「宇宙創生」は宇宙の始まり、ビッグバン宇宙論の全歴史を分かり易く解説するサイモン・シンの力作!

      2017/09/04

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サイモン・シン 著

青木薫 訳 の

フェルマーの最終定理」という本が余りに面白かったので

この本のことをブログ⇒ に書いて、

引き続き、同著者、同翻訳者による

宇宙創生」を読みました。 (上下巻、原題はずばり「Big Bang」)

サイモン・シンの本

 
Simon Singh
1967年、イングランド生まれ。
祖父母はインドからの移民。
ケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号取得。
BBCのTVドキュメンタリー「フェルマーの最終定理」(’96)で国内外の賞を多数受賞。
翌年同番組をもとに同名書を書き下ろす。

サイモン・シンと青木薫のコンビの本は次の4冊が出ています。

1.フェルマーの最終定理

2.暗号解読

3.宇宙創生

4.代替医療解剖

私はまだ1.と3.の2冊しか読んでいませんが

このような科学的なテーマを素人にも分かり易く、読み物として面白く書かせたたら
サイモン・シンの右に出る人はいないようです。

どの本も、このようなテーマの本としては異例の売れ行きとのことです。

2と4も読むつもりです。

 

宇宙の不思議

さて「宇宙創生」ですが

誰でも宇宙について不思議に思うことがたくさんあるはずです。

例えば

・宇宙の始まりは何時なのか?

・宇宙はどのように始まったのか?

・宇宙が始まる前はどうだったのか?

・宇宙に果てがあるのか?(宇宙の先はどうなっているのか?宇宙の果てに行って、手を伸ばせばその先に何があるのか?)

・宇宙に終わりがあるのか?(宇宙が終わった後の世界はどうなるのか?)

・宇宙は膨張し続けているのか?

・生命はどのようにして発生したのか?

・宇宙には他に生命体がある?

キリがない疑問の山ですね。

他にも

・太陽は何故輝き続けているのか?

・地球が生まれたのは何時?どのようにして?

・一番遠くに見える星はどれくらい遠い?

など、など・・・哲学的になると

・何故人間が存在するのか?
などとというほとんど宗教的な色彩を帯びた疑問まで出てきます。

この本が、この全ての問に答えている訳ではありません。

まだ、まだ 分かっていないことも多いのです。

しかし、サイモン・シンは可能な限り丁寧に、親切に答えようとしています

私は「宇宙論」などで他の本も読んでみましたが、ここまで読み手の立場になって、分かり易く書いてある本は他に無いと思います。

それは「フェルマーの最終定理」と同様です。数学を読み物として、これほど分かり易く書いた本も珍しいでしょう。

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ビッグバン・モデル

 

この本では主として「ビッグバン・モデル」という宇宙の始まり方に至るまでの、人類の思考の歩みが述べられています。

紀元前の古代から20世紀に至る、数多くの天才的な哲学者、科学者、天文学者、数学者、物理学者の名前が挙げられます。

主要な人だけでも名前を挙げておきましょう。

ピュタゴラス、プトレマイオス、コペルニクス、ケプラー、ガリレオ、レーマー、ニュートン、フリードマン、ルメートル、ハーシェル、メシェ、アインシュタイン、ヘンリエッタ・リーヴィット(女性です)、ドップラー、ハッブル、ラザフォード、ガモフ、アルファ、ハーマン、ホイル、ベンジアス、ウィルソン。

その一つ一つを取っても1冊の本が書けそうな挫折と栄光の繰り返しの積み重ねのあとに現代のビッグバン・モデルがあります。

ビッグバン・モデルとは簡単に言ってしまえば(それが結構難しいことですが)

「高温、高密度の原初のスープに大爆発(Big Bang)が起こり一瞬にして宇宙が始まった」

という考え方です。(上の表現で問題ないかな?)

そのような考えに至る紆余曲折は、もう読んでもらうしかありません。

いちいちその内容を書くことは不可能だからです。

しかし、親切なサイモン・シンは最後の章の後に「エピローグ」を書いて、総まとめをしてくれています。

このエピローグから引用することで、紹介に替えることにします。

 

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「宇宙創生」のエピローグ

シンがこの本のエピローグでまとめていることを書くことで、この本でどのようなことを書いているかを想像してみて頂きたいと思います。

Just Six Numbers

英国王室天文学者のマーティン・リースに「宇宙を支配する6つの数」という著書がある。

その中で「宇宙の構造は突き詰めれば6つのパラメーターで決定されている(その一つは重力である)」と書いている。

例えば ε(イプシロン)というパラメーターについて述べている。(εの内容は省略)

測定によれば ε=0.007だそうだ。 この値が0.001でも上にでも下にでも変わっていれば、(ε=0.006または ε=0.008)宇宙を構成する元素(水素やヘリウム)に重大な影響があり、いずれも生命が生じる可能性はないーーーそうなのだ。

リースはこうして、6つのパラメーターを次々と吟味し、6つの内1つでも今と違った値であったら、これらの数がわずかでも違っていたなら、宇宙は不毛な世界になるか、生まれてすぐに死んでいただろうと予測している。

結果として、まるで6つの数は、生命を出現させるべく調節されているかに見えるのだ。
あたかも宇宙の進化を決める6つのダイアルがあって、それぞれの値が注意深く設定され、われわれが存在するのに必要な条件を作り出しているかのように。
著名な物理学者フリーマン・ダイソンはこう書いた。
「宇宙の構造を詳しく調べて行けば行くほど、ある意味で、宇宙は我々の登場をあらかじめ知っていたに違いないという証拠が見つかるのである」

◎これは別の所で読んだことですが、太陽と地球の位置の関係の話。

もし地球が今より少しだけ太陽に近かったら、地表は高温地獄で生命は生きていけない。

もし地球がいまより少しだけ太陽より遠くにあったら、寒冷地獄で生命は維持できない。

地球の太陽に対する位置は、ほとんど奇跡レベルの絶妙な位置にあることに驚かざるを得ないという事実にも改めて思いが至ります。

 

人間原理

人間原理とは、上記のような観点から、

「宇宙の理論は、宇宙は進化して我々を含むようになったという事実を考慮に入れなければならない」という考え方を指す。

宇宙を特徴づけている6つの数が、生命が栄えるような特殊な値になっていることは、確率的には極めてありそうにないことだ。

人間原理の中でも極端なヴァージョンでは、生命が進化できるように宇宙が微調整されているのは、微調整を行った者が存在するしるしだという。
つまり神の存在を裏付ける証拠とみなせるというのだ。

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マルチバース

それとは別に「マルチバース」という考え方もあるという。 

つまり複数の宇宙(ユニバース)が存在するという考え方である。

マルチバースは、たくさんのーーもしかすると無限のーー宇宙からできている。
そうした宇宙の圧倒的多数は不毛であるか短命であるか、その両方である。
我々は偶然にも、生命を育めるような宇宙の一つに住んでいる

「人間原理」ではなく、あくまでも無数の数があるためのに起こる「偶然」だという考え方でしょうか?

 

ビッグバンの前はどうなっていたのか?=空間も時間もない世界とは?

今も最大の難問は「ビッグバン以前はどうなっていたのか?」という質問だという。

というか、素粒子物理学の最新理論を取り入れても、宇宙創造の瞬間それ自体はどうだったのか?
宇宙創造は何によって引き起こされたのか?という疑問は依然解決されていないという。

そして次のような記述がある。

「ビッグバン以前はどうなっていたのか?」という問題は、論理的に矛盾しているゆえに答えることは不可能だと考える宇宙論研究者は多い。
なにしろビッグバン・モデルによれば、ビッグバンの時には物質と放射が生じただけでなく、空間と時間も生じたはずだからだ。
もしも時間がビッグバンで創造されたのなら、ビッグバン以前には時間は存在しなかったことになり、「ビッグバン以前」という言葉は意味を失う。

⇨この時間の始まりという考え、時間もビッグバンとともに始まったということには驚きです。

 ビッグバン以前には時間が存在しなかった・・・という考えには、簡単に「そうなんですか」と納得できません。
空間がないことは少し分かっても、時間がないって、どういうこと?と思うのです・・・。

空間も時間もない世界、それは世界とも言えない、何もない=ただの無
ということは想像力の限界を超えます。

転生輪廻という考え方がありますが、「ただ無」という思想ではそれも考えられないことになります。この本ではさすがに触れられていませんが、原始仏教やインド哲学が考えた、それらの問題も復習してみたくなります。

 

*この問題は本に書いてある通り解決されている訳ではないのです。あらゆる考えが仮説です。

まとめ

「宇宙創生」という本を説明するにあたって、その膨大な記述をうまく総括することは私には無理だと思い「エピローグ」からの引用で概略を想像して頂こうと思いました。

一部は伝えられたとは思いますが、やはりこの本の全体像を語ることには無理がありました。

◎特に思うのは、量子力学などのミクロの世界を扱う学問が、そのまま超マクロな宇宙を探ることに直結していることなどに触れることができませんでした。

◎また、宇宙の距離や時間の大きさに関する巨大な数字を紹介することもできませんでした。
たとえば

10億光年=存在する一番速いもの、光の速度が、秒速約30万kmなのだが、その速さで10億年かかる距離のこと。

1光年=300,000×3600×24×365=9,460,800,000,000 km (約9兆4600億km)

したがって、10億光年は9.46兆の10億倍kmということになります。 
10億光年を数字で書けば  94,600,000,000,000,000,000,000 km ということになります。

10億光年先の星が輝いたのを今見たらそれは、上の数字の距離のところにある星の10億年前の輝きを見たたことになります。(その星は今も存在しているのでしょうか?)

本文では、このような気が遠くなるような時間や距離の単位がたくさんでてきます。

◎また当然のことながらアインシュタインの相対性理論(一般、特殊)のことに多くのページが割かれています。 (非ユークリッド幾何学についても)

そのあたりのことは、「読んでください」ということで、済ませることにします^^。

 

最後まで付き合って下さってありがとうございました。

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