ボズ・スキャッグスの完全ジャズアルバム、But Beautiful は見事な仕上がり
ボズ・スキャッグスといえばドナルド・フェイゲンなどとともにAOR:Adult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)の旗手という認識でした。
しかし、紹介する2003年のアルバムBut Beautiful は完全ジャズアルバムとしてジャズファンも納得のアルバムに仕上がっています。
Contents
ボズの基本情報
1944年6月8日生まれ
ヒット曲で最も有名なのは
We Are All Alone
Slow Dancer
あたりでしょう。
アルバムではこれですね。
We Are All Alone を聴きましょう。
この曲は大ヒットでしたね。’70年代でした。懐かしいです。
But Beautiful というアルバム
さて本題のこのアルバムです。
完全ジャズアルバムと書きましたが
その理由は
1.ジャズのスタンダードナンバーだけを歌っている。
2.バンドがカルテット(サックス、ピアノ、ベース、ドラムスの四重奏)編成である。
の2点です。
◎曲目は次の11曲です。
・Eric Crystal エリック・クリスタル:サックス
・John Shifflett ジョン・シフレット:ベース
・Jason Lewis ジェイソン・ルイス:ドラムス
Never Let Me Go
●ボズの歌い方、声はAOR出身の人という雰囲気は残っていますが、
ジャズが好き!という気持ちがジャズ・ヴォーカルになっています。
そしてバックバンド(カルテット)が素晴らしいです。
よくポップス系の人がジャズをやる時に、まずストリングス入りオーケストラなどを使うことも多いのですが、これは完全にジャズの伴奏です。
プレイヤーは知らない人ですが、聴く限りちゃんとしたジャズ・ミュージシャンですね。
いわゆるアドリブなどはしないので、ハードなジャズではないのですが、よくアレンジして、きっちりとしたジャズ・アルバムに仕上げています。
この曲ではサックスがいい味です。
For All We Know
大好きな曲 For All We Know もちゃんとやっていてくれています。
この曲、ビリー・ホリデイの時代からさまざまなジャズアーティストがやった曲です。
最近ではジミー・スコット⇨の絶唱も印象に残っています。
モダンな曲想なので、クラプトンやロッド・スチュワートも歌っていました。
●この曲でのボズは、もう文句のないジャズ・バラード・シンギングですね。
繰り返しますが特別なことはしていないのですが、きっちりJAZZを演奏するバックバンドが好感が持てます。(こういうミュージシャンがアメリカにはたくさんいるのですね)
ボズ・スキャッグスは昔からジャズが好きで、ジャズを歌いたかったのだろうなーと感じさせます。
My Funny Valentine
3曲目はMy Funny Valentineです。
(この曲のために日本盤を買うべきですね)
●どこで書こうかと思ったのですが、ボズはチェット・ベイカーが好きでたまらない人だと思います。
この曲、もちろんチェット・ベイカー⇨の歌唱が一番有名です。
一つ一つの言葉を噛みしめるように丁寧にボズは歌っています。
ボズ・スキャッグスいい歌唱です。
まとめ
ボズのアルバム but beautiful にスポットをして
そのアルバムから3曲を聴きました。
アメリカではポップスやロック系の人が、ある程度歳を取るとジャズのアルバムを出すことが多いようです。
例えば(私が知っているのでは)リンダ・ロンシュタット、バリー・マニロウ、ロッド・スチュワートなどがありました。
しかし、このボズは本当にジャズが好き!という思いが伝わるアルバムでした。
*バリー・マニロウのジェリー・マリガンと共演したアルバム(Paradise Cafe,Swing Street)もいい出来でした。
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