JAZZという音楽の魅力を中心に

ジョー・ヘンダーソンのカッコよさを聴こう:その名盤を探る

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

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ジョー・ヘンダーソン
(Joe Henderson, 1937年4月24日 – 2001年6月30日)

凄いサックス奏者でした。

コルトレーンの少し後の世代(10歳違い)でしたが、
主流派(メインストリーム)のジャズはもちろん、フリー、モード、ジャズ・ロックなどどんなスタイルでも演奏出来る人でした。

一番強いイメージはハードボイルドに吹くモードぽい演奏かもしれません。(これは筆者のイメージ?)

かなりの数のリーダーアルバムがあり、またサイドマンとして参加した有名盤もたくさんあります。

そんなジョーヘンの魅力に迫ってみようと思います。

 

出典:Wikipedia
File:Joe Henderson 2.jpg
アップロード: 2008年4月20日

 

ページ・ワン  Page One

ジョーヘンをどこから聴けばいいか迷うのですが、

まずはBLUE NOTEレーベルでのデビュー作〈Page One〉(1963)から〈Blue Bossa〉を聴きます。

このアルバムでジョーヘンを知ったという方も多いと思います。(実は筆者もそうです)

Kenny Dorham – trumpet
Joe Henderson – tenor saxophone
McCoy Tyner – piano
Butch Warren – bass
Pete La Roca – drums

〈Blue Bossa〉はドーハムの作曲でしたが、このアルバムではヘンダーソンのオリジナルとして有名な〈Recorda-Me〉も演奏されていました。

●この後ドーハムと一緒に〈Our Thing〉〈IN ’N OUT〉と2枚のアルバムを出します。前者ではピアノがアンドリュー・ヒル、後者ではマッコイ・タイナーとエルヴィン・ジョーンズが参加しています。

インナー・アージ      inner urge

そしてBLUE NOTEでの第4作が〈Inner Urge〉でした。
これ全てがかっこいいアルバムでした。ジャケットのアートワークから始まって、メンバーが以下のメンツでのワンホーン・アルバムです。
Joe Henderson (tenor sax)
McCoy Tyner (piano)
Bob Cranshow (bass)
Elvin Jones (drums)

録音された’64年、もちろんマッコイとエルヴィンはジョン・コルトレーン・カルテットのメンバーであり、この年は「至上の愛」A Love Surpreme が録音された年なのです。 

ジョーヘン・オリジナル曲が5曲中3曲を占めているのですが、ここでは敢えてコール・ポーターのスタンダード〈Night And Day〉を聴くことにします。

モード・フォー・ジョー    mode for joe

Blue Noteでの最終作〈Mode For Joe〉(1966)は
Lee Morgan, Trumpet
Curtis Fuller, Trombone
Joe Henderson, Tenor Sax
Bobby Hutcherson, Vibes
Cedar Walton, Piano
Ron Carter, Bass
Joe Chambers, Drums というメンツでした。
〈Black〉 という面白い曲想の曲です。色んなことを想わせるのですが、ジョーヘンはいつもカッコいいのです。(下で紹介するThe Sidewinderの2年後の演奏です)

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(初期)サイドマン作品

グラント・グリーンの〈Idle Moments〉

同じBLUE NOTEでのグラント・グリーン作品〈Idle Moments〉で渋い活躍をしているジョーヘンが聴けます。
タイトル曲〈Idle Moments〉です。実はこの曲ではジョーヘンが出て来るのは半分過ぎからなのですが、かっこいいバラードプレイが聴けるのでこれにします。

Grant Green – guitar
Joe Henderson – tenor saxophone
Bobby Hutcherson – vibraphone
Bob Cranshaw – bass
Duke Pearson – piano
Al Harewood – drums

リー・モーガン 〈The Sidewinder〉

みなさん、リー・モーガン、サイドワインダーのサックスがジョーヘンだったことを忘れてはいませんか? 
ここはタイトル・ナンバーを聴くしかありません。

ジャズ・ロックの金字塔The Sidewinderと言ったら大げさですか?

Lee Morgan – trumpet
Joe Henderson – tenor saxophone
Billy Higgins – drums
Barry Harris – piano
Bob Cranshaw – bass

ホレス・シルバー Song For My Father

みなさん、ホレス・シルバーの名アルバム、名曲〈Song For My Father〉のサックスがサックスがジョーヘンだったことを忘れてはいませんか? 
ここはタイトル・ナンバーを聴くしかありません。(と同じセリフの繰り返しです)

Horace Silver — piano
Carmell Jones — trumpet
Joe Henderson — tenor saxophone
Teddy Smith — bass
Roger Humphries — drums

ミロスラフ・ヴィトウス  Infinite Search

ウエザーリポートの初代ベーシストだったヴィトウスの作品「限りなき探求」でサックスを吹いていたのがジョーヘンでした。

●Freedom Jazz Dance 
こういう所ではまたジョーヘンが良く似合うのです。

John McLaughlin(guitar), Herbie Hancock(piano), Jack DeJohnette(drums)

 

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ザ・キッカー The Kicker

ジョーヘンのリーダーアルバムに戻りましょう。

そしてここからはBlue Noteから離れてMilestone レーベルでの作品です。

実はここまで、最もジョーヘンらしいモーダルでハードボイルドな演奏を敢えて避けてきました。

というのもここMilestoneでそのようなかっこよさを十分に聴けるからなのです。

実は筆者はMilestone時代のジョーヘンが一番好きなのです。
(milestone ジャケットがダサイのが残念ですが)

●といいながら、まずかけるのはスタンダード〈Without A Song〉です。
この演奏もめちゃくちゃ好きです。

Joe Henderson – tenor saxophone
Mike Lawrence – trumpet
Grachan Moncur III – trombone
Kenny Barron – piano
Ron Carter – bass
Louis Hayes – drums

このアルバム聴きどころ満載で全曲かけたくなって困るのですが、例えばビリー・ストレイホーンの曲〈Chelsea Bridge〉なんかもやってくれています。

●もう1曲かけるのはA.カルロス・ジョビンの曲〈”O Amor Em Paz〉にします。 こんなカッコいいボッサも珍しいのでは?

テトラゴン  Tetragon

ジョー・ヘンダーソン、1968年のアルバム「テトラゴン」です。

このアルバム、上記「ザ・キッカー」に続きジョーヘンの魅力を爆発させたアルバムです。

実はこのアルバムは2つのセッションから成っていてメンバーが違います。

A.
Joe Henderson (ts)
Don Friedman (p)
Ron Carter (b)
Jack de Johnette (d)
B.
Joe Henderson (ts)
Kenny Barron (p)
Ron Carter (b)
Louis Hayes (d)

●A.メンバーでの〈Invitation〉を聴きます!

●同じくA. メンバーでの、最もモーダル&フリーな曲〈The Bead Game〉を。

あの「サークル・ワルツ」のピアノ、ドン・フリードマンがこんな演奏ができるのですね。

●B.メンバーでの演奏からアルバム最後に置かれているスタンダード〈I’ve Got You Under My Skin〉を聴きましょう。 この曲、その前の6曲を聴いてから聴くのと、そうでないのでは随分印象が違うのではないかと思います。

*もしジョーヘンを1枚だけというなら、この「テトラゴン」をお勧めします。
モード、ブルース、ワルツ、スタンダードといった色んなタイプの演奏が聴けて、どれも充実したジョーヘン節が聴けるからです。

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動画  Take The A Train

ここで動画を一つ挟みます。

何時・何処で というキャプションが一切ないので分かりませんが’90年代半ばと思われます。
Joe Henderson( tenor), Bheki Mseleku ( piano), George Mraz ( bass),
Al Foster (drums)というメンバーでビリー・ストレイホーンの有名スタンダード〈Take The A Train〉を演っています。

■紹介するのはあと3枚に留めます。
晩年の作品ですが(’90年代)いずれも他のミュージシャンに捧げた作品です。

ミュージング・オブ・マイルス so near,so far

マイルス・デイヴィスへのデディケート〈So Near,So Far--musing of Miles〉
です。マイルスの愛奏曲10曲がズラッと並んでいます。

メンバーもマイルスゆかりのミュージシャンを集めています。

JOE HENDERSON – tenor saxophone
JOHN SCOFIELD – guitar
DAVE HOLLAND – bass
AL FOSTER – drums

●ジョシュアーマイルス・クインテットがライブの時のテーマとして演奏していた〈Joshua〉を聴きましょう。

●マイルスがアルバム〈Someday My Prince Will Come〉の中で演奏していた〈Pfrancing (No Blues)〉も聴きます。

マイルスがやったことと、マイルスの人脈がジョーヘンに与えた影響は計り知れない大きなものだったでしょうね。

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ダブル・レインボウ~ジョビンに捧ぐ 

アントニオ・カルロス・ジョビンの曲を取り上げた作品。
ハンコック、ディジョネットなどが共演する曲とイリアーヌ・イライアスなどブラジルのミュージシャンが付き合った曲があります。

●Chega De Saudade (No More Blues)

Joe Henderson: Sax
Herbie Hancock: Piano
Christian McBride: Bass
Jack DeJohnette: Drums

●Felicidade

ジョー・ヘンダーソン(ts) イリアーヌ・イライアス(p) オスカー・カストロネヴィス(g) ニコ・アスンサウン(b) パウロ・プラーガ(ds)

こんな曲も普通にカッコよくやれるところがジョーヘンの強みですね。まぁ、一流のプロですから当たり前と言えば当たり前なんですが。

ラッシュ・ライフ  The music of Billy Strayhorn

ビリー・ストレイホーン曲集です。
タイトルのLush Life はコルトレーンを始め多くのプレイヤーに演奏されているストレイホーンの名曲、スタンダードナンバーです。

ジョーヘンはストレイホーンの曲を気に入っていたようで早くから取り上げていました。(例えばThe Kicker でのChelsea Bridgeなど)
ここではたっぷりとストレイホーン・ナンバーをやってくれています。
*筆者はストレイホーンの曲も好きなのでこのアルバムは嬉しい限りです。

基本の演奏者は以下のメンバーですが曲によって編成が変わります。(ソロ、デュオ、トリオ、カルテットと変わります)

Joe Henderson (ts)
Wynton Marsalis (tp)
Stephen Scott (p)
Christian McBride (b)
Gregory Hutchinson (ds) 

●アルバムでは一番最後に置かれているのですが、ジョーヘンのソロでの〈Lush Life〉を聴きましょう。

●Johnny Come Lately

これはフルのクインテットでの演奏です。ストレート・アヘッドなJazzを聴かせてくれます。

●Raincheck

ストレイホーン世界の曲「レインチェック」も是非聴きたいのです。 サックス、ベース、ドラムスのトリオで演奏されます。

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ロイ・ハーグローヴ with the tenors of our time

最後は変則になりますが、昨年(2018)亡くなった(天才)トランペッター、ロイ・ハーグローヴが5人のテナーサックス奏者をゲストに迎えて一人と2曲づつ演奏するという趣向で作られたアルバム〈with the Tenors of our time〉というアルバム(’93,’94)からの1曲です。

*5人のテナーはジョシュア・レッドマン、スタンリー・タレンタイン、ジョニー・グリフィン、ブランフォード・マルサリスそしてジョーヘンです。

曲はヘンダーソンの曲〈Shade Of Jade〉

まとめ

ジョー・ヘンダーソンの主要アルバムを大体紹介したつもりですが、もちろんもっと多くの録音がありますので(筆者も全部聴いている訳ではありませんし)人によっては筆者が知らない(またはここではオミットした)アルバムで「あれが、いいのに!」ということもあるとは思います。

その点はご容赦ください。

ジョーヘンを褒めるのに、語彙がなく、褒め方を知らない筆者は「かっこいい」としか言ってないのですが、この言葉が一番似つかわしいとは思っています。
最初に書きましたように様々なプレイ・スタイルが出来る人でした。しかし器用という感じではなく、いつもジョーヘン・スタイルだったように思います。

コルトレーン亡き後のテナーサックス界の空白を埋めたのは、この人だったと思います。
もし、この人がいなかったらその後のD.マレイ、G.アダムス、J.レッドマン、B.マルサリスそしてJ.カーターが出てくるまでの間を誰が埋めることができたでしょうか?(B.ハーパー、S.リバースなどはいましたがジョーヘンほどのヴァーサタイルな活躍はムリだったでしょう)

versatile

多才の、多芸な、多方面にわたる、何をやらせてもうまい、多目的に使用できる、何にでも利用できる
(Weblio英和辞典より引用)

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