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西村賢太のおすすめ作品[芥川賞作家・私小説作家・最も女性に嫌われる作家]

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

西村賢太について語る時

添えられる言葉は大体タイトルに書いたようなことではないでしょうか?

あと2011年芥川賞受賞の際に「賞金で風俗行く」発言も有名ですね。

「東スポ」に話題提供する作家ナンバーワンです。東スポには次の記事も載ったことがあるそうです↓。

『芥川賞 西村賢太 風俗3P』-「印税で悲願実現します」

この件は「一私小説書きの弁」の解説で高田文夫が書いていました。

西村氏は、このことについて、日記↓でこう書いてます。

賢太
『東スポ』の1面の見出しになるのは、一種、男のロマンであろう。
まして小説書きでは、なかなかそれも叶うまい。
実においしい思いをさせて貰えたものである。
 

西村賢太らしいコメントです^^

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芥川賞受賞作 「苦役列車」

私は最新作数編を除いて、ほとんどの作品を読んでいます。

全部文庫本です。しかも中古本です。(Amazonとブックオフにお世話になりました)

単行本と文庫本の一番大きな違いは・・・・

文庫本には巻末に「解説」があることじゃないでしょうか。

西村賢太が2011年に芥川賞を取ったのはご存知「苦役列車」でした。(西村43歳時)

文庫本では石原慎太郎が解説を書いていて、この久しぶりに出た私小説作家を手放しでほめているのですが、

ちゃんと今後のことにも言及していて、こう書いています。

西村氏は貧困から俗福という障害を構えるだろうことでこれからどのように変質していくのだろうか。

俗福による堕落もまた彼にとって格好の主題足り得るのだろうか。

成功のもたらす生活の変質の中で、このしたたかな大男がさらに大きくなるのか萎縮するのかその変質に尽きせぬ興味がある。
                     (平成24年3月)

この石原慎太郎の問いかけの答えはまだ出ていない。

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芥川賞以前 「どうで死ぬ身の一踊り」

西村賢太は芥川賞受賞で、一気にブレイクしたが、本は2006年に「どうで死ぬ身の一踊り」が出ており、そのあたりから、一部の人には注目されていたようです。

 

この本については、管理人がAmazonレビューに書いたものを引用します。

所収されている3篇の最初に置かれている「墓前生活」は同人誌に発表された著者のデビュー作であるらしいのだが、「山門をくぐると・・・」で始まる文章は、小谷野敦氏が既に2007年にレビューしてある通り、実に端正できれいな日本語だ。
初めて能登、七尾の藤澤清造の墓所を訪ねる話だが、寺の副住職の母堂の喋る七尾弁の活写など実に小気味よいもので、見事というしかない。
そのまま次の「どうで死ぬ身の一踊り」に繋がり、一続きに読めるのが親切な配置だ。
最初からここまでの筆力があったのだから、2011年「苦役列車」での芥川賞受賞はむしろ遅すぎたくらいだと思うし、「解説」(参考文献という扱い)で久世光彦氏が『この「どうで死ぬ身の一踊り」以外の作品に次期芥川賞が与えられたら世の中は真っ暗闇だ』という文(2006年)に納得する。

解説といえばこの新潮文庫版には3本も解説があって、久世光彦、坪内祐三、稲垣潤一の三氏の文が読める。
何故稲垣潤一なのかは西村賢太を読んでいる人には分かるはず。

同棲生活、DVの記述については他の方のレビューにおまかせします。

 

余談になりますが、一番数が多い新潮文庫でのカバー裏写真は全てこの→ 写真が使われています。
不敵な面構えに写っているところが、編集者に気にいられているようです。
最近テレビなどに出ている西村氏は随分カワイイ印象になってますもんね。

kenta-nishimura 

初めて読む方へのおススメ 「暗渠の宿」

 

2007年には「暗渠の宿」で野間文芸新人賞を受賞している。

私は初めて西村賢太を読むという方にはこの本をおススメします。

 

この本所収の「けがれなき酒のへど」は西村賢太の作品の主要モチーフを全部凝縮したような、あぶない私小説の典型です。

しかし、女性はこの作品をどう読むでしょうか?

私も女性には積極的におすすめは出来ないのだが、まあ、一度西村世界を覗き見るのも、勉強にはなるのではないか?とは思います。

 

まとめーー芥川賞受賞以後

芥川賞受賞後の作品ですが、

私が読んだ中の1冊はこれです。

6編の短編が収められていますが、そのタイトルが西村世界。

何か凄いタイトルが並んでます。一応紹介します。

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形影相弔(けいえいそうちょう)

青 痣

膣の復讐

感傷凌轢(かんしょうりょうれき)

跼蹐の門(きょくせきのもん)

歪んだ忌日

ーーーーーーーーーーーーー

内容は相変わらず「北町貫太もの」であって、変わらないといえば変わらない。悪く言えばマンネリかも知れません。

しかし、石原慎太郎の問いかけへの答えはまだ出ていないので、目を離すことができないのです^^

 

*気になることを一つ:「朝日書林から全5巻別巻2の「藤澤清造全集」を2001年から刊行する予定だったが、内容見本を出しただけにとどまっており、未刊行である。」

小説の中でも何回も繰り返している「藤澤清造全集」刊行 がまだ実行されていないこと。

金銭的余裕も出来て、今なら実行できるはずなのに、まだしないのは、これをしてしまったらもうおしまい、みたいな感覚を持っているのかな?それとも? と気になります。

 

 

nishimura-kenta

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