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ジャズのスタンダード・ナンバー(その1)ハッシャバイなど厳選12曲

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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今回は ジャズのスタンダード曲=スタンダードナンバー について書きます。

しかし何事も定義しないと気がすまない筆者ですので、まず
What is Standard-number ?というところから書き始めます。

 

スタンダード・ナンバーとは

◎簡単に言うと、ジャズにおいて多くのプレイヤーが演奏したり、歌ったりする曲

 でいいと思います。

◎しかし、大きく次の2種類に分かれます。

.いわゆる作曲家(&作詞家)が作った曲。

有名な作曲家は例えば ジョージ・ガーシュウィン、コール・ポーター、ハロルド・アーレン
のような作曲家のペンによる曲です。

多くはブロードウェイ・ミュージカルや映画の音楽として作られ、有名曲となって、ジャズミュージシャンに演奏されスタンダード・ナンバーとなりました。

上記のような超有名作曲家によるものも、余り有名でない作曲家の曲もあります。

.ジャズメンのオリジナル曲がスタンダード・ナンバー化した曲

ジャズ・ミュージシャンが自分が演奏するために作った曲が他のミュージシャンによって演奏される機会が多くなり、スタンダード・ナンバー化した曲
代表:ピアニスト、セロニアス・モンクが作った曲 :’Round Midnight

◎上の2つの分類で良いのですが、詳しく考えるともっとあります。

●もともとがTrad-song、民謡、作者不詳の曲
 例えば Hush-A-Bye ,Green Sleeves, Dear Old Stockholm,Danny Boy のような曲
に入れます

ポップス由来の曲:例えばエルトン・ジョン、スティングなどポップス系の人が作った曲がジャズメンに取り挙げられる様になった曲。
に入れます

●もともと、外来曲がジャズ・スタンダード化したケース

「枯葉」Autumn Leaves ⇨ が最大の例ですが、もともとシャンソンの曲(ジョセフ・コスマ作曲)

他にもラテンの曲:「ベサメ・ムーチョ」とか「キエンセラ」みたいなラテン曲がジャズで取り挙げられるケースがあります。
に入れます

か分類が難しくなっているケース 
例えばホーギー・カーマイケルが作った STARDUST はカーマイケルがピアニスト兼歌手であり自らも録音しているという点からは明らかにのジャズメンオリジナルなのですが、時代が古いせいとホーギー・カーマイケルという人が今や作曲家として(のみ)有名なので、に分類するほうが自然になっているというややこしいケース。
に入れます

2の場合どれほど他の人に演奏されればスタンダードと認定してよいかという問題があります。
例えばトランペッター、ケニー・ドーハムが作った BLUE BOSSA⇨ はもう100以上のヴァージョンがありますので立派なスタンダードです。
一方,チャーリー・ヘイデンの曲 First Song は微妙です。(好きな曲なので気分的にはスタンダードと認定したいのですが、それほど多くの人に演奏されてはいません)

■前書きが長くなりましたので、この辺にして実際の曲に行きたいと思います。

■今回は1回目ということで、上の分類の .にあたる作曲家によるスタンダード・ナンバーを取り挙げます。1ダース、12曲を選びます。

 
*はっきりと日本語のタイトルが付いている曲は日本語タイトルも併記します。
*特記なく作曲者名を書いてない場合は、余り有名ではない作曲者です。

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Hush-A-Bye 「ハッシャ・バイ」

上で書いたものですから、一番に挙げます。トラッド・ソングです。

一般的にはジョニー・グリフィンの演奏(アルバム:Kerry Dancers)の演奏が有名ですが、
ここでは敢えて日本人による演奏を取り挙げます。

森山威男カルテット(アルバム:Hush-A-Bye)の演奏です。

森山威男:ドラムス
小田切克己:テナーサックス
板橋文夫:ピアノ
望月英明:ベース   1978年のレコードでした。

 

I Get A Kick Out Of You 「君にこそ心ときめく」

コール・ポーターがブロードウェイ・ミュージカル Anything Goes のために書いた曲。

歌ではフランク・シナトラの歌唱が一番有名でしょうか。

いい日本語タイトルがつけられています。

筆者は大好きなポール・デスモンドによる演奏を取り挙げます。

アルバムはこれ↓です。

 

ーーーーーーーーー

◎この流れで I Can’t Get Started 「言い出しかねて」⇨ に行きたいと思うのですが
実はこの曲については すでに記事を書いていますので、そちらを見て頂きたいと思います。

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Softly As In A Morning Sunrise  「朝日のごとくさわやかに」

という訳で、こちら ソフトリー に行きます。
シグマンド・ロンバーグという人が作曲して、後にオスカー・ハマースタイン2世が詩をつけました。

それこそ、ありとあらゆる人が演奏しているので困るのですが、ここでは敢えてホーン奏者もギタリストも避けて、Modern Jazz Quartet (MJQ)のソフトリーにします。
まあ、これも超有名ですが何度聴いてもいいものですから。

MJQの名盤「コンコルド」に入っています。

Falling In Love With Love  「恋に恋して」

ロジャース=ハート(Richard Rogers-Lorenz Hart) の曲です。

*曲の後に(Rogers-Hart)のように表記される場合、普通は(作曲者ー作詞者)です。すなわち、これはリチャード・ロジャースの作曲。

この曲も楽しげな旋律で始まる好きな曲です。

コルトレーン=マル・ウォルドロンの演奏で聴きましょう。

↑これに入っています。

 

●残念ながら削除されました。

代わりにレッド・ガーランドの演奏にします。

これも名盤です。

Blue Mitchell (tp) Pepper Adams (bars) Red Garland (p) Sam Jones (b) Philly Joe Jones (d) というメンバーです。

●あとこの曲の演奏で印象に残っているのが、ウィントン・マルサリスがアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに居た頃の演奏です。

探しましたがYouTubeにもAmazonにもありませんね。どうしたのでしょうか。
CONCORDレーベルから出ていた〈STRAIGHT AHEAD〉というアルバムです。  

East Of The Sun   イースト・オブ・ザ・サン

これも良く演奏される曲です。

曲名は East Of The Sun (And West Of The Moon) と続くようです。

スタン・ゲッツによる演奏などが有名です。
遺作〈People Time〉でも演奏していました。

しかしここではバリー・ハリス(ピアノ)のトリオが日本で演奏した音源で聴きます。

次のようなキャプションが付いています。

Barry Harris (p), Kunimitsu Inaba (b), Fumio Watanabe (ds)
Album:”Barry Harris Trio / Live At Dug: Complete Edition ”
Recorded:Live at Dug Sinjyuku, Tokyo, May 1995
 

Secret Love  シークレット・ラブ

サミー・フェインが作った曲〈Secret Love〉です。

普通ならこの曲はヴォーカルで紹介するのが順当でしょうが、
筆者は2人のピアニストの演奏で行きたいのです。

ハンプトン・ホーズ

大好きなホーズのヴァージョンで!

スィンギーでいい演奏ですね。(余りシークレットという感じはしないかも^^)

このアルバムに入っています。

ブラッド・メルドー

叙情的な演奏をするブラッド・メルドーのトリオでの演奏です。

筆者はこのアルバムは持っていません。
こちらに入っているようです。

◎同じ曲でも随分違った印象ですね。どちらが好きか、は好みの問題ですね。
又は気分でどちらが聴きたいか変わります。

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Just Friends ジャスト・フレンズ

これも、もちろん大好きな曲です。

たくさんの演奏がありますが、筆者がこよなく愛するのは、ビル・パーキンスとリッチー・カミューカの2本サックスによる演奏です。

Bill Perkins, Richie Kamuca (tenor sax)
Hampton Hawes (piano)
Red Mitchell (bass)
Mel Lewis (drums)

収録曲のうち5曲が上のメンバーによるもので、残る4曲ではアート・ペッパーが入ったセッションが聴けます。

Georgia On My Mind 「我が心のジョージア」

次はホーギー・カーマイケルの曲 Georgia On My Mind です。

ポピュラーとしてはレイ・チャールズの歌が有名です。

筆者は新しいところでスティーブ・ガッド(ドラムス)の Gadd And Friends の演奏も気に入っています。

この曲はオルガンが入っている方がいい雰囲気になります。ここでのオルガンはジョーイ・デフランセスコです。

このアルバムに入っています。

 

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Body And Soul  ボディ・アンド・ソウル

ジャズらしいナンバー、「ボディ・アンド・ソウル」です。

トニー・ベネット&エイミー・ワインハウス

楽器演奏が多いのですがここではトニー・ベネットとエイミー・ワインハウスのデュエットの歌で聴きましょう。
トニー・ベネットは91歳で健在ですが、エイミー・ワインハウスは何と2011年に27歳で亡くなりました。

このアルバムに入っています。

高齢のベネットが音程も確かなことに驚きます。(フランク・シナトラの最晩年は音程がふらついていました)

ソニー・スティット

これもいいのですがやはりサックス演奏でビシっと決めて欲しいので、ソニー・スティットの演奏も聴きましょう。
スティットは本来はアルトサックス奏者なのですが、テナーを吹くことも多くここではテナーでの演奏です。

やはり、イイです。スティット。

You’d Be So Nice To Come Home To

コール・ポーターが作った多くの曲の中でも特に有名な曲ですが、
多分次の2つのヴァージョンが一番有名ではないでしょうか。

ヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウン

アート・ペッパー (Aret Pepper Meets The Rhythem Section の中の演奏)

ここではアニタ・オディが日本のスタジオで1963年に歌った映像を聴きます。

オディは白人女性ヴォーカルの中でも一番巧みな歌手だと思っています。

日本の当時のプレイヤーもいい演奏をしていますね。トランペット(ミュート付き)は伏見哲夫だそうです。

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Get Out Of Town  ゲット・アウト・オブ・タウン

コール・ポーターをもう1曲続けます。

コール・ポーターの曲は聴いていてとても新しく感じます。

映画「五線譜のラブレター」を見るとポーターはバイ・セクシュアルだったようですが、すぐれた感覚の持ち主だったのでしょうね。

このGet Out of Town も好きな曲です。

そして好きな演奏が2つあります。

ジェリー・マリガンの演奏とサド・ジョーンズ⇨の演奏です。

サドの演奏は別項で紹介しましたので、ここではジェリー・マリガンによる演奏をアップします。

いかがですか?素敵な演奏ですよね。

Gerry Mulligan (baritone sax)
Tommy Flanagan (piano)
Ben Tucker (bass)
Dave Bailey (drums) 
Alec Dorsey (percussion)  の5人です。

このアルバムです。

 

These Foolish Things  

さて、もう12曲目、最後の曲になります。

These Foolish Things (remind me of you):スタンダードの代表のような曲です。
(*この曲には「思い出の種」という邦題が付けられましたが、余り使われません)

ここでの演奏はちょっと外したものを多く挙げましたので、
最後は王道でビリー・ホリデイの歌にします。

但し若い頃の(’30年代)歌唱は元気が良すぎて、筆者はイマイチ感情移入できませんので、後年の1952年のホリディの歌で聴きます。

このつまらない物たちがあなたを思い出させる・・・という歌詞です。

最初の1コーラス分の歌詞だけコピーします。

♪A cigarette that bears a lipstick’s traces
An airline ticket to romantic places
And still my heart has wings
These foolish things remind me of you
A tinkling piano in the next apartment
Those stumbling words that told you
what my heart meant A fair ground’s painted swings
These foolish things remind me of you
You came you saw you conquer’d me
When you did that to me
I knew somehow this had to be
The winds of March that make my heart a dancer
A telephone that rings but who’s to answer?
Oh, how the ghost of you clings!
These foolish things remind me of you

ホリディは’59 年に44歳で亡くなるのですが、この歌の時はまだ37歳なのです。
しかし、すでに枯れたその歌声には、どこか諦めと安らぎのようなものを感じるので、筆者は時に後年のホリディを聴きたくなります。

まとめ

12曲はすぐ終わってしまいます。

こういうスタンダード・ナンバーは星の数ほどありますからネ。

そしてその演奏、歌唱も曲によっては100を超えるヴァージョンが有るのですから、大変です。

今回は日本人の演奏も入るように多少意識しました。

この後、最初に書いた分類の の方、ジャズメン・オリジナルがスタンダード化した曲を特集しますので、そちらの方もよろしくお願いします。

1曲目はもう決めています。マット・デニス(ピアノ弾き語り)のオリジナル

Everything Happens To Me です。

●こちらで書きましたので、よかったらどうぞ!⇨

ジャズのスタンダードナンバー(その2)ージャズメン・オリジナル

最後まで読んでくださってありがとうございます

【追記】この後スタンダード・ナンバーズは増え続け(2021年3月現在)70曲余りになりました。こちらに⇩まとめています。

◆スタンダード・ナンバー一覧はこちら

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