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ハービー・ハンコック:モダン・ジャズ・ピアノのスーパースターの代表作

 
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団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。
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ハービー・ハンコックほど多様な活躍をしてきたミュージシャンについて書こうとすると、途方に暮れてしまいます。

筆者もおそらくその活動の半分も聴いていないのでは、と思います。

ハンコックは1940年生まれですから、もう77歳になるんですね。若いイメージがいつまでもあるのですが。

参加したアルバムだけでも膨大な数になるでしょう。

よって

ここでは筆者が個人的に印象に残っているアルバムを紹介することになります。

傾向としてはメインストリームのジャズをやっているアルバムになってしまいます。

ハンコックの代表的アルバム

つぎの7枚を選びました。

まず、何と言っても思い入れがある、マイルス・デイヴィス・クインテットの時代のアルバムから2枚。

”Four”&More フォア&モア (1964)

このマイルスの代表作とも言えるアルバムのメンバーが以下のメンバーです。

Miles Davis (tp), George Coleman (ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (dr)

Miles In Berlin マイルス・イン・ベルリン (1964)

このアルバムからサックスにウェイン・ショーターが入ります。

黄金のクインテットのメンバーはこうなります。

 Miles Davis (trumpet), Wayne Shorter (tenor sax), Herbie Hancock (piano), Ron Carter (bass), Tony Williams (drums)

1曲だけ〈Milestones〉を聴きたいと思います。

 

*ハンコックがマイルスのグループに入ったのは Seven Steps To Heaven (’63)からです。 在籍は1968年まで。

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あとはハンコック名義かハンコックがリーダーのアルバムです。

Takin’ Off  (1962)

実質的にハンコックのデビュー・アルバムと言えるもの。

ここから〈Watermelon Man〉のヒットが生まれました。

メンバーは

Hancock(p),Dexter Gordon(ts),Freddie Hubbard(tp),Butch Warren(b),Billy Higgins(ds)

トランペットのハバードとの長い付き合いもここから始まるのですね。
いや、今聴いても名曲だと思います。

◎これは余計かも知れませんが、後年ハンコック自身が〈Watermelon Man〉を作った経緯をピアノを弾きながら語っている動画がありますので、興味と時間がある方はどうぞ。
ハンコックは「ファンク、ブラック・エクスペリエンス」などの言葉を使っていて興味深いです。

 

Empyrean Isles エンピリアン・アイルズ(1964) 

このアルバムも非常に印象に残っています。
〈The Egg〉などかなり前衛的な曲も入っていました。

このアルバムからは〈One Finger Snap〉〈Cantaloupe Island〉などのヒット曲が生まれました。〈Cantaloupe Island〉は〈Watermelon Man〉と曲調が似ていますので、ここでは前者を聴きたいと思います。

 

ハンコックのピアノの当時としては抜群に新しい感覚が良くわかります。

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Maiden Voyage  処女航海  (1965)

次も大ヒットしたアルバムです。 これは「新時代の扉を開いた」とさえ言われる、新鮮さに溢れたアルバムでした。

表題曲〈Maiden Voyage〉です。

メンバーは

Herbie Hancock — piano 
Freddie Hubbard — trumpet 
George Coleman — tenor saxophone 
Ron Carter — bass 
Tony Williams — drums

60~70年代くらいは大体このあたりのメンバーが多いですね。

Dolphin Dance〉という曲(同じくハンコックの曲)も有名になりました。

確かに今聴いても、1965年ジャズがモードを経て、やや閉塞感が漂い初めた時に、「モード・ジャズはまだこんな新しい感覚でやれるんだよ」ということを示したアルバムだったと思います。

なおヴァイブラフォンのボビー・ハッチャーソンが〈Happenings〉というアルバムを出して、そこでもこの〈Maiden Voyage〉の別ヴァージョンをやって見せて、そちらも好評でした。

このアルバムの方にもハンコックが参加しています。

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Live Under The Sky /VSOP  ライブ・アンダー・ザ・スカイ (1979)

正直に書きますと、筆者はこのあたりが最もジャズから遠ざかっていました。

V.S.O.Pというグループも同時代的に聴いてはいませんでした。

このあと、メンバーをどんどん入れ替えて、よりファンク色の強いグループになったようですが、その辺は聴いていません。

そこで、1979年6月、日本の田園コロシアムでのライブ・アルバム〈Live Under the Sky〉を選びました。

メンバーは

Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds),.Wayne Shorter(ts,ss),
Freddie Hubbard (tp)  

というお馴染みのメンツです。曲は〈Eye of The Hurricane

この2枚組アルバムでは(いまさらですが)ロン・カーターというベーシストがいかに凄腕だったかを再認識しました。

Live Under the Sky ’91 ライブ動画

せっかくですので、そのV.S.O.Pの1991年の日本ライブの動画を見てみましょう。

曲は先程聴き逃した〈Cantaloupe Island〉です。

メンバーは

Hancock(p),Wayne Shorter(ts,ss) Stanley Clarke(b) & Omar Hakim (ds) になっています。

いやー、凄いですね。

私はショーターに疑問符(?)をつける一文を書いたこともあるのですが・・・文句ありません。失礼しました。

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The New Standard  ニュー・スタンダード (1996)

ハンコックが15年ぶりに吹き込んだアコースティック・ジャズ・アルバム。ニルヴァーナをはじめプリンスやビートルズの曲など,ジャズから離れたところに題材を求め,それらを鮮烈なジャズに料理してしまう。音の錬金術師ぶりがとにかく凄い!—–Amazonの商品説明より

このアルバムを出したあとNew Standard All Stars として世界各地でライブを行ったようです。日本でのライブ映像がありますので、そこからアルバム1曲目の〈New York Minute〉という曲を聴きます。

メンバーは
Herbie Hancock( piano) 、John Scofield( guitar)、 Michael Breaker( saxophone) Jack De Johnette (drums) 、 Dave Holland( bass)、 Don Alias( percussion)

Gershwin’s World ガーシュウィンズ・ワールド(1998)

このアルバム「ガーシュウィンズ・ワールド」と名付けられている所がポイントです。
よくある、デディケートアルバムとか「プレイズ~」といったアルバムとは違うということをハンコックがライナーに書いています。

ガーシュウィンの曲をただ演奏するだけなら誰にでもできる。
ぼくらの目的は、作曲者が最初に得たひらめきを探ることで、それぞれの作品を核心まで究め、そこから得られた要素を、自分たちの方法で再集成、再構成することだった。

1曲聴きましょう。〈It Ain’t Necessary So〉

素晴らしい演奏だと思います。

Herbie Hancock – piano
Ira Coleman – bass
Terri Lyne Carrington – drums
Eddie Henderson – trumpet
Kenny Garrett – alto saxophone 
James Carter – tenor saxophone

サックスにJ.カーターやK.ギャレットを入れて、女性ドラマー、テリー・リンキャリントンを使っています。

このアルバム、曲によってメンバーが代わります。

もう1曲聴きたいです。〈The Man I Love〉

この見事なジャズ・ヴォーカルは誰だと思いますか?

あの(本来ジャズ歌手ではない)ジョニ・ミッチェルです。

サックスはウェイン・ショーター。(このショターの演奏は筆者が最も好きなショーターの演奏のひとつになりました)

他にもスティーヴィー・ワンダー、キャスリーン・バトルが曲によって現れます。

ハンコックがライナーで宣言していた通り、単なるガーシュウィン曲集ではなく(実際W.C.ハンディやエリントン・ナンバーもやっています)見事なガーシュウィン・ミュージックの再構築となったアルバムでした。

まとめ

こうしてハンコックの音楽の(一部)を追ってきて、思うのは

’60年以降のジャズの中心に間違いなくハンコックがいたのだなーということです。

その共演したミュージシャン達(ここでは十分に紹介出来ていませんが)を見るだけでも、
ハンコックというピアニスト、ミュージシャンの果たした役割の重要性を感じます。

逆に言うと、もしハンコックというミュージシャンがいなかったら、ジャズーフュージョンーその他の音楽の有り様も幾分か変わっていたかもしれません。

 

今、ブラッド・メルドーなどがまた新しい感覚をジャズにもたらすピアニストと言われています。

ハービー・ハンコックが作ってきた音楽の一部だけでも紹介できたら幸いでした。

*ハンコックに詳しい別の方が書いたら、選んだら、全然違うハンコック像を描くのかもしれません^^。

◎付き合って下さってありがとうございました。

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