッター、サド・ジョーンズ
もうね。好きなサドの演奏をかけちゃいます。
■サドの才能をいち早く見出し高く評価していた、チャールズ・ミンガスが、自らが主宰していたdebut レコードに吹き込ませたアルバム〈The Fabulous Thad Jones〉1955 からコール・ポーターの名曲〈Get Out Of Town〉です!
サドのトランペットの深みを感じていただけたでしょうか。
この曲の持つ寂寥感のようなものが見事に表現された演奏です。
名曲の名演です。
ちなみにベースはミンガス、ドラムスはマックス・ローチです。
■次は1956年のBLUNOTEのアルバム〈The Magnificient Thad Jones Vol.3〉でのバラード演奏を聴きましょう。
サドの歌うようなトランペット・プレイです。
クリフォード・ブラウンでさえ、このようなバラード演奏はできなかったと思います。
(クリフォードは天才ですが、屈託というものがなく、従って深みに欠けます。--25歳で亡くなった天才トランぺッターにそれを求めるのは酷というものですね)
曲は〈I’ve got a crush on you〉です。
Thad Jones – trumprt
Barry Harris – piano
Percy Heath – bass
Max Roach – drums
■そして、同じ’56年のアルバム〈Detroit-New York Junction〉から、先ほどトミー・フラナガンがやっていた〈Scratch〉を本家の演奏で聴きましょう!
このメンバーがまた素晴らしい。
Thad Jones (trumpet)
Billy Mitchell (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Kenny Burrell (guitar)
Oscar Pettiford (bass)
Shadow Wilson (drums)
トランぺッターとしてのサド・ジョーンズの素晴らしさの一端でもわかっていただけたでしょうか?
●私はこれらのCDを単体でもっているのですが、今はこんな4枚組ボックスでほとんど聴けてしまうのですね。↓いい時代になったものです。
バンドリーダー、サド・ジョーンズ
1960年代半ばからはドラマーのメル・ルイスと共に、サド・ジョーンズ=メル・ルイスというビッグ・バンドを立ち上げます。
もともと作曲・編曲の才能があったので、このようなビッグバンドを持つことが夢だったのでしょう。
これはもう動画で見ていただきたいものです。
颯爽とコンダクトするサドの雄姿が超かっこいいです!
途中でペットも吹くし。
ピアノにはローランド・ハナを迎えています。
1970年のサド=メル バンドでした。
まとめ
駆け足でサド・ジョーンズという多才な人の足跡を辿りました。
3兄弟の中では63歳と早く亡くなりましたが(兄ハンク・ジョーンズは90代まで生きましたからね)それでも納得のゆく活躍をしたといえるのではないでしょうか?
忘れられないジャズマンの一人でした。
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