ウェイン・ショーターというサックス奏者の真実ーー名盤はどれ?

      2017/03/19

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最初にお断りしますが、私はウェイン・ショーターというサックス奏者のよき理解者ではありません。

どちらかと言えば「何か分からん人やなー」「何を考えているのか分からないプレイヤーだな」という思いを持っていました。

*これは文の趣旨とは余り関係ないことですがショーターは創価学会員としても有名です。

ショーターの好きなアルバムーマイルス・バンド時代

とは言え、もちろんショーターの演奏を聴いて「すげぇな!」と思ったことはあります。

例えば・・・マイルスデイビス・クインテットにいたころの演奏、
1967年のヨーロッパ・ツアーの演奏などは好きですし、凄みのようなものも感じます。

このDVDなどがそうです。

この頃のマイルス・バンドはモードジャズを極限まで追い求めていた時代と言ってよいでしょう。
ショーターの演奏もある種過激です。「モードジャズの極北はフリージャズだった」と気付く直前まで行っている気がします。

しかしショーターという人は、良くも悪くも冷静な人だというのが、私の意見であり、この文の趣旨でもあります。

●同じくマイルス・クインテットでの4枚のスタジオ録音盤も好きです。

マイルス・スマイルズ

ESP

ソーサラー

ネフェルティティ  の4枚です。

特に「マイルス・スマイルズ」(1966)はショーターが作った曲〈FOOTPRINTS〉 〈ORBITS〉などが入っていて、面白いアルバムだと思います。

 

●マイルス・バンドにショーターが参加した最初のアルバム「マイルス・イン・ベルリン」(1964)も興味深いアルバムで、好きです。

やはり1曲聴きましょう。そのIN BERLIN からマイルス・バンドの代表曲〈Milestones〉です。

piano―ハービー・ハンコック
bassーロン・カーター
drumsーアンソニー・ウィリアムズ   です。

すごいですねー。どこに文句のつけようがあるでしょうか。

ショーターも参加したばかりで張り切ってソロを取っています。(周りが凄いから、おっとり構えてはいられない!という感じに聞こえます)

もう少しショーターの演奏を追及してみましょう。

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余りピンとこない、マイルス・バンド以前の演奏

ショーターはマイルスのバンドに入る前は、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに在籍していました。

その頃の演奏は記憶に残るものがほとんどありません。

「そんなことはないーー〇〇〇の演奏がイイ!」と言われる方もいらっしゃると思いますが、私はショーターの、若いのにどこか達観したような、若年寄のような演奏が心に響いた記憶がないのです。

思えばその傾向は初リーダー・アルバムであった〈Introducing Wayne Shorter〉(1959)の時から感じていました。

燃えない男・ウェイン・ショーター=というのがこの頃のショーターの印象です。
(おそらくショーターのメッセンジャーズでの役割はソロイストというより、音楽監督、曲提供者という役割が大きかったのでしょうか)

 

*ショーターはマイルス・バンドに入って正解でした。一皮むけたからです。
やはりマイルス・ディヴィスという人ただ者ではないです。

BLUENOTE のショ―ター

ところがそのショーター、マイルス・バンドにいた時代に、マイルスから離れてBLUENOTEレコードに何枚かの吹き込みを行っています。

マイルス・バンドを脱退(1967)したあとにも録音していますので、都合10枚ほどあるのではないでしょうか。前述のように私は熱心にショーターをフォローしていた訳ではありませんので、知らない盤もありますし、全部聴いている訳でもありません。

しかし、次の3枚は記憶に残るアルバムです。

1.Night Dreamer (1964)

2.Juju (1964)

3.Speak No Evil (1964)

正確に言うと1.2.はマイルス・バンドに入る直前の録音です。

特筆すべきは

●1.2.のメンバーですがジョン・コルトレーン・カルテットのリズム・セクションです。すなわち

マッコイ・タイナー(ピアノ)

レジ―・ワークマン(ベース)—1964年時点ではJ.C.Qのベースはジミー・ギャリソンですが。

エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)

なのです。

ショーターはコルトレーンのことを同じソプラノ/テナーサックス奏者として、強く意識してはずです。

コルトレーンとは違う演奏をしたいと思っていたと想像します。
*もっと言えば、この後1967年に音楽との格闘のうえに討ち死にしたようなコルトレーンとは違う「生き方」をしたいと考えていたような気がします。

●上記3枚のレコードには6~7曲づつ収録されていますが、その全ての曲をショーターが自作しています。3枚全部というのは(当時としては)ちょっと珍しいかもです。

*日本の女性歌手でJuJuという人がいますが、彼女はこのウェイン・ショーターのアルバムから名前を取ったと言っています。

●この3枚のアルバム、人気が高く、未だにショーターの代表作と言える位置にあるようです。

私も好きです。ソロイストとしてのショーターを聴けるからです。

特に1.Night Dreamerの(LPレコードで言う)B面、3.Speak No Evilが好きです。
(3.ではピアノがハンコック、ベースがロン・カーターになります。ドラムはエルヴィンのままですが) 

もっと後のBLUENOTE盤には「アダムス・アップル」「スキソフィリーニア」とかもありましたが、省略です。

◎この文、論理が破たんしそうです^^。何が言いたいのか分からなくなりそうで・・・

◇私が言いたいことをまとめると次の3点なのです。

.ソロイストとしては「燃えない」演奏がジャズらしくないサックスだ。
.マイルス・バンド在籍時、及びその時期のアルバムは一味違っていい演奏をしている。
.巨人コルトレーンを強烈に意識せざるを得なかった。コルトレーンとは違う方法論を追及したサックス奏者だ。

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伴奏者、他の人のアルバムでのショーター

クールな(冷めた)吹きかたが多いショーターが、伴奏者になった時にその特質が生かされる場合があります。

カナダ出身の個性的な歌手、ジョニ・ミッチェルのアルバム〈Both Sides Now〉 で、彼女の自作曲〈Both Sides Now〉の伴奏をショーターが吹いています。

2分50秒あたりから入り始めるソプラノサックスです。

これは実に効果的です。このようなバッキングの演奏は出来そうでなかなかできるものではありません。思わぬショーターの真価がこんなところに現れたと感じます。

他でも、例えばハービーハンコックのアルバムなどでも、この様な演奏があったと思います。

ウエザー・リポート でのショーター 

Weather Report というバンドの演奏は余り聴いていないので、語る資格はないのですが、ここでのショーターはどうだったのでしょうか?

特筆すべきことは無いのではないでしょうか。(このバンドではザビヌル=ヴィトウス=ジャコのほうが話題になったようです)

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Beyond the Sound Barrier

さて、時代は流れました。

その間にもショーターはいくつかの話題作は作ったと思います。

私が行き当たったのはこのアルバムです。

Beyond the Sound Barrier(2002-2004)

このジャケット・デザイン!

自分より若い世代のメンバーたち

Wayne shorer-tenor and soprano sax
Danilo Perez-piano  (ダニーロ・ぺレス)
John Patitucci-bass  (ジョン・パティトゥッチ)
Brian Blade-drums (ブライアン・ブレイド)

ショーターは新しい感覚という意味では、若い人に負けないセンスを持った人なので、ここでは自由に自分のやりたかった音楽をやっているという印象があります。

新しいショーターのアルバムではこれが気に入っています。

おわりに

ここまでウェイン・ショーターのことを書いてきて、
私はショーターを見誤っているのでは?という危惧があります。

あるいは全然違うショーター観があるような気がします。

(分かりにくい人だということは言えるでしょう。)

気になって書き終えた後で3人の人の本を見直しました。

ハイ!寺島靖国さんは全く無視ですね。というか興味ない、分からないのでしょうね。

取り上げられている55人の中に入っていません。
村上春樹さんは書こうと思えば書けたでしょうが、あまり意欲的にはなれないプレイヤーなのかも知れませんね。

菊地成孔はさすがに取り上げています。3枚も。

・Introducing Wayne Shorter
・JUJU
・Beyond the Sound Barrier    の3枚が紹介されていました。
(この3枚、私も言及しましたよね)

◎私が書いたことは私の個人的見解、そういう見方もあるんだ、という程度に参考にして戴ければ幸いです。

 

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