チェット・ベイカー礼賛:ジャズを生きた男の名演、名盤を探して

      2017/11/19

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このブログでさまざまなジャズ・プレイヤーについて書いてきました。

マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズ・・・

もし誰かから

誰かさん
で、結局誰が一番好きなんですか?

 

と尋ねられたらどう答えようと考えました。

ジャズにおける白人プレイヤー

今の私だったら、こんな答えになるでしょう。

1.ビル・エヴァンズ

2.アート・ペッパー

3.ポール・デスモンド

4.スタン・ゲッツ

・・・・・って全部白人じゃないですか。

いや、勿論ジャズは黒人によって創造された音楽だと思っています。

ジャズという音楽を強く推し進めてきたのは黒人だと思います。

パーカー、パウエル、モンクなどの天才。

そしてマイルスやコルトレーンという真の革新者。

しかし、結局好きなのが白人プレイヤーって・・・

この問題を深く詮索するとそれだけで一つのテーマになりそうなのですが、ここでは深追いしません。
ただ、一言「洗練」ということは間違いなくあると思います。

チェット・ベイカーの魅力

そしてこのところ改めて見直しているプレイヤーが

やはり白人トランペッター・アンド・ヴォーカル

チェット・ベイカーなのです。

まあ、何を今更という方もいるでしょうが、

実はベイカーは私の中でずっと二番手というか一番好きなプレイヤーではなかったのです。

彼のヴォーカルも今ひとつ納得できていなかったのです。

しかし、このところベイカーの魅力をしみじみと感じるようになってきました。

これだけ、いまだに人気があり、小説などにも登場する訳がやっと分かってきました。

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ディア・オールド・ストックホルム with スタン・ゲッツ

ここで1曲聴きましょう。

スゥエーデンのフォークソングがジャズの名曲になった〈Dear Old Stockholm〉

それをスタン・ゲッツと共にやっているものです。

いやー、何とも素晴らしい演奏ですね。

1983年2月ストックホルムでのライブ演奏です。

このネタ・アルバムを探しました。

これでした。

ご覧の通り廃盤で入手困難になっています。

3枚組でおそらくコンプリート盤だと思われます。(全23曲)
これは再発して欲しいですね。

その代わり今入手できるのはほぼ同時期のノルウェイでの録音のこれです。

こちらは2枚に分かれて発売されています。

ただ残念なことに「ディア・オールド・ストックホルム」は演っていません。

ベイカーとゲッツの共演はたくさんありそうな気がするのですが、それほどありません。
(遡ること30年、1953年の共演盤が有名なようです)

チェット・ベイカー・シングズ

おそらくベイカーのアルバムで一番人気があって、いまだに売れ続けているのがこの「チェット・ベイカー・シングズ」でしょう。

1954&56年の録音ですが、確かにベイカーの魅力に溢れた1枚です。

2曲聴きたいです。

〈I Fall In Love Too Easily〉と〈Look For The Silver Lining〉

 

〈Look For The Silver Lining〉の方ですが、このタイトル「銀色の縁取りを探して」って意味がよくわからないですね。

歌詞を見るとこうです。

Look for the silver lining
Whenever a cloud appears in the blue
Remember, somewhere the sun is shining
And so the right thing to do is make it shine for you

A heart full of joy and gladness
Will always banish sadness and strife
So always look for the silver lining
And try to find the sunny side of life

(意訳)暗い雲が現れても、その裏側は太陽に輝いていることを想おう
    そう想えば悲しみや争いも消える
    だから、いつもものごとの明るい面を見るようにしたいね!

ダークサイドの裏には明るい面があるのだから、そちらを見たいものだ、と歌っています。

このような明るい歌詞はチェットの歌では珍しいかもしれません。 

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枯葉

さてベイカーの演奏で「枯葉」をやっているこのアルバムも有名ですね。

CTIレーベルから1974年に出たこの原題が〈She was too good to me〉というアルバムはかなりヒットしました。

ポール・デスモンド(as)、ボブ・ジェームス(el.p)、ロン・カーター(b)、スティーヴ・ガッド(ds)(半分はジャック・ディジョネット)というメンバーも豪華でした。

聴くならやはりタイトル曲ですね。イヤ他の曲もいいのですが。つまり名盤ということです。

これはもう何度聴いても飽きない名演奏です。

 

チェット・ベイカーの生き方

ベイカーの58年の人生(1929-1988)は語られ尽くしていますし、

映画にもなっています。

・映画「ブルーに生まれついて」Born To Be Blue (イーサン・ホークがベイカーを演じた)

・ドキュメンタリー映画 〈Let“s Get Lost〉

だからここでは多くは語りません。

私はベイカーの「淡々とした」生き方に「ジャズを生きた人」という気がします。

波乱万丈な人生を送りながら、てらいも悔いもなく、淡々とジャズを演っていた印象があります。

生涯ついて回った麻薬問題についても
ベイカーは「俺の稼いだ金でヤクを打って何が悪い。アンタに迷惑をかけたか」(原田和典ーLet’s Get Lost ライナーノートより)と言ったとか言わないとか・・・。 

3枚を選ぶ

◎この後は好きなアルバムを3っつ選ぶことにします。

ベイカーは膨大な録音があるので、選ぶことは大変難しいのですが、何とか次の3枚に絞りました。

ジム・ホールの〈CONCIERTO〉

先程の「枯葉」と同じCTIレーベルからジム・ホール名義で出たアルバム(1975年)です。

メンバーは
Jim Hall (guitar)
Chet Baker (trumpet)
Paul Desmond (alto sax)
Roland Hanna (piano)
Ron Carter (bass)
Steve Gadd (drums)  というものです。

曲は〈You’d Be So Nice To Come Home To〉

ジムホール、ポールデスモンド、チェットベイカーという白人3人の音のミクスチュアにはたまらない魅力を感じます。

初めに書いた白人ジャズ問題ですが、彼らの音楽はやはり黒くないのです。

ベースのカーターと、ピアノのハナは黒人ですけどね。ドラムスのガッドは白人だったと思います。

このジャズの黒人=白人 問題はいつか書いてみたいと思います。

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CANDY

次はもう1985年のアルバム〈CANDY〉です。

歌っていない曲にしたいと思います。
マイルスの曲〈Nardis〉

Jean-Louise Rassinfosse-bass
Michel Grailier-piano

Diane

最後になります。
これも1985年のアルバム。
ポール・ブレイ(ピアノ)とのデュオです。

曲は〈If I Should Loose You〉

このしみじみとした味わいはさすがに若い頃にはなかったものです。

ベイカーは1988年にアムステルダムのホテルの2階から転落死しますので、死の3年前の録音ということになります。

まとめ

チェット・ベイカーは1975年以降はヨーロッパに移っていますので、後年の録音は全てヨーロッパ録音になります。

ヨーロッパのSteepleChase,Sonet などのレーベルがベイカーの録音を残してくれたことが嬉しいことです。

この際に下記のボックスセットで、聴いていなかった盤も聴きましたが、初期の頃からトランペットの実力もマイルスに負けない演奏をしていました。

他にも紹介したい良いアルバムが、特にヨーロッパ録音のものに、たくさんあるのですが割愛します。

チェットの音楽を聴く人は彼のヴォーカルを好む人が多いようですね。

勿論ヴォーカルの魅力も分かりますが、私は歌ったあとに、トランペットを吹くからこそチェットだと思っています。

もしペットを吹かなかったら魅力は半減すると感じます。

つまり私はやはり味のあるトランペッターとしてのチェットベイカーが好きなのです。

そして、歳を重ねるほどその味が深まったように感じられ、そんなチェットベイカーが、こちらも歳をとるほど好きになってきているようなのです。

Thank you for visiting the site, see you again

 

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 - ジャズ