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My Foolish Heart「愚かなり我が心」という映画と曲についてのいろいろ【12のバージョンを聴く】

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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My Foolish Heart :「愚かなり我が心」という
みなさんご存知のスタンダード・ナンバーがあります。

ジャズを聴いてある方は、多分ビル・エヴァンズのトリオの演奏などがまず頭に浮かぶことでしょう。
しかし、それだけではない名演が多くあります。

映画「愚かなり我が心」

もともとは同名の映画のタイトルでした。
これです。

画像引用元:IMDB

興味ある方はIMDB(Internet Movie Data Base)で御覧ください。

⇨ https://www.imdb.com/title/tt0041672/?ref_=nv_sr_1
スーザン・ヘイワードが主演した1949年の映画です。

原作はサリンジャー

この映画ですが、原作は「あの」J.D.サリンジャーです。

短編集「ナイン・ストーリーズ」に入っている「コネチカットのひょこひょこおじさん」が原作と知って筆者も驚きました。

余談になりますが、この映画を観たサリンジャーは激怒して、以後一切の自作の映画化を許さないことを宣言しました。

「ライ麦畑でつかまえて」を映画化したいと思った人がその後どれほどいたでしょうか? あるいは「フラニーとゾーイー」を映画化したいと思った監督が。
そういう訳で以降の人々が、それを観ることは不可能となったのです。
サリンジャー死後もこの縛りは解かれないようです。

この映画、日本では公開予定が無かったそうですが、主題曲がヒットして有名になったため、日本でも公開されたそうです。(筆者は観ていません)

 

チェット・ベイカー

それで、この曲の色んなバージョンを聴いてみたいのですが、
まず、チェット・ベイカーで聴きます。

 

いきなり、もう黄昏れまくったチェットの声に驚かれたかもしれません。 これ1988年の3月のライブ(パリ)の記録ですから、死の2ヶ月前ということになります。 しかし、メンバーがちょっとすごいのです。

Chet Baker:vocal
Archie Shepp : tenor sax
Horace Parlan : piano
Herman Wright : bass
Clifford Jarvis : drums
recorded March 14th, 1988, New Morning, Paris

チェットはボーカルだけでペットを吹いていないですね。
シェップは前衛的な演奏で名を挙げましたが元来はこういう(ボステナーのような)テナー吹きだと筆者は思っています。
ホレス・パーランのピアノがいい演奏です。

*このアルバムです。
この7曲をやっていますので、興味ある方はどうぞ。
1) Dedication To Bessie Smith’s Blues
2) My Foolish Heart
3) Confirmation
4) When Lights Are Low
5) How Deep Is The Ocean
6) Old Devil Moon
7) My Ideal

 

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歌詞

この曲の歌詞はこのようなものです。

The night is like a lovely tune
Beware my foolish heart
How white the ever constant moon
Take care my foolish heart
There’s a line between love and fascination
That’s hard to see, how many names such as this
For they both have the very same sensation
When you’re locked in the magic of a kiss
Her lips are much too close to mine
Beware my foolish heart
But should our eager lips combine
Then let the fire start
For this time it isn’t fascination
Or a dream that will fade and fall apart
It’s love, this time it’s love
My foolish heart

ソングライター: Ned Washington / Victor Young / Victor Popular Young
マイ・フーリッシュ・ハート 歌詞 © Shapiro Bernstein & Co. Inc.

*ネッド・ワシントン(詩)ビクター・ヤング(曲)という当時のヒット・メイカーの手による曲です。
 
 

ビリー・エクスタイン

曲がヒットしたために映画が日本でも公開されたことを書きましたが、それはビリー・エクスタインの歌唱でした。

1950年のヒット時の歌唱ではなく、後年の来日時の動画で聴くことにします。(訳詞も付いていますので)

●確かに魅力的な歌唱です。当時としては十分にモダンでもあります。

ビル・エヴァンズ

ビル・エヴァンズがアルバム「ワルツ・フォー・ディビー」(1961)の1曲目にこの曲を演ったのは余りにも有名です。

ここではそのバージョンではなく、後の動画で聴きます。
ベース:チャック・イスラエル、ドラムス:ラリー・バンカーです。

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4人の女性シンガー

この曲〈My Foolish Heart〉はたくさんの人が歌っています。

シナトラもトニー・ベネットもナット・コールもカーメン・マクレエも歌っています。

余りベタなものは、避けることにして少し外れた(意外な)ものを聴きたいと思います。 
(かなり個人的なセレクトになります)

ティミ・ユーロー Timi Yuro

ティミ・ユーローを知ったのは、中学生の時にラジオのヒット・パレードで聞いた「涙が頬を濡らす時」という曲でした。

What’s A Matter Baby (Is It Hurting You)

アメリカン・ポップスの中で、ソウルフルな歌唱にヤラれました。すぐにレコード屋さんに走りました。B面は「スターダスト」でした。

これです。

そのティミ・ユーローが「マイ・フーリッシュ・ハート」を歌っています。

●やはりソウルシンガーのような歌でした。
ティミはヒスパニック系の人だったと思います。

カレン・ソウサ Karen Souza

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身の歌手カレン・ソウサの歌で聴きます。

このところ、〈Essentials〉〈Hotel Souza〉 などのヒットアルバムを出しています。

ピアノはアラン・パスクァが弾いています。

ローラ・フィジィ Laura Fygi

オランダ出身の歌手(1955年生まれ)ローラ・フィジィの動画です。

ーーJava Jazz Festival 2005

彼女も何枚もヒット・アルバムがある歌手です。

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キャロル・スローン Carol Sloane

ちょっと新しいところも聴きましたので、少し戻って、
歌の巧さでは定評のあるキャロル・スローンで聴きましょう。

男性シンガー

今度は男性、男声で聴きましょう。

ロッド・スチュワート Rod Stewart

 

●これは意外な掘り出し物ですね。 ロッド・スチュワートのかすれ気味の声がこの曲に合っているようです。
筆者は全然聴いてなかったのですがロッドは、Great American Songbook と題したスタンダード曲集をシリーズでVol.1~Vol.5まで出しているんですね。

他の曲も聴いてみましたがなかなかイイですね。
これはその中からセレクトしたベスト盤。5枚はさすがに多いのでこれで良いのではないでしょうか?(20曲もあります。曲目は下をクリックして見てくださいね。)

ジミー・スコット Jimmy Scott

2014年に亡くなった特異な歌手、ジミー・スコットの歌唱を聴きます。
初めて聴く方には奇異に聴こえる恐れもありますが、味わい深い歌唱です。

ジミー・スコットの追悼盤・I Go Back Homeを聴く

シナトラ、ベネットなどの有名歌手はここでは止めておきますので、男性歌手は2人にしておきます。

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インストルメンタル演奏

インスト演奏を数曲聴きましょう。

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias

ブラジルの女性ピアニスト・イリアーヌ・イリアスのピアノトリオで聴きましょう。
ビル・エヴァンスにデディケートしたアルバムからの1曲です。

副題が〈Eliane Elias sings&plays Bill Evans〉とある通りエヴァンス愛奏曲をピアノで弾き歌っているアルバムです。評判のいいアルバムですが残念なことに入手困難な現状です。 

スタン・ゲッツ Stan Getz

スタン・ゲッツ 1975年のライブ録音です。

リッチー・バイラーク:ピアノ
デイヴ・ホランド:ベース
ジャック・デジョネット:ドラムス
というゲッツとしては珍しいメンバーです。

ゲッツ凄いですね。このメンバーでも全く自分のスタイルで押しまくって俺が!です。
そこがゲッツのいいところなのです!

アーマッド・ジャマル Ahmad Jamal

アーマッド・ジャマル(ピアノ)のトリオ+ジョージ・コールマン(テナーサックス)のいいライブ演奏がありますので、それを聴きます。

ボス・テナーズ (Stitt & Ammons)

さて、最後です。
定番の演奏を一つ。
Boss Tenors: Gean Ammons&Sonny Stitt(アモンズ&スティット)で聴きましょう!

●アモンズとスティット 痺れる名演でした!!
(*スティットはここではアルトを吹いているようです)

まとめ

いかがだったでしょうか。

もともと歌曲なので、歌手が歌うバージョンが多くなりました。

しかし、インスト演奏もビル・エヴァンズの名演ゆえに(と言って間違いないと思います)超有名です。

今回は余り有名ではない歌唱、演奏を中心に聴きました。

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◆スタンダード・ナンバー一覧はこちら

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