4月4日のプレバト・特待生だけのスペシャル「2019春光戦」制したのはフルポン村上健志
【全ての画像は番組HPより引用】https://www.mbs.jp/p-battle/
新年度になって初回のプレバトは
特待生だけのスペシャル 「2019春光戦」
お題は
予選が「春の鮮魚店」
決勝が「コーヒー」
Contents
出演者
【予選】
・三遊亭円楽
・立川志らく
・千賀健永
・千原ジュニア
・鈴木光
・ミッツ・マングローブ
・大和田獏
・岩永徹也
この8人の中から上位3人が決勝に進む。
【決勝】
予選から上がる3人を待ち受けるのは名人6名
・梅沢富美男
・東国原英夫
・藤本敏史
・村上健志
・横尾渉
・中田喜子
2トップとはもちろんこの2人
予選
お題は「春の鮮魚店」
6人の名人たちが余裕綽々で見つめる。
2位 千原ジュニア
壺焼きの 壺傾きて ジュッと鳴る
⇩
直し無し
先生:淡々と描写するだけで、こういう句ができる。
説明したくなるのを避けて「ジュッと鳴る」と表現する、俳句はこれでいい。
「壺焼き」が季語。
7位 大和田獏
恋猫よ 魚屋さんも 素通りか
⇩
魚屋を 素通り 恋猫の恋路
先生:恋と魚屋がありがちというかサザエさん的。
この句の問題点は語順。
この場合は魚屋さんから始めた方が得。そうすればベタな感が薄まる。
さらに恋、恋と畳み掛ける。
想像を掻き立てる語順にする配慮(テクニック)。
6位 三遊亭円楽
これ頂戴 鰆の値札 舐める猫
⇩
振り向けば 鰆の値札 舐める猫
上目遣いに 鰆の値札 舐める猫
藤本名人:サザエさん、ですねー。愉快だなー、ですね。
先生:「これ頂戴」を活かすのか中7、下5を残すかの2択になる。
中7、下5を残して、上5を添削のように変えるだけで、映像化できて、より伝わる句となる。
3位 千賀健永
ぽこぽこと 酒に口割る 蛤ら
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直し無し
東国原:擬人化が成功している。楽しい感じで、ジャニーズぽくない。
先生:擬人化は成功した時と失敗した時の落差が大きいものだが、これは単純な擬人化に見えるが、きちんと描写ができている。
5位 岩永徹也
春ぼこり 固定電話の 指の跡
⇩
魚屋の 電話機 春埃の指跡
村上:電話のことをわざわざ固定という必要があるか?
先生:字余りとしても場所の情報をキチンと足した方が良い。
ほこりを漢字とする。
8位 ミッツ・マングローブ
起き出でて 浅瀬へ店へ 乗込鯛
⇩
乗込鯛 跳ねて華やぐ 店先よ
ミッツ:乗込鯛が春の季語。
東国原名人:多分ミッツは才能があるのに、俳句がついていってない。
先生:勉強したのは分かる。勢いを出したかったのも分かるがこれは強引過ぎる。
季語を説明しない。
ミッツさんはすごいものを持っていると思うのだがその引っ張り出し方が問題。
4位 立川志らく
ジョンレノンを 聴く魚屋 目借時
⇩
ジョンレノン 聴く魚屋の 目借時
目借時:ウトウトと眠たい春の時候の季語。
梅沢名人:なんてことをする!何故「を」を入れたのよ!
先生:おっちゃんの言う通り。それをやっていたら「蛤」に勝っていた。
(せっかく3つの要素を並べたのにこれではリズムが悪い。)
*「を」を消して5・7・5の調べにするだけで、いい句に変身。
これに気づかない志らくさん、残念ですね。ーーー筆者
1位 鈴木光
昼網や 明石メバルの ピチカート
⇩
直し無し
先生:これは様々な配慮をしている句。
昼網だとまだ分からないのだが、次に明石という地名が出る。(読み手に与えるヒントとなっている)
最後ピチカートという比喩でスポンとはまるし、映像も見える。
メバルという季語をカタカナで書くことを嫌う人もいるだろうが、ここは重くなりすぎないように、またピチカートとの対応で敢えてカタカナにしている配慮と分かる。
(ピチカートはヴァイオリンを指で弾く奏法)
これで予選を勝ち抜き決勝へ進むのは
鈴木光、千原ジュニア、千賀健永 の3人となりました。
決勝
お題は「コーヒー」という意表をつくお題。
2位 東国原英夫
缶コーヒー 啓蟄の つちくれに置く
⇩
直し無し
先生:実に上手い。光景、場面、動作が描かれ、手の感触までありありと浮かぶ。俳句はこれでいい!
8位 中田喜子
8位と言われ「殺人現場を見たような顔」をしたと言われる中田。
焙煎香ふんぷん 春陰を飛ばす
⇩
焙煎の 香の立ち 春陰を飛ばす
先生:春陰を飛ばす という発想を褒めたい。オリジナリティのある発想。
ところが前半(ふんぷん)が悪目立ちしている。
添削のように前半を控えめにすると、後半の大胆な発想も生きる。
7位 藤本敏史
卒業の コーヒー少し 酸っぱくて
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卒業の コーヒー酸っぱくて 泣ける
卒業の コーヒー酸っぱくて 笑う
三遊亭円楽:すっぱい作?
先生:3音をおろそかにしない。「少し」の3音は無くても成り立つ。
それを別の表現として使う。
6位 千原ジュニア
ふらここを 待つ我が子見つ 飲むコーヒー
⇩
ふらここを 待つ吾子見つつ 飲むコーヒー
ふらここを 待つ子を見つつ 飲むコーヒー
千原:ふらここ(ブランコのこと)この季語を是非使いたかった。
鈴木:「見つ」は文法的には「見つつ」ではないのか。
先生:鈴木の言う通り。見つつとすると字余りになるので、我が子を吾子とすれば良い。
しかし動詞を3つもいれてせわしなくなりそうなところが、時間がゆったりと流れていることは強く褒めたい。優しい句。
5位 鈴木光
馬の仔の 立ちて十勝の 缶コーヒー
⇩
馬の仔の 立ちて未明の 缶コーヒー
馬の仔の 立ちて獣医の 缶コーヒー
東国原名人:いい句です。しかし「公式」とか「法則」には限界がある。
先生:一番強いのは経験のリアリティ&オリジナリティ。酪農の視点に立ったところに少し無理があったか。
悩みどころは十勝という地名。予選の明石はちゃんと機能していたが、この十勝は牧場の気分を入れただけという印象がある。
この3音をもっと具体的なイメージを喚起する言葉を入れると良くなる。
3位 横尾渉
リハ室の コーヒー苦し 八重桜
⇩
直し無し
先生:「リハ室」は省略だが日常的に呼んでいる言葉と分かる。
一番褒めたいのは最後の季語が「八重桜」
読み手はゆっくりと想像できる。
9位 千賀健永
カフェ色の 濁流を吐く 春の山
⇩
春山が 吐く濁流の 珈琲色
梅沢名人:春の山は雪解け水だから、そんな色にはならない。
先生:やろうとしたことが悪い訳ではない。
しかしカフェは無い。
春の山から始めた方が良い。コーヒーはこの場合漢字で書く。
4位 梅沢富美男
鷹鳩と化す カフェオレの 白き髭
⇩
直し無し
先生:「鷹鳩と化す」という難しい長い季語をうまく使っている。
季語の重量感にバランスする言葉選びは難しい。髭はやや陳腐か。
1位 村上健志
サイフォンに 潰れる炎 花の雨
⇩
直し無し
梅沢名人:負けました。
先生:「サイフォンに潰れる」と見て一瞬「えっ?」と思わせる。
それが「炎」と知って映像が浮かぶ。詩的な表現だけど映像を浮かばせる。
そして「花の雨」という美しい季語が現れる。
五感全部をゆっくりと刺激しながら時間と空間が出てくる見事な句。
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●惜しかったミッツ・マングローブのコーヒーの句
夏井先生がどうしても世に出したいと紹介。
先生:決勝に残っていたら2位、3位に入っていた。
季語「春尽く」の位置が素晴らしい。
まとめ
鈴木光が尊敬しているというのが予言のようになりました。
村上健志 が初めて タイトル戦を 制しました。
●おめでとうございます。