エスペランサ・スポルディング:話題の歌う女性ベーシストの演奏を聴いてみよう
↑画像出典:http://amass.jp/92007/
エスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding , 1984年10月18日生―オレゴン州ポートランド出身)が話題です。
ベーシスト&ヴォーカリスト。
女性ベーシストで歌う人と言えば先行したニッキ・パロット(オーストラリア出身)がいました。
しかし、ニッキはいまいち伸び悩んでいるようです。
エスペランサはもう少し感覚が新しいようで、すでに相当の人気を獲得しているようですね。
主にジャズ・ベーシスト、歌手として知られているが、その音楽ジャンルは多岐に渡る。
ーーーーWikipedia
Contents
ライブの演奏を動画で
まず、彼女の演奏(ベースと歌)を動画で見てみましょう。
アコースティックベースとエレクトリックベースの2つを選びます。
What A Wonderful World
誰でも知っているこの曲を演奏しています。
ベース音がうまく捉えられていない感じですが、実は他の動画もCDと違って、ほとんどうまくアコースティック・ベース音を獲れていないものが多いです。
それはともかく、テナーサックスは、ジミー・ヒースです。(1926年生まれ、ベーシストのパーシー・ヒースは兄、マイルス・バンドにいたエムトゥーメは息子)
2012年のライブ映像です。
I Know You Know
続いてエレクトリックベースを弾いている映像。
2009年スペインのサンセバスチャンでのライブ映像です。
この曲はセカンド・アルバムに収録されていた曲です。
On The Sunny Side of the Street
最も新しい映像(2016年)です。
オバマ大統領夫妻の前での演奏です。
スタンダードナンバーを演っています。
CD
エスペランサは2006-2012の間にリーダー作として4枚のアルバムを出しています。
1.Junjo
2.ESPERANZA
3.Chamber Music Society
4.Radio Music Society
1枚目 Junjo
筆者はやはりCDでじっくり聴かないと判断できない習性(?)があるもので、ファーストアルバム〈Junjo〉を聴きました。
そして改めて驚きました。
1.動画で見ていた以上にベースが本格的です。レイ・ブラウンを思わせるようなしっかりしたベースです。
2.このアルバムではヴォイスでスキャットなどはやっていますが、本格的に歌ってはいません。だから歌手としての判断はできませんでした。
3.このアルバム、ピアノトリオなのですが、
ピアノの Aruán Ortiz (1973年キューバ生れ)
ドラムの Francisco Mela (1968年キューバ生れ)
も素晴らしいのです。
1曲聴いてみましょう。〈The Peacock〉
2枚目 ESPERANZA
こちらのセカンド・アルバムでは本格的に歌っています。
聴きましょう。
〈Cuerpo y Alma [Body & Soul]〉
そしてやはり、ピアノとドラムスが凄くイイ。アルバムを通して聴いてジャズ的興奮を覚える瞬間が何度もありました。
これは売れる(人気が出る)はずだと思いました。
外見も人気が出る要素を備えていますね。
4枚目 Radio Music Society
わかったフリをしてもしょうがないので、おじさんは正直に書きますが、
「ちょっと、ついていけません」
Wikipediaに書いてあった彼女の生い立ちと血のことを思い出しました。
オレゴン州のポートランド近郊のキングに育ったスポルディングであるが、自身の告白によると「ゲットー」的な「ちょっと怖い」場所だったという。母親はシングルマザーとして彼女と彼女の弟を育てた、勤勉な女性だった。
アフリカ系アメリカ人、ウェールズ及びスペインの血を引き、「ウェールズ、ヒスパニック、ネイティブ・アメリカンにアフリカからの古いルーツを加えた」多様な民族的遺産を受け継いでいるという。ーーーーWikipedia
◎彼女の環境や身体に流れている血が、ごく自然にこのような音楽を生んでいるのでしょうね。
まとめ
ファースト・アルバムとセカンド・アルバムと聴いた時点では、すごく期待したのですが、その後の3,4枚目はよく理解できません。
スポルディングがやりたい音楽と、わたし(ないしはわたしと同じようなジャズが好きなおじさん)が期待する音楽が違うようなのです。
それは仕方のないことで、文句を言う筋合いはありません。
もう少し長い目で見るべきでしょうね。
何しろベースの腕は間違いないし、普通にジャズをやれる人ですから。