映画「日の名残り」はこれぞ映画と言いたくなる傑作だ

      2016/09/21

まず、いかにもイギリス的なこの映画の原作がカズオ・イシグロであることに驚く。

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イギリスの貴族の暮らし、それに仕える執事Butlerという世界は日本人には馴染みが薄いものだが、それだけに興味深く見れる。

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執事・スティーヴンスのアンソニー・ホプキンス。
女中頭・ミス・ケントンのエマ・トンプソン。
ダーリントン卿のジェームズ・フォックス
の演技は見事というしかない。

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特にアンソニー・ホプキンスの顔(表情)の演技は、禁欲的、自己抑制的に生きる執事の内面をうかがわせて、余りにも映画的で素晴らしいものだった。これを見るだけでこの映画を見る価値がある。

またこの映画は変種のラブ・ストーリーとも見れるのだが、その恋心の表現は抑えて、抑えて・・・それが逆にドキドキする。

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スティーヴンスが本を読んでいるところにケントンが来て「何の本を読んでいるの?」と聞くシーンがある。スティーヴンスは答えない。
ミス・ケントンは「ワイセツな本なの?」とからかう。  スティーヴンスの顔。
余りにも隠すのでケントンはすぐそばに来て、本を持つスティーヴンスの指を1本1本はがしてゆき、その本を見る。 するとそれは感傷的な恋愛小説だった。
スティーヴンスは「教養を高めるために色んな本を読むのです」みたいな弁解をする。
二人の間に漂うちょっとあやしい雰囲気。だが、それだけ。何もない。

ジェームズ・アイヴォリー監督が描く〈The Remains of The Day〉は完璧過ぎて、もうカズオ・イシグロの原作を読む気になれないのだが。 

 

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