ジャズのドラム:厳選10人のドラマー

      2017/05/03

ジャズの歴史の中で多くのドラマ―がいました。

その中から10人のドラマーを独断と偏見で選びました。

ジャズに詳しい方、「あれっ、ケニー・クラークが入ってないじゃないか。(またはマックス・ローチが、バディ・リッチが入ってない)」などと言わないでくださいね。

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アート・ブレイキー

art blakey

私が初めて知ったジャズのドラマーはアート・ブレイキー(1919-1990)でした。

中学生の時、1963年にアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャ-ズの来日公演があることを知りました。(ポスターをじっと見つめた記憶があります)

その頃は私はジャズがどんなものか知りませんでした。
ただ何故か Art Blakey and his Jazz Messengers という言葉がかっこいいものとして、響いたのです。

しかし、名前を覚えただけで、実際にその演奏を聴きに行くことはありませんでした。中学生が一人で多分高価であったであろうチケットを買って、ジャズを聴きに行くことはハードルが高いものだったのです。

しかし同じ中学3年生だった村上春樹はちゃんと聴きに行っているのですね。

「ポートレイト・イン・ジャズ」のアート・ブレイキーの項でこう書いています。

生れて初めて「モダン・ジャズ」に触れたのは、1963年のアート・ブレイキー+ジャズ・メッセンジャーズのコンサートだった。
僕は中学生でジャズがどういう音楽かといことさえろくに知らなかった。
(中略)

確か1月の寒い日だった。
メンバーはフレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、カーティス・フラーらの若手がフロントをつとめる、新編成のモーダルな3管セクステットーー今から思えば時代を画する素晴らしいラインナップだけど、その時は全然そんなことは分らない。
(中略)
その夜に耳にした音楽が理解できたかというと、これはやはり難し過ぎた。
(中略)
でもそこには何か、僕の心を刺し貫くものがあった。「今日目の前にしているものは、よく理解できないにせよ、僕自身にとっての新しい可能性を秘めた何か なのだ」と本能的に感じることができた。

実際に聴きに行くのと、行かないのでは大きな違いです。^^(さすが村上春樹)

アート・ブレイキーはメンバーを変えながらもその後も長くこのバンドを維持し続け、メッセンジャーズはモダン・ジャズを代表するバンドであり続けました。

アート・ブレイキーの名前はドラマーとしてより、そのバンドのリーダーとしてジャズファンの心に刻まれたかもしれません。

ここで1曲。有名な「モーニン」Moanin’ を動画で見てみましょう。
上に書いた1963年よりもう一つ前のメッセンジャーズです。
リー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(テナーサックス)、ボビー・ティモンズ(ピアノーーこの曲の作曲者)、ジミー・メリット(ベース)そしてブレイキー御大です。

 

もう1曲。時代は一気に30年ほど後の1989年。日本のマウント・フジ・ジャズ・フェスでのライブ映像です。 曲はこれもかっての大ヒット曲「ブルース・マーチ」 です。

メンバーはもう若手の人ばかりで、

Art Blakey:ds Terrence Blanchard:tp Robin Eubanks:tb Bobby Watson:as Mulgrew Miller:p Cameron Brown:b  です。
ブレイキーはいったい何回来日したことでしょう。

 

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ジーン・クルーパ

私が生まれて初めて買ったジャズのレコードが 〈Gene Krupa featuring Charlie Ventura〉というアルバムでした。

ジーン・クルーパ(1909-1973)はブレイキーより1世代前のドラマーです。

ベニー・グッドマン楽団での演奏が有名です。特に「シング・シング・シング」はいまだにビッグバンド・ジャズの代名詞のように言われています。

Gene_Krupa

バディ・リッチ、ルイ・ベルソン、ジーン・クルーパはモダン以前の3大白人ドラマーと呼ばれて、絶大な人気があったと聞いています。

ベニー・グッドマン時代の古い映像などもありますが、ここでは後年(1971年)の映像でジャズ・リジェンドたちが勢ぞろいしたものを見てみましょう。

司会が歌手のメル・トーメ、ヴァイブ奏者のライオネル・ハンプトンとピアノがテディ・ウィルソンという組み合わせでのジーン・クルーパのドラミングが見れます。

後半はズート・シムス(テナーサックス)、ロイ・エルドリッジ(トランペット)などが入った豪華メンバーでの演奏→ビッグ・バンドでの〈Sing,Sing,Sing〉などが入っています。

さすがに一時代を築いたドラマーだと思わせてくれます。

 

クルーパのドラマセットにはハイハットが無いようですね。

バディ・リッチとのドラム合戦みたいな映像もありますが、、、それは止めておきましょう。

 

ジョー・ジョーンズ

フィリ-・ジョー・ジョーンズではありません。

パパ・ジョー・ジョーンズの方です。(1911-1985)
その人柄といつもニコニコしているので「パパ」と親しみを込めて呼ばれたようです。
もともとカウント・ベイシー楽団のドラマーとして活躍した人です。

この人の画像はアタマが禿げているものしか見たことがありません。若いころから禿げていたようです^^

でもかっこいいいドラマーでした。クルーパと同じくらい古い人なんですが、結構新しい時代の演奏にも対応したようです。
1957年のJATP(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)での映像を見ましょう。

 

トニー・ウィリアムス

さて次はもうトニー・ウィリアムス(1945/12/12–1997/2/23)です。

tony williams

数多くのジャズのドラマーの中で「天才」という言葉がもっとも相応しいのがトニー・ウィリアムスだと思います。 一つはその早熟性です。

ディスコグラフィーを見ると、マイルス・ディヴィス・クインテットにアンソニー・ウィリアムスの名前が最初にクレジットされたのは〈Seven Steps To Heaven〉です。
その録音は1963年5月ですから、トニーは若干17才だったことが分かります。

そしてそのしょっぱなからトニーは信じられないドラミングをしました。

翌’64年のアルバム〈Four And More〉を聴いてみましょう。

このドラミングは最高に新しく、かっこいいものだと感じられました。(私はドラミングの詳細について詳しくありませんので、そのテクニックのどこがどのようにかっこいいのかを説明することは出来ません。しかし、「聴けばわかる!」というレベルの新しさだったことは間違いありません)

そして、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)というリズム・セクションは最高にカッコいいバンドの最高にカッコいいリズム・セクションとして世界を魅了しました。

動画でも見てみたいですね。
’67年のドイツでのライブから〈Walkin’〉

この時でもトニーはまだ21才。 その超高速シンバル・ワークは驚きです。

サックスはウェイン・ショーターですね。

 

エルヴィン・ジョーンズ

エルヴィン(1927-2004)です。

Elvin_Jones_3

トニー・ウィリアムスが天才であったなら、エルヴィンは「至上最高のジャズ・ドラマー」と言えるでしょう。

トニーがマイルス・デイヴィス・クインテットで活躍した時に時を同じくして、エルヴィンはジョン・コルトレーン・カルテットのドラマーとして活躍しました。

まさに時代は「マイルスとコルトレーンの時代」でした。

コルトレーン、マッコイ・タイナー(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、エルヴィン(ドラムス)は黄金のカルテットと呼ばれました。

コルトレーンが、そのサックスの音で空間を埋め尽くすように、エルヴィンはドラミングで空間を埋め尽くしてコルトレーンに呼応しているように聴こえます。

エルヴィンの演奏はポリ・リズムと呼ばれ、4本の手足で異なったリズムを叩きだすと言われていました。

1965年ベルギーでのライブ演奏を聴いてみましょう。

1968年にエルヴィンが自己名義で出したアルバム〈Heavy Sounds〉というアルバムがなかなか良いアルバムでしたので、聴いてみたいと思います。ベースはリチャード・デイヴィス。サックスはフランク・フォスター。 タイトル通りへヴィーな音です。

 

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ジョー・モレロ

ジョー・モレロ(1928-2011)を知ったのは、勿論デイヴ・ブルーベック・カルテットのドラマーとしてです。

davebrubeck-joemorerro

盲目のドラマーと書かれることが多いようですが、かなりの弱視ではあったけど完全に盲目ではなかったようです。サングラスをしている映像も多いようですから、段々に悪化したのかもしれません。それはともかくデイヴ・ブルーベックのグループの成功の大きな要因の一つがモレロのドラムにあったことは間違いないでしょう。

特に世紀の大ヒット〈Take Five〉のドラムを聞けば、この曲の成功がモレロのドラム無しではあり得なかったことが分かります。

この曲のリズムは5/4拍子でした。カウントは1,2,3,1,2と取ると乗りやすいです。

このような変拍子の曲が大ヒットとなったのも不思議かも知れません。ちなみに作ったのはアルトサックスのポールデスモンドです。

 

 

 

 

モレロのドラミングにスポットした動画もありましたので、しつこいですがアップします。

他に、モレロ名義で出た〈Collections〉というアルバムも大好きです。
アート・ペッパーなどをフューチュアして素敵なアルバムです。ベースはベン・タッカーでした。

シェリー・マン

白人3大ドラマーのことを書きましたが、
白人ドラマーの代表と言えば、普通のモダンジャズ・ファンであれば一番に思い浮かべるのはシェリー・マンかもしれませんね。

大ヒットしたアルバム「マイ・フェア・レディ」を聴いてみましょう。

実にタイトなドラムですね。これぞモダンジャズ・ドラミングという感じです。
ピアノはフランス人のアンドレ・プレヴィン、ベースはルロイ・ヴィネガーです。

シェリー・マンが背後からヒシ、ヒシ、ヒシとシンバルを叩けば、紛れもなくジャズが始まると感じさせてくれます。
フロントもマンに煽られると、たまらなかったと思います。

シェリー・マンが人気があったのが良く分かります。

動画でも見てみましょう。1962年、TV出演時動画とのキャプションがあります。
曲は〈Speak Low〉

 

私が愛聴しているシェリー・マンのアルバムは以下の5枚シリーズのCDです。

↑これがVol.1でVol.5 まであります。

 

ジャック・ディジョネット

色んな褒め方があるのですが、
ディジョネットは「現代最高のドラマー」と呼ぶのが相応しいでしょうね。

jack-dejohnette

その幅広い活躍は周知のことですが、特にキース・ジャレット・トリオのドラマーとしても有名です。

ディジョネットは「押しも引きも出きる」ドラマーですが、ここではブラジル出身のピアニスト、イリアーヌ・イリアスのバックを務めている画像がありましたので、それをアップします。ベースはビル・エヴァンズ・トリオ、最後のベースだったマーク・ジョンソンです。3人の魅力が味わえるステキな動画です。

 

そしてディジョネットの魅力を知るにはやはりこのような動画が適切かと思いますので、アップします。 Pat Metheny, Herbie Hancock, Dave Holland, Jack DeJohnette での Cantaloupe Island (1990)です。 このメンツはパラレル・リアリティーズですね。

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スティーブ・ガッド

ディジョネットを「現代最高のドラマー」と呼んだのですが、それに劣らない活躍をしてるもう一人の現代ドラマーがスティーブ・ガッドです。

「フュージョン最高のドラマー」と呼んでもいいのですが、その範疇に収まり切れないほどの実力を持ったドラマーだと思います。

自己のバンド THE GADD GANG のライブ映像を見ましょう!

このメンバー、コーネル・デュプリー(ギター)、リチャード・ティー(キーボード)、エディ・ゴメス(ベース)、ロニー・キューバ―(バリトンサックス)というメンバーは実に魅力的です。

本来ならもう少し新しい、近年のガッドを紹介すべきでしょうが、先ほどのメンバーでやっている 〈My Girl~I Can’t Stop Lovin’ You> というメドレーも是非聴いて頂きたいもので、同じメンバーでの2連発アップにします。

 

なお近年のポール・ボーレンバック(ギター)、ジョーイ・デフランシスコ〈オルガン)を加えたグループもすごくイイのでCD紹介します。

 

ロイ・ヘインズ

最後は敬意を評してロイ・ヘインズにします。

何と1925年生まれの現役ジャズ・ドラマーです。

チャーリー・パーカーとの共演経験がある最後の一人。
生ける伝説です。

さまざまなレコードにその名前が刻まれています。

↓1966年スタン・ゲッツとの共演映像です。バスドラ、スネア、ハイハット、シンバルをフル回転で叩くヘインズの雄姿です。

●そして2009年84歳での映像です。しかもジョン・パティトゥッチ(べ-ス)デイヴ・キコスキー(ピアノ)という全く現代を代表するプレイヤーを擁しての Roy Haynes Trio です。 スペインでのライブ。

*ラテン圏(フランス、スペイン)などでは、ドラムのことをバッテリと呼びますね。

 

まとめ

10人に限定してジャズ・ドラマーをまとめてみましたが、それでも壮観なことになりました。

他に挙げたかったドラマー名を列記します。

●バディ・リッチ

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バディ・リッチの映像は絵になります。

●フィリー・ジョー・ジョーンズ

●マックス・ローチ

●ジミー・コブ

●ビリー・ヒギンズ

●アート・テイラー

●アル・フォスター

●ジェフ・ワッツ

☆最後まで読んで下さってありがとうございます。

また、お会いしましょう。

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