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聴きやすくて楽しいジャズ:Phil Woods Plays Michel Legrand (フィル・ウッズ・プレイズ・ミシェル・ルグラン)

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

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今回は’70年代にアルトサックス奏者フィル・ウッズがミシェル・ルグランとコラボレーションした2枚のアルバムを紹介します。

ミシェル・ルグラン

Michel Legrand(1932年2月24日 – )はフランスのクラシックピアニスト、ジャズピアニストで、数々の映画音楽を作曲したことでも有名です。

 

出典:http://amass.jp/102539/

パリ国立高等音楽院でナディア・ブーランジェのピアノ伴奏クラスにおいて学び、1950年代からジャズ、映画音楽の分野で活動。ジャック・ジャック・ドゥミ監督と共に手掛けた『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』をはじめアカデミー歌曲賞を受賞した『華麗なる賭け』(主題歌『風のささやき』)、『思い出の夏』、『愛と哀しみのボレロ』(フランシス・レイとの共作)、『栄光のル・マン』『ネバーセイ・ネバーアゲイン』など数々の映画音楽を創作し、20世紀後半のフランス映画音楽界を代表する存在である。携わった作品の数はテレビも含めると200以上に上る 。ーーーWikipedia

フィル・ウッズ

 

出典:http://amass.jp/63064/

 

Phil Woods(1931年11月2日 – 2015年9月29日)
アメリカの白人アルト・サックス奏者。

’50年代に〈Woodlore〉〈Warm Woods〉〈Phil Talks With Quill〉などの傑作を残した。
しかし、アメリカで仕事の口が無くなり、1967年ヨーロッパに渡る。
ウッズがフランス人を中心に結成した Phil Woods and his European Rhythm Machine はヨーロッパで好評を博し、何枚かの傑作アルバムを残す。

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アルバム Images

あの素晴らしいグループだった、フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーンを解散したウッズは’73年にアメリカに戻ります。
しかし、やはりアメリカでは仕事がありません。

そこにミシェル・ルグランから録音予定のアルバムに参加してくれないかと依頼があり、喜んで参加します。それが次のアルバムです。

ここでのルグランの曲〈You Must Believe In Spring〉(先に挙げた『ロシュフォールの恋人達』のために作られた曲)でのウッズの演奏は素晴らしいもので、二人の信頼感が高まりました。

そして、1975年ルグランがフル・オーケストラで録音するこのアルバム「イメージ」にもウッズが参加することになります。

ウッズは全曲に渡ってたっぷりソロを取っています。

収録曲 ( )内は作曲者

1. 風のささやき The Windmills Of Your Mind  (Michel Legrand)
2. ソング・フォー・ユー   A Song For You (Leon Russell)
3. ニコール   Nicole  (Phil Woods)
4. おもいでの夏   The Summer Knows  (Michel Legrand)
5. 愛のプレリュード We’ve Only Just  Begun  (Paul Williams)
   (カーペンターズで大ヒットした曲)
6. アイ・ウォズ・ボーン・イン・ラヴ・ウィズ・ユー
    I Was Born In Love With You   (Michel Legrand)
7. 月の光   Clair De Luna   (Claude Debussy)
8. イメージ   Images   (Michel Legrand)

 

風のささやき The Windmills Of Your Mind

聴きましょう。アルバム1曲目です。

 

最初バロック音楽のように始まりますが、すぐにウッズによるテーマ演奏になります。 途中テンポが変わりスィングになるあたりがシビレます。
ルグランが率いるオーケストラをバックにウッズ、気持ちよく吹いています。
この曲はたくさんの歌手に歌われることになりました。

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 ソング・フォー・ユー  A Song For You

レオン・ラッセルの大ヒットをここで演っています。

●ここで「おもいでの夏 The Summer Knows」に行きたいところですが、残念ですがアップされていませんでした。これはまた叙情的ないい演奏でした。

愛のプレリュード   We’ve Only Just Begun 

 

●最後に置かれている〈Images〉という15分近いルグランの曲は、オーケストラ、ウッズのアルト、ルグランの美しいピアノと、ジャズ的に盛り上がる圧巻の演奏なのですが、長いのでここでは省略します。

●ウッズが作った「ニコール」Nicoleという曲もキレイな曲です。

*先程の「おもいでの夏」とともに是非CDで聴かれてください。

おそらくウッズのこれらの親しみの持てる演奏が評価されたのだと思うのですが、この後ウッズは下のようなポップス系のアルバムに参加して、印象的なソロを演奏することになります。
(アーティスト/アルバム名/曲名)

スティーリー・ダン/うそつきケイティ/Doctor Wu

ポール・サイモン/Still Crazy After All These Years

ビリー・ジョエル/The Stranger/The Way You Are (素顔のままで)

*あー、あの演奏はフィル・ウッズだったのか、と思う方もいるかもしれません。

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ジャズ・ルグラン Le Jazz Grand

次のアルバムは1978年のアルバム〈Le Jazz Grand〉 です。

このアルバムについて語る前に「ルグラン・ジャズ」と言えば1958年のこちらのアルバムが有名です。

こちらにはマイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなども参加しているのですが、実はフィル・ウッズも入っていました。
このちょうど20年後に作られたのが「ルグラン」と「ジャズ」を入れ替えた「ジャズ・ルグラン」なのです。

収録曲

 1. サザーン・ルーツ Southern Routes
 2. とけい草                         La Pasionaria
 3. マラガン・シチュー     Malagan Stew
 4. イベリア・ノヴァ          Iberia Nova
 5. バスケット                          Basquette

 

Small Group と  Big Band が表記されています。
Small Groupは以下です。

Michel Legrand ミシェル・ルグラン(p,cod)
Gerry Mulligan  ジェリー・マリガン  (bs)
Phil Woods   フィル・ウッズ (as)
Jon Faddis    ジョン・ファディス (tp)
Ron Carter  ロン・カーター  (b) 
Grady Tate   グラディ・テイト (ds)
Portinho  ポルティーニョ  (perc)

Big Band には約20人の名前があります。
リズムセクションにロン・カーター、グラディ・テイトなどの名前が入っています。

1曲目の「サザーン・ルーツ」は23分を超える大作なので、アップすることは控えますが、オーケストラ、ソロとも聴き所の多い曲です。

とけい草                La Pasionaria

曲の初めからウッズが飛び出してくるLa Pasionariaを聴きます。

素晴らしいジャズ演奏です。
ウッズのバッパー魂が炸裂しています。(世の中はフュージョン全盛時代でした)
オーケストレーションも見事にマッチしています。
テイトのドラムがスピード感に溢れています。
パーカッションの参加も効果的でした。

バスケット    Basquette

Small Groupによって演奏されるリアルジャズです。
ジャズ・ピアニストとしてのルグランの演奏が聴けます。
マリガン→ウッズ→・ファディスのソロ廻しもかっこいいです。

●3曲目〈Malagan Stew〉はジェリー・マリガンをフィーチャーした曲です。

●4曲目〈Iberia Nova〉はトランペットのジョン・ファディスをフィーチャーしたバラード曲です。

このアルバムから、ウッズが活躍している2曲を聴きました。

まとめ

’75年と’78年の2枚のアルバムから、ミシェル・ルグランのオーケストラの中でフィル・ウッズがソロを取る曲を中心に5曲を聴きました。

ウッズは2015年に亡くなるまで、バッパーとしての演奏を続けたアルトサックス奏者だったと思うのですが、ここではミシェル・ルグランという天才的なメロディー・メーカーとの巡り合いにスポットした選曲でした。

(追記)そのルグランも2019年1月に亡くなりました

 

最後まで読んでくださってありがとうございます

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