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読売新聞連載・大木トオル「犬とブルース」から名犬チロリ・人間を救う動物の力

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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読売新聞に連載されている「時代の証言者」というシリーズを愛読しています。

現在、連載中の記事は「犬とブルース・大木トオル」です。
もう26回も続いています。
*いつまで続くのだろう?そろそろ終わりそうな気配です。

読み始めたのが9回からで、初めのほうを読んでないのが残念なのですが、
9回以降では大木トオルのアメリカでの活躍、さまざまな有名ブルースマンとの共演などが大変興味深く描かれていました。

大木トオルのこと

1947年5月23日生まれ。

大木トオルという名前は知っていましたが、それほどアメリカで知られているミュージシャン、ブルースマンとは知りませんでした。

1曲聴きましょう。

アルバート・キングとの共演盤から〈I Got A Mind To Give Up Living〉です。

そして記事のタイトルが何故「とブルース」となっているのかが不思議でした。

9回目以前を読んでいないので、Wikipediaで調べました。

・1976年に渡米し、自らのトオル・オオキ・ブルースバンドを率い、東洋人として初の全米ツアーを成功させた。その後3度、ミシシッピ・デルタ・ブルース・フェスティバルに参加し、日米の懸け橋としての功績が認められ、ミュージシャンとして永住権を取得。これらはいずれも東洋人として初である。

マディ・ウォーターズを筆頭にジョン・リー・フッカーアルバート・キングB.B.キングベン・E・キングマイク・ブルームフィールドなどと共演し、特に「スタンド・バイ・ミー」のヒットで知られるベン・E・キングとは、「マンハッタン・ブラザース」というデュオを組み、国際的に活動。無二の親友である天才ブルースマン・マイク・ブルームフィールドとは、曲づくり、ライブ、レコーディングでのコラボを予定しながら、マイクの突然の死によって直前で頓挫してしまった。これらの数々のドラマは、大木トオルの著書「伝説のイエロー・ブルース」(文芸春秋・講談社/絶版)で詳説。

・大木トオルはブルースマンとしての活動とともに、現在、36年にわたり、国際セラピードッグ協会の代表として、捨て犬と被災犬の救出とセラピードッグ育成を行い、広くセラピー活動を続けている。 幼少時に愛犬と別れざるを得なくなった苦い経験と、米国での音楽活動中に目覚めた動物愛護の精神、そして動物愛護センターで殺処分の直前に救出した名犬チロリとの運命的な出逢い。これらの経験によって、大木トオルは全身全霊を賭けて、捨て犬・捨て猫の殺処分ゼロを目指す活動に取り組んでいる。その活動は日本国内にとどまらず、アジアから世界へと広がっている。これらの活動は彼の著書「名犬チロリ」(岩崎書店)に詳しく述べられている。 虐げられた黒人たちの魂の叫びであるブルースによる傷ついた精神の回復と、殺される直前に救出された捨て犬たちによって行われるセラピー大木トオルは「ブルース」と「捨て犬」によって、魂の救済に取り組むことをライフワークとしている

*下線は私。

ウィキにある通り、あらゆる有名ブルースマンとの交流が生き生きと描かれていました。

特にベン・E・キングとの友情、白人ブルースマン、マイク・ブルームフィールドとの交流は泣かせるものでした。

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そして犬です。

いまや犬(セラピードッグ)の人として大木トオルが有名であることは全く知りませんでした。

犬と大木トオル

文中で何度も12歳の時に一家離散と出てきます。

その時愛犬だったメリーを捨ててきたことに大木は常に罪の意識があったようなのです。
*大木はメリーは捨て犬として殺処分されたのではないかと想像しています。

それというのも大木は小学校時代、重症の吃音症でいじめられっ子だった。そして家庭も崩壊していたで、慰めはいつも自分を暖かく迎えてくれる愛犬メリーだけだったそうです。
(*メリーというからメス犬だったのでしょうね)

そのメリーを(責任は無いとはいえ)見捨てざるを得なかったという悔恨。

その悔恨の気持が後年ブルースシンガーとなった大木の心から去らなかったようです。

虐げられた黒人たちを見るたびに益々メリーのことも思い出したようです。

ブルースと犬がこうして繋がります。
新聞の連載では19回から犬の話が始まっています。

名犬チロリ物語

そしてチロリとの出会いがあります。

子供たちがダンボール箱の中に隠して飼っていた母犬と5頭の子犬。
その母犬がチロリでした。一人の女の子が名付けた名前でした。
右耳が折れ、ボロボロの首輪が首に食い込んで後ろ足の片方は変形していたひどい状態でした。大木は「なんて不格好な犬だろう」と思います。
そしてチロリの姿が消えます。調べると捕獲され係留施設にいることがわかります。係留施設では引き取り手が無いと5日目に殺処分されます・・・

動画がありますので是非見てください。(約20分と少し長いですが)

 

新聞記事と動画で描かれている通り「チロリ」は日本で初めてのセラピードッグとなるのです。セラピードッグ先進国ではハスキー犬などの純血種がなるのが普通であるのに、雑種の捨て犬だったチロリが日本でのセラピードッグ第一号なのです。

今、新聞連載ではまだチロリが生きています。
この後チロリの死が描かれると思います。涙なしには読めないと思います。

まとめ

読売新聞での大木トオルの連載はもうすぐ終わると思います。

ブルースマン、大木トオルにこんなストーリーがあったことは全く知りませんでした。

いやブルースマンとしてもアメリカで「最後のブルースマン」と呼ばれていることも知りませんでした。

そして大木が「ライフワーク」としているのが「犬」だったのです。

【必見】大木トオルの講演

また動画に頼って申し訳ないですが、大木氏の講演です。(2018年)
良かったら見てください。

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大木トオルとベン・E・キング

最後はまた大木トオルの歌を聴きましょう。
ベン・E・キングとの共演です。〈I’ll Be Allright〉

 

★最後まで読んで下さってありがとうございます。

よかったらこちらも読んでみて下さい。

死んだ犬の話

 

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