JAZZという音楽の魅力を中心に

ジャズの名盤

カテゴリー

映画「グリーンブック」は必見!中高年にはどストライク、音楽好きにもお勧め、笑いと感動の2時間

 
この記事を書いている人 - WRITER -
団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

キャッチ画像は映画サウンドトラック盤のジャケット・カバー

Sponsored Link

時代は1962年

Inspired by a True Story :真実の物語に基づいて

天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の最南部ディープ・サウスを含む演奏旅行ツアーの運転手として雇われたのは、無学なイタリア系白人のトニー”リップ”バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)。

画像出典:https://gaga.ne.jp/greenbook/

画像出典:https://gaga.ne.jp/greenbook/

1960年代始めの南部を白人が運転して、黒人が後部座席に座った車で走ることはそれだけで「事件」なのです。

二人の旅は様々なエピソードを積み重ねながら深まってゆきます。

ロード・ムービーとしても最高です。車の中での二人の会話が最高なのです。

*トニーは冒頭のシーンで、家に来た黒人二人の労働者に奥さんが飲み物を出した時に使ったガラスコップをゴミ入れに放り込むような男であることが描かれます。

ドクター・シャーリー(Don Shirley)の実際の音楽・演奏に興味ある方はこれをBGMとして流しながら読んでくださるといいと思います。

予告編~みどころ

まずは、映画の概要が分かる予告編を。

●冒頭のシーン、クラブ「コパカバーナ」の用心棒をしているトニー。
ステージで歌っている小柄な歌手はボビー・ライデル。(彼もイタリア系でした)
*この当時、ボビー・ダーリン、ボビー・ヴィントン、ボビー・ヴィー、ボビー・ライデルが4人ボビーと呼ばれていました。

予告編で分かるように

●ドクター・シャーリーは黒人のピアニストです。
クラシックの教育を受けたクラシック・ピアニストなのです。(音楽その他の学位を取りドクターの称号を得ます。語学にも堪能で英語以外に少なくとも4ヶ国語は話せることが暗示されています)

しかしプロデューサーから黒人のコンサート・ピアニストは難しいので、ポピュラー&ジャズ系の演奏をすることを勧められエンターテインメントをやっているのです。
そして、ピアノ、チェロ、ベースのトリオで敢えて南部を巡るツアーに出ることになる訳です。

Sponsored Link

フライドチキン

最初の爆笑シーンがこれでした。

ケンタッキー州に入った時、トニーはバレルで買ったKFCを運転しながら食べ、フライドチキンを食べたことがないというドクターに、無理やり食べさせます。
皿がない、フォークが無いと言っているドクターにチキンを放り投げます。手づかみで食べるチキンをドクターは気に入ったようです。
「ところで骨は?」と聞くドクター。窓を開けて骨を放り投げるトニー。笑って同じようにするドクター。
でもドリンクカップを放り投げたトニーにドクターは戻るように命じます。

トニーが書く妻への手紙

ツアーに出る前、トニーは奥さんから「電話は高いから手紙を書いてね」と言われます。

トニーがいろんな場所から手紙を書くシーン。
予告編にありますが、その「子供の手紙」に呆れたドクターは手紙の添削を始めます。
トニーの手紙はどんどん上達します。
変化したトニーの手紙に驚く奥さんのドロレス。 いいシーンです。

そうしているうちにトニーは手紙の書き方を学習し自力で「いい手紙」を書けるようになります。

画像出典:ttps://gaga.ne.jp/greenbook/about.html

 

トニー”リップ”バレロンガの奥さんドロレスを演じる
リンダ・カーデリーニが魅力的です。美しく優しいけどイタリア系らしい蓮っ葉な感じも出していて男は惚れてしまうでしょう。こんな奥さんがいるトニー・リップが羨ましいと^^。

1975年生まれ。

 

黒人音楽

カーラジオからチャビー・チェッカーリトル・リチャードが流れます。

「知らない」というドクター・シャーリー。
「黒人のくせにチャビー・チェッカーを知らない!?」と驚くトニー。

その後、サム・クックアレサ・フランクリンも話題になります。
「サム・クックはあんたの同胞だろ?」

後に現れるトニーの名台詞
「あんたよりオレの方が黒い」

*ラジオから最初に流れたのはリトル・リチャードの「ルシール」でした。

ティッツバーグというジョーク

ピッツバーグに向かう時、トニーが「ティッツ巨乳バーグは愉しみだ。巨乳が多いらしい!」と。Pittsburgh-Tittsburgh
そしてピッツバーグを去ったあとでのトニーの呟き。
「ティッツバーグは他の町と同じだったな・・・」

●面白エピソードばかりを書きました。
(記憶で書いていますので、セリフの細かいところは違っているかも知れません)

・ロバート・ケネディ司法長官のこと

・セクシュアリティのこと

なども重要な逸話でした。

二人の友情が深まっていき、お互いさりげないけど、いいセリフの応酬がありました。

例えば・・・「あの事件」があった翌日のトニーの言葉
「俺はNYのクラブで働いていたから良く知っている。・・・この世界は複雑だ」など。

Sponsored Link

監督 (ピーター・ファレリー)

 

画像出典:https://gaga.ne.jp/greenbook/about.html

 

監督は1956年生まれのピーター・ファレリー。

筆者が見たファレリーの映画は、キャメロン・ディアス主演の『メリーに首ったけ』(98)というシモネタ満載のラブコメディ1本です。

これは本当に笑えました。
そのファレリーがこんな映画を作ったんですね。
 

ドン・シャーリーのこと about Don Shirley

最後エンドロールで実際の二人が紹介されます。
二人の友情はその後も続いて、奇しくも二人共2013年に亡くなったと。

 

Donald Walbridge Shirley (January 29, 1927 – April 6, 2013) 

映像出典:Wikipedia

 

Amazon でDon Shirley で調べればたくさんのアルバムがあります。

いくつか聴いてみましたが、取り敢えずこれが一番いい(Jazzっぽい)ようです。
*いかにもクラシックのピアニストが弾くポピュラー~ジャズという感じではあります。

最後クリスマスに、トニーの家でドクターシャーリーとドロレスが初めて会うシーン。
ドクターシャーリーの始めの言葉はこれしかありません。
Dr.Shirley : You must be Dolores.

ドロレスは手紙のことなど、何でも分かっていたようです。

おわりにーーアカデミー賞について

2019アカデミー賞で
この「グリーンブック」が作品賞
ボヘミアン・ラプソディ」が主演男優賞
という結果はいいバランスでよかったのじゃないか、、と思います。
*その裏では色々あったかもしれませんが。

●この映画が素晴らしいのは全てのシーンが欠かせないエピソードとなっていて、主演の二人や当時のアメリカの状況を見事に描いていることです。(つまり全てのシーンが見どころなのです。このような映画は余りみたことがないような気さえします)感動します。
二人だけでなく全ての出演者の人物造形が見事です。(全ての出演者が「生きて」いました)

一つ一つのセリフが大事で、後の伏線になったりもします。複雑なアメリカ社会の状況を単純化して見事なエンターテインメントに仕上げる手腕に感心します。

Sponsored Link

 

Thank you very much for reading this article.
読んでくださってありがとうございます。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
団塊世代ど真ん中です。 定年退職してからアルト・サックスを始めました。 プロのジャズサックス奏者に習っています。 (高校時代にブラスバンドでしたけど当時は自分の楽器を持っていませんでしたので、それっきりになりました) 主にジャズについて自由に書いています。 独断偏見お許しください。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© ジャズの名盤 , 2019 All Rights Reserved.