オバマ大統領広島訪問の意味:伊勢志摩サミットの前夜、日米共同会見の場でアメリカの女性記者が発した質問は愚劣なものだった
伊勢志摩サミットに先立って、今夜(5月25日)オバマ大統領と安倍首相の会談が行われ、その後共同記者発表があった。
そもそも論だが、この会談は当初予定されたものではなかった。
ところが、沖縄であのような事件(アメリカ軍属による女性殺人事件)が起こったため、安倍首相からの要望で、ヴェトナムから到着したばかりのオバマ大統領とこのような会談がもたれることになったと報道されていた。
真実かどうかは知らないが、当初オバマ大統領は乗り気ではなかったが、キャロライン・ケネディ駐日大使の口添えがあったとも聞いた。
今回オバマ大統領はアメリカの大統領として、初めて広島を訪問することも表明していた。
そういう中でかなり緊急的に持たれた記者会見だった。
オバマ大統領、安倍首相の発言内容は横に置くとして、
記者質問でアメリカの新聞社(社名は聞き逃した)の女性記者が質問をした。
オバマ大統領が「クリスティ」と呼んでいたから、それが彼女の名前で、旧知の記者なのだろう。
サミット前夜に何故この緊急的会見が持たれたのかをわきまえない、まるでアメリカ国内でオバマ大統領に質問しているかのような質問内容(ドロ-ンのことなど)にうんざりしながら聞いていたのだが、問題は最後の安倍首相に対するする質問だった。
「今回オバマ大統領は広島を訪問されますが、安倍首相、あなたは真珠湾を訪れる気はありますか?」
「パールハーバー」という言葉が出た時、最初聴き間違いかと思った。
さすがにオバマ大統領も、あなたの質問に答える前にと言って、沖縄事件への深い哀悼と遺憾の意を重ねて述べた。オバマ大統領の対応はこれで精一杯だったと思う。
安倍首相は「ハワイを訪れる気はない」とシンプルに答えていた。
この女性記者、アメリカの大新聞の記者なのだろうが、やはりこのような考え方がアメリカ人を代表するものなのか・・・と失望せざるを得ない質問、発言だった。
プラハ演説をしたオバマ大統領にも礼を失している。
いったい何のための広島訪問だと思っているのだろうか。
【戦争を始めた真珠湾攻撃、戦争を終結した広島、長崎への2発の原爆】どうせそんな認識なのだろう。
アメリカで進行中の大統領選では、ドナルド・トランプ氏がその過激な発言で暴言王と言われているが、この記者の礼を失した発言などは常識内というのがアメリカの現実かと思わされた。
私が見ていたNHKでは会見終了後のスタジオでの解説でも、この記者の発言の件については触れなかった。(そりゃそうでしょうね)
まあ、無視ということが一番良い対応なのだろうが、それにしても情けない話だ。
*この記者は「シカゴ・トリビューン」ではないかとの情報がありました。(未確認情報です)