JAZZという音楽の魅力を中心に

ジャズの名盤

カテゴリー

ロジャース=ハートの名曲「マイ・ロマンス」の名演を聴く:ビル・エヴァンス、ブラッド・メルドー、ベン・ウェブスターなど

 
この記事を書いている人 - WRITER -
団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
Sponsored Link

ジャズの名曲シリーズ

今回は「マイ・ロマンス」です。

有名なリチャード・ロジャース(作曲)&ロレンツ・ハート(作詞)のコンビによるものです。

*余談ですがリチャード・ロジャースはドイツ系ユダヤ人でした。

My Romance と言えばビル・エヴァンスによる名演を一番に思い出す方も多いかもしれませんが、ちょっと待ってください。

まずは歌詞を味わうためにヴォーカルでのこの曲を聴いてください。

ジョー・スタッフォード

ヴォーカルもエラ・フィッツジェラルドやトニー・ベネットのものが有名かも知れません。

ここは白人女性シンガーで聴きたいので、ジョー・スタッフォードの歌唱にしましょう。

歌詞

 

My romance doesn’t have to have a moon in the sky
My romance doesn’t need a blue lagoon standing by
No month of may, no twinkling stars
No hide away, no softly guitars
My romance doesn’t need a castle rising in spain
Nor a dance to a constantly surprising refrain
Wide awake I can make my most fantastic dreams come true
My romance doesn’t need a thing but you
My romance doesn’t need a thing but you

 
ソングライター: Lorenz Hart / Richard Rodgers
マイ・ロマンス 歌詞 © Warner/Chappell Music, Inc, Universal Music Publishing Group, Concord Music Publishing LLC
 
当時のラブソングらしく、歌詞は単純なものですが、それだけに却って古くから変わらないロマンを感じることになります。
 
歌詞のポイントですが、

My romance doesn’t need a castle rising in spain
私の恋にスペインに聳え立つ城は要らない。
My romance doesn’t need a thing but you
私の恋はあなた以外に必要なものはない

という所でしょうか。

ビル・エヴァンス・トリオ

Waltz For Debby  (ワルツ・フォー・ディビー)で演奏されていました。

Bill Evans Trio at the Village Vanguard – My Romance (1961)
Personnel: Bill Evans (piano), Scott LaFaro (bass), Paul Motian (drums)

from the album ‘WALTZ FOR DEBBY’ (Riverside Records)

●美しく叙情的なイントロで始まり、モチアンのドラムがそっと入ってきて、スコット・ラファロのベースがからんできます。伝説となりピアノ・トリオの形を作った名演でした。

ブラッド・メルドー

続いて現代のピアニスト、ブラッド・メルドーのピアノ・トリオで聴きます。

Brad Mehldau(piano)
Larry Grenadier(bass)
Jorge Rossy(drums)

●メルドーのデビュー作〈Introducing Brad Mehldau〉に入っていました。
これも美しいイントロで始まります。
この演奏を聴いてエヴァンスを思い出さない人はいないでしょう。
エヴァンスを引き継ぐ叙情派ピアニスト登場と思わせたのですが、メルドーはただ叙情的なピアノを弾くだけのピアニストではなかったことがその後の演奏で明らかになります。
:この書き方は正確ではないですね。叙情性もメルドーの音楽の一つの面である、と書くべきでしょうか。しかし、そう言うのであればビル・エヴァンスもそうでした。あれっ、話が堂々巡りになってしまいます。

◎こちらもどうぞ。

ブラッド・メルドー:今やナンバーワンとなった新感覚のジャズ・ピアニストのお勧めアルバム

Sponsored Link

ハンプトン・ホーズ

ピアノ3人目はハンプトン・ホーズです。
1968年パリ録音です。ベースはジミー・ウッド、ドラムスはアート・テイラー。
上の二人に比べるとスウィンギーな演奏になりますが、好きな人にはこれもたまらない演奏でしょう。

ベン・ウェブスター

ピアノが3人続きましたので、テナーサックスの演奏に行きます。

これもこの曲の演奏として有名なものです。ベン・ウェブスターの「マイ・ロマンス」です。ベン・ウェブスターは1909年生まれですからもちろんスウィング時代の人ですが、バラード演奏には定評がありました。

絶品の優しいテナーでした。

このアルバムはトランペットのハリー”スゥイーツ”エディソンとの共演盤なのですが、この曲ではエディソンは最後に数音吹いただけでした。

ジーン・アモンズ

ベン・ウェブスターを聴いたので流れでジーン・アモンズのテナーサックスも聴いてみたいと思います。いわゆるボステナーと言われる人です。

 

いいメンバーです。 Gene Ammons (ts) Tommy Flanagan (p) Doug Watkins (b) Art Taylor (d)
フラナガン=ワトキンス=テイラーというリズムセクションは当時最高のものです。ワトキンスが27歳で早逝したので、そう多くの録音はありません。

Sponsored Link

キース・ジャレット

ピアノではエヴァンス、メルドー、ホーズの3人を聴きましたが、やはりそうなるとキースの演奏も聴きたくなります。
スタンダード・トリオのブルーノートでのライブ盤でこの曲を聴けるですが、今日は珍しいものを聴きたいと思います。

●1966年1月録音、何と20歳のキース・ジャレットの演奏が聴けるアルバムです。
アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズのアルバムです。
トランペットはチャック・マンジョーネ
既にその輝かしい個性を発揮しているキースに驚きます。

 

ジョー・パス

ギターの演奏でマイ・ロマンスを聴きます。 巨匠と言われたギタリストジョー・パスのギターソロです。

いやー、さすがヴァーチュオーゾ、素晴らしい演奏です。

シンガーズ・アンリミテッド

最後は The Singers Unlimited のコーラスを聴きながら終わりにしたいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか? どちらかと言うとしっとりとした演奏を集めました。
もっと元気のいい演奏(例えばヒューストン・パーソン)や明るい演奏(例えばレイ・ブラウン・トリオ)などもあったのですが、雰囲気を考えて止めておきました。

マイ・ロマンス、いい曲です。

スタンダード・ナンバーのことを書いていて思うのですが、有名曲は
キース・ジャレットチェット・ベイカービル・エヴァンスの3人はほぼ演っています。

○それはそういう曲を選んでいるからでしょ!と言われそう^^

◆スタンダード・ナンバー一覧はこちら

 

Sponsored Link

この記事を書いている人 - WRITER -
団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© ジャズの名盤 , 2019 All Rights Reserved.