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ジャズの名曲「マイ・ファニー・バレンタイン」My Funny Valentineの名演、名盤を聴く

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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明日は2月14日ですから・・・

マイ・ファニー・ヴァレンタイン です。

これもまた、ロジャース=ハート コンビの作品です。

  Richard Rodgers (曲)/ Lorenz Hart(詩)

歌詩

この曲は歌モノとして始まっていますので、
やはりその詩を見てみましょう。

 
My funny Valentine, sweet comic Valentine 
You make me smile with my heart
Your looks are laughable
Unphotographable
Yet you’re my favorite work of art 
Is your figure less than Greek? 
Is your mouth a little weak? 
When you open it to speak
Are you smiling? 
But don’t change a hair for me
Not if you care for me
Stay little Valentine, stay 
Each day is Valentine’s Day

ソングライター: Lorenz Hart / Richard Rodgers
My Funny Valentine 歌詞 © Warner/Chappell Music, Inc, Concord Music Publishing LLC


Valentineという名前の(変な)男の子に
”My Funny Valentine” と呼びかける詩になっていますね。
もちろん、St.Valentine’s Day とかけてあります。
 
あなたは変だけど
You make me smile with my heart
いつも私を微笑ませてくれる
 
Unphotographable
写真写りも悪い

なんてところも笑わせます。
 
しかしこの詩のキモは最後の1行
 
Each day is Valentine’s Day
 
ですよね。 毎日がヴァレンタインの日
 
*「私のファニーなヴァレンタイン・ディ」という意味ではなかったんです。
 
 
女の子が歌う歌という設定ですが
この曲を有名にしたのは(最初に大きなヒットをしたのは)
フランク・シナトラの歌唱でした。
 

フランク・シナトラ

 

幸いValentine という名は男女両方にあり得る名前のようですので、シナトラが歌っても違和感がありません。

*もともと恋の歌は全て男女両方の歌手が歌っています。
詩を少しいじって(heをsheに変えるなど)どちらでも歌えるようにしていることが多いですね。

チェット・ベイカー

チェット・ベイカー(voval&trumpet) が〈Chet Baker Sings〉の中で歌っていたものも非常に有名です。

 

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マイルス・デイヴィス

この曲のジャズボーカルの代表がチェット・ベイカーなら

インストルメンタルの代表はマイルス・デイヴィスです。

マイルスは何度もこの曲を演っていますが

次の5枚のアルバムが特に知られています。

1.Cookin’ (1956)
2.Jazz At The Plaza (1958)
3.My Funny Valentine  (1964)
4.Miles in Tokyo  (1964)
5.Complete live at Plagged Nickel ( 1965)

5バージョンを聴き比べたいところですが、そうもいきませんので、1.と3.を聴きましょう。(この2つ、時間がだいぶ離れているので、メンバーも全く異なっています)

アルバム〈Cookin’〉より

 

Miles Davis (trumpet)
Red Garland (piano)
Paul Chambers (bass)
Philly Joe Jones (drums)
*このアルバム、この曲以外の曲にはもちろんJohn Coltrane (tenor sax)が入っています。

イントロのレッド・ガーランドのコロコロとしたピアノが入ってくるところから魅了されます。
そしてミュート(消音器)をつけたマイルスのクールな押し殺したようなペットに凄みがあってカッコいいです。マイルスのソロが終わってテンポが少し速くなって、またガーランドが入ってくるところも素晴らしい雰囲気です。

アルバム 〈My Funny Valentine〉 より

そしてこのアルバムです。この曲名をアルバム・タイトルとしています。

1964年2月12日(!)の録音です。ちょうど55年前です。

NY、リンカーン・センター、フィルハーモニック・ホールでライブ録音されています。
ちなみにこの日の録音の半分はもう一枚のアルバム〈”Four” &More〉に納められていて、この双子のアルバムは、この時代のマイルスのライブ・アルバムとして一つの完成形だと思って昔から愛聴しています。
静の”My Funny Valentine”と動の”Four” &Moreです。

これです↓。

聴きます。My Funny Valentine

Miles Davis (tp)
George Coleman (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)
このメンバーは1963年に組まれたものです。

そしてこの年9月録音の〈Miles In Berlin〉からテナーサックスにウエイン・ショーターが参加して、5年ほど続く黄金のクインテットとなります。

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●チェット・ベイカーとマイルス・デイヴィスを聴くと、一仕事済んだ気になるのですが、この曲まだありますので、続けましょう。

 Holland Mariah Grossman

このホーランド・マライヤ・グロスマンという人は知らなかったのですが、動画がなかなかいいので聴き(見)ます。
*この歌い方には好みは分かれるところかもしれませんが。

Will Bridges Quartetの演奏もイイですね。

クリス・ボッティ w/スティング

トランペットの貴公子(?)クリス・ボッティの演奏にスティングが参加する映像です。
*これもまた「こんなのはイヤだ」という方もいるでしょうね。

ジム・ホール&ビル・エヴァンス

この曲のもう一つの名演です。
ジム・ホール(ギター)とビル・エヴァンス(ピアノ)のデュオです。

かなり速いテンポで演奏されています。
*「高速でこの曲をやるセンスを疑う」と書いたおっさんがいましたーーテラシマさんです。

アルバム〈Undercurrent〉「暗流」に入っていました。

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スタン・ゲッツ&J.J.ジョンソン

名盤と言えばこれも名盤ですね。
ゲッツとJJ at オペラハウス

1957年のライブ録音。 いや凄いメンバーですね。

J.J. Johnson (trombone)
Stan Getz (tenor sax)
Oscar Peterson (piano)
Herb Ellis (guitar)
Ray Brown (bass)
Louis Bellson (drums)

●特にゲッツのソロ、全然クールじゃないです!燃えてます。
J.J.のソロも楽しい!

リンダ・ロンシュタット

リンダ・ロンシュタットが歌ったジャズアルバムからのコンピレーション・アルバム〈’Round Midnight〉からの「マイファニー」です。

リンダは独自のヴァースをつけて歌っていますが悪くないと思います。

 

最後を締めてもらうのは・・・

最後を締めてもらう演奏を探しましたが・・・

やはりマイルス・バンドを超えるようなものは他にはみつかりませんでした。

そこでマイルスのところで書いた5.の演奏
Complete Live At The Plugged Nickel  (1965/12/23)

のセカンドセットがアップされていますので、それを聴きます。以前に比べるとよりハードボイルドな演奏となっています。

Miles Davis Quintet:

Miles Davis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)

<2nd set>

My Funny Valentine (R. Rodgers-L. Hart)
Four (M. Davis)
When I Fall in Love (E. Heyman-V. Young)
Agitation (M. Davis)
‘Round Midnight (B. Hanighen-C. Williams-T. Monk)
 Milestones (M. Davis)
The Theme (M. Davis)

コンプリート盤はCD8枚組です。

結局マイルス頼りになってしまいました。

●この曲を作ったロジャース=ハートもこんなにインストで演奏されるようになるとは予想していなかったのではないでしょうか?

おまけーーミシェル・ファイファー

映画「恋のゆくえ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」で歌われた女優ミシェル・ファイファーの歌です。

●最後までありがとうございました。

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